コロコロのアート 見て歩記&調べ歩記

美術鑑賞を通して感じたこと、考えたこと、調べたことを、過去と繋げて追記したりして変化を楽しむブログ 一枚の絵を深堀したり・・・ 

■③ヨコハマトリエンナーレ2020:タイトルはAFTERGLOW 光の破片をつかまえる

ヨコハマトリエンナーレ2020のタイトルはAFTERGLOW 光の破片をつかまえる」です。この展覧会に通底するコンセプトで、ラクスが語る言葉から、このタイトルの意味やこめられた意図を紐解いてみます。

*こちらの記事は、■ヨコハマトリエンナーレ2020 AFTERGLOW 光の破片をつかまえる(自分用メモ)より タイトルAFTERGLOW」についての部分を独立させました。

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写真は宍道湖の夕暮れ:ヨコトリ2020のタイトル AFTERGLOW=残光 を表すと感じた光景

タイトルの AFTERGLOW(残光)」には、「光輝」「発光」「明滅する光」のキーワードが含まれています。(「光」に関するKWはオレンジで、展覧会に関するKWにもマーキングしました。)

 

 

1■(2020.02.29)「AFTERGLOW」について

 「ヨコトリ2020について」の中に「ヨコハマトリエンナーレ2020に向けて」のメッセージがあります。

タイトルAFTERGLOWについて下記のように語られています。

タイトルのAFTERGLOW(残光)とは、私たちが日常生活の中で知らず知らずのうちに触れていた、宇宙誕生の瞬間に発せられた光の破片を指すものとして選ばれた言葉。

 

太古の昔に発生した破壊のエネルギー(ビックバン)が、新たな創造の糧となり、長い時間をかけてこの世界や生命を生み出してきました。

 

アナログテレビの時代、放送終了後に砂嵐が流れていました。

www.youtube.com

 ソースブックの中表紙の背景は、宇宙から届いた砂嵐のイメージでしょうか?

 

その中に宇宙マイクロ波背景放射と言われる電磁波が含まれていたのです。

WMAP image of the CMB anisotropy.jpg
   パブリック・ドメイン, リンク WMAPによる宇宙マイクロ波背景放射の温度ゆらぎ。

私たちは知らないうちに日常生活の中で、宇宙から届いた光の破片に触れており、宇宙誕生の瞬間に発した光の破片を残光AFTERGLOWと呼んでいます。

現代において、この光は、さまざまなレベルの、破壊/毒性、回復/治癒を繰り返し、人間の営みが続けられてきました。(KW:毒・ケア) 

これらに含まれる有毒なものを排除するのではなく、共存する生き方を実現するためにはどうしたらよいのか。様々な立場の人たちと共に思考を続けようという意味が込められたテーマです。

 

 

 

 

2■(2020.03.06)「AFTTERGLOW」というタイトルについて

 プレイベントが行われたあと「アーティスティック・ディレクターメッセージ」の中で、『AFTERGLOWというタイトルをめぐって』というコメントが寄せられました。

 

2-1(2020.03.06)テーマではないAFTERGLOW

このトリエンナーレはテーマをつけることを前提としない取り組みを進めており、またアーティストや一般の人々を巻き込んで、予測のつかない発見、驚き、洞察を前提とした出会いを生み出そうと試みています。

展覧会のタイトルは、確定する力を持つのではなく、泡のように生まれて消えるけども生き生きとした名前で、楽しさ、魅力、冒険、謎に満ちていることを求めAFTERGLOW というタイトルが提案されました。

 

AFTERGLOW」 には、光の間隔輝くような期待ゆらめく光の流れ存在と生成の茂みの間を流れるエネルギー、といったものを表しています。 

 

参加者を深い探求と予兆が示すゆらめく輝きへ誘い、じっくり考えたり、主張することでぶつかり合います。その出会いを楽しんで欲しいと語っています。

AFTERGLOW」では、空間を思考と感情の複雑なダイアグラムへと変えるような作品を展示します。それは古代のものと濃厚に接触し、時間に身体をこすりつけながら、不確かな未来を見きわめます

 

2-2(2020.03.06)「AFTERGLOW」を作品化

以下、続きます 

・破壊された古代遺跡のかけらをつなぎ合わせて、不思議な物体を復元。
・異国の温室に育つ巨大な花のように咲き誇ります。
・不死を求める中に生命を欲求し、その結果桁違いに大きな宇宙に目を向ける。
・困難な愛に向ける熱情を廃墟と化した病院の中に見出します。
・一方で、植物や動物(フローラ フォーナのエロティシズムへの興味を誘います。 

ここでは、何を語っているのか、さっぱりわかりません。出品作品のことを意味していると思われます。今後、作品の概要が見えてくると、追々、わかってくると思われます。 

  

2-3(2020.04.13)世界が液体でできている状況

今回のヨコハマトリエンナーレ2020は、私たちの多様な世界にある多様な流れを誠意をもって受け入れる態度を示します。その最初の瞬間から皆さんに、世界が液体でできている状況をお見せいたしましょう。

この言葉からイメージされたこと 

   ⇒〇生命の始まり
   ⇒■《ミステリオス》について沈思黙考

 

実際の作品は、このような形でした(2020.05.11)

www.youtube.com

パフォーマンス「Présage(予兆)」 イシャム・ベラダ

 

2-4(2020.05.18)展覧会という茂みについて

  目下、かつてない不安定な状況下での準備を余儀なくされているヨコハマトリエンナーレ2020に向けて、まるで今の状況を予見するかのようにラクス・メディア・コレクティヴが提示したタイトルは、あらゆる物事が複雑に絡み合う世界の中で、思考と知恵の「茂み」の中に流れるエネルギーと、それを自らの手でつかみとろうとする行為を象徴する「光の破片=AFTERGLOW」という言葉です。

引用:展覧会企画概要より

展覧会のタイトルについて、ヨコハマトリエンナーレ2020 企画統括木村絵理子氏より、上記のようなコメントが発表されました。現代美術は、同時代における社会情勢や問題を反映していると言われます。現代美術の同時代性、我々が直面している問題は、展覧会のタイトルに込められたものを理解することによって、向き合い方のヒントをみつけることができそうです。

 

3■(2020.03.06)AFTERGLOW(残光)とは?

エピソード00プレイベントにおけるコメント(第3部 コンセプトの共有)より

残光について、次のように記されています。

残光(アフターグロー)は、光の明るみの後、しかし暗くなる前にやってきます。それは光のインターバルであり、輝く期待であり、ぼんやり光る流れであり、オントシラの充満した流れでもあります。

 KW: 「光のインターバル」「輝く期待」「ぼんやり光る流れ」 オントシラの充満した流れ

 

3-1(2020.03.24)AFTERGROW(残光)はマジックアワーのこと?

AFTTERGROW(残光)とは、「光の明かるみの後、しかし暗くなる前にやってくる」とあります。また光のインターバルとも解説されています。

「光の明るみの後、しかし暗くなる前にやってくる」これは、日没後の「マジックアワー」と言われる光のことではないでしょうか?

 

◆マジックアワーとは

光源となる太陽からの光線が日中より赤く、淡い状態となり、色相がソフトで暖かく、金色に輝いて見える状態を言います。(wikiphedhiaより)

写真の世界では、日没前の金色に輝いて見える状態をゴールデンアワー。日没後、太陽が姿を消し、影のない状態が作り出される時間帯をブルーアワーと呼ばれています。

2020年2月、宍道湖で、マジックアワーの夕日を見ました。それを見たあとに、残光の解説に触れ、AFTTERGLOW(残光)は、マジックアワーのことを意味していたのだと理解しました。

光の明るみのあと、暗くなる前にやってきた残光(太陽が沈む前の黄金色に輝くゴールデンアワー

 

太陽が沈み、暗くなる前にやってきた光のインターバル
(日没後、太陽が姿を消し、影のない状態が作り出される時間帯ブルーアワー)

 

3-2(2020.03.24)マジックアワーの光を分離

この光の色を言葉でどうやって表現できるのか・・・・ 光を階調でとらえるのではなく、一つ一つの色に分離分割してとらえようとしました。この空は、どのような色の光で構成されているのか・・・・ (関連:■島根県立美術館と夕日 )

その時、ソースブックのカラーページが目にとまりました。

ここにある光の色と、日没の色が全く同じであることに気づきました。まさに、AFTTERGLOW=残光は、日没のマジックアワーの光であることを、実体験を通してつかむことができたと思いました。

 ↓ こちらがメインビジュアルの画像

 

3-3(2020.03.24)宇宙の爆発の光と、AFTERGLOW(残光)

当初、上記のメインビジュアルの光は、宇宙が爆発した時(ビックバン)に放たれた光のスペクトル全体を表しているのだと思っていました。そこには、太陽光だけではなくビックバンの時に放出された毒性を含んだ、砂嵐をイメージさせる粒子も含んだ画像なのだと思っていました。画像の粗い粒子は、も内包するの砂嵐をイメージしたものだと思っていました。

関連:ビッグバンの決定的証拠 宇宙マイクロ波背景放射とは|ナショジオ|NIKKEI STYLE

引用:ビッグバンの残光:プランクの全天画像 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

丸1年かけてマイクロ波で撮影した全宇宙(2010年7月5日公開)。
画像の中を横方向に走る明るい光の帯⇒私たちの太陽系が属する天の川銀河
まだら模様の背景⇒宇宙マイクロ波背景放射(CMB)と呼ばれる原初の宇宙の光
ビッグバンの残光

 

3-4(2020.03.24)マジックアワーの光の破片をつかまえる 

その他の画像には、さらにこんな色、あんな色が含まれています。これらは、雲に遮られることのない太陽が沈む日没写真の中にある色と同じです。

 

日没に見える光のグラデショーンを、各色に分けると、この中のどれかにあてはまると思いました。

 

刻々と変化してゆく空。それが、ソースブックに掲載されている光の色とほぼ一致していたという発見は、AFTERGLOW 光の破片をつかまえる」というタイトルと同じ体験ができたと思いました。

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太陽が沈みだすと、空の淡いブルーは、赤が加わって透明感のある赤紫色に置き換わります。太陽が沈みきるとまた、上空の濃紺の空が現れます。水平線には、淡いオレンジの帯がベルトのように広がります。

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3-5(2020.03.24)太陽が沈みきったあとの光の破片 

太陽がすっかり沈み、闇に包まれました。
空は漆黒の宇宙へとつながっていきます。濃紺から黒へと変化していました。

太陽が沈み切ったあとも(日没後約1時間)、夕日のオレンジ色は赤紫に変わり、かすかに空を染めながら光を放っています。(日没:17:48 撮影18:38) 

空には星がまたたき、闇のブルーに包まれました。淡いブルーの帯は狭くなり、宇宙につながる濃紺の空が広がります。

ソースブックのカラー画像の中に、この「暗闇」に対応する光の色が存在していたことにも驚きました。「残光は、暗くなる前にやってくる」とありましたが、暗くなってから現れる光も画像の中にあるのをみつけ、ハッとしました。

 

太陽が沈んだ後に広がる空。その先の闇の色・・

 

ソースブックの後半に差し込まれた画像からの発見。日没後に見た光の色をみつけ、体験を伴った独学を得たように思えました。

 

 

 

ちなみに太陽が雲に隠れて出てこない時の空は、このような色調でした。

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下記のメインビジュアルと色の構成が違うと思ったのですが・・・・ 

左下あたりの色と同じようです。

 

宍道湖の日没を何度か体験して、2月に訪れた時、初めて雲のかかっていない夕日と遭遇しました。その夕日から、横浜美術館トリエンナーレとのつながりを感じることができました。

⇒【追記】つながる展覧会

 

3-6(2020.03.24)ビックバンの光を背後に受けて 

AFTERGLOW」光の破片をつかまえる体験。そして、はるか遠い昔、宇宙の爆発によって今も届いている光を背中に受け、今、この瞬間に立っていること。

この背後の光の中には、ビックバンの時に発せられた毒 放射線も含まれているのかもしれません。しかし、大きな悪影響を受けることなく、こうして立っていられます。今、ここにこうして立てることに、宇宙が生まれた時からのつながりを感じていました。よいものも、悪いものもあるけども、絶妙なバランスの中で成立していることを感じられます。

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関連:〇自分の影法師を踏む

小泉八雲が見た宍道湖の夕日⇒(*1

 

3-7(2020.03.23)なぜマジックアワーの光は、このような色を発するの?

夕焼けはなぜ赤いのか? よく科学書籍に解説があります。太陽が低いため、大気層が厚くなるため、波長の長い赤が通るから赤く見える。なんとなくわかったような気になっていました。しかし、ちゃんと理解はできていませんでした。なぜ、大気層が厚いと長波の赤が見えるのでしょうか?【独学】

あと、沈む瞬間に、何か特別な光が出るという話を聞いたことがあったよな、なかったような・・・・ これは、AFTTERGLOWのエネルギーと何か関係があるでしょうか?

ちょっと調べてみました。が、理解しきれてません。

www.honda.co.jp

 

3-8(2020.04.01)曜変天目の光彩も残光と同じ?

歴史秘話ヒストリア - NHK曜変天目がとりあげられました

「謎の茶碗(ちゃわん)は なにを語る」

 

曜変天目は、宇宙と表現されます。特に稲葉天目は発色が強く、光彩の輝きはひときわ目立ちます。太陽光のもと、反射する虹色の輝きが映し出されました。これ、AFTERGEOWの色彩構成と同じだと感じました。

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静嘉堂文庫美術館絵葉書 部分拡大

宇宙と表現される曜変天目と、構造色の光彩。自然光をあてているわけですから、残光と同じような色構成となるのは、当然といえは当然?

 

関連⇒ 2-3(2020.03.25)「分離」「分割」

   (2020.05.04)「分割」して観察 

 

 

4■(2020.03.06)間質性のエネルギーとは?

気になる言葉がありました。それは間質性のエネルギーという言葉です。残光の解説のあとに続く部分です。

それはまた、存在の茂みと生成のエピソードの間にある間質性のエネルギーです。どこかで生物発光する相互関係が、海の底の生命の存在を示します。また別のところでは、友情の発光が、ケアの輝きが、あるいは独学者の目に輝く直観がそれを行うのです。

KW:存在の茂み 生物発光 友情の発光 ケア輝く 独学者の目の輝き

  

4-1(2020.03.06)「間質」の意味は?  

「間質性のエネルギー」とはどういう意味でしょうか? 「間質性」という言葉で浮かぶのは「間質性肺炎」です。「間質」というのは、間を埋めるという意味と理解していましたが、物理の世界でもこの言葉が使われているんだと思いながら、検索してみました。しかし出てきません。物理、化学用語で「の」は入らないと思ったので「間質性エネルギー」でも調べましたが、こちらもありません。
 
「間質性」「間質」のワードで調べても、解説は、肺炎に関することばかり。「間質」は一般用語ではないのでしょうか?  ⇒ 間質 - Wikipedia
 
一般辞書には・・・・

 

 

4-2(2020.03.06)(寄り道)間質性肺炎」とは? 

ちょっと寄り道の参考情報。間質性肺炎について。【独学】
コロナの肺炎の話題の中で、時々耳にすることもあります。

肺の間質を中心に炎症を起こす疾患。肺の「間質」とは、肺胞を除いた部分のことで、主に肺を支える役割を担っています。

肺において間質(間の細胞)は、肺胞の部分かと思っていました。ところが肺の主たる機能は、肺胞の空気の部分。組織の何もない肺胞の部分が主で、間質はその回りの壁のことでした。主従が逆転した印象。これまで認識違いをしていました。ところがそれがわかってしまうと、間の組織だから間質なのに、なんで勘違いしてしまったのかと思ってます。(⇒*2

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引用:間質性肺炎・肺線維症 (かんしつせいはいえん・はいせんいしょう) | 社会福祉法人 恩賜財団 済生会

 

参考:肺胞と間質の関係

www.katoiin.info

 

4-3(2020.04.16)「間質」は「間質細胞」

私がとらえていた「間質」の意味の元になっていた言葉がわかりました。それは「間質細胞」 からくるものでした。・・・・間質細胞 - Wikipedia  

「間質」という言葉を聞いた時、なぜか「結合組織」が頭に浮かんでいました。これは「間質細胞」からイメージされていたのでした。

間質細胞とは、生体組織の支持構造を構成し、実質細胞支える細胞。つまり結合組織。このような、知識の中、「間質性」と「エネルギー」という言葉が結びつくことに違和感を感じていたようです。

 

参考:第26回 | フクロウ博士の森の教室「からだを復元させる医療の話」 | 中高生と“いのちの不思議”を考える─生命科学DOKIDOKI研究室

>「間葉系細胞」とはいわずに当時「間質細胞」

 

 

4-4(2020.03.06)「間質性のエネルギー」 への違和感

「間質性のエネルギー」という言葉に対する違和感。表現したいことは理解できます。太陽が沈み暗闇になるまでの間を「間質」という言葉を使い、その時に放つエネルギーを「間質性のエネルギー」と表したのだということ。
 
しかし、個人的な感覚としては、こういう言葉の使い方に、受け入れ難さを感じていました。それは、ここで使いたい意味と自分が根差している世界との間に齟齬が生じていたからだと思われます。

 アフォーダンスという言葉が、間違った意味でとらえられデザイン業界に浸透したのと同じ芽を感じられます。

 

4-5(2020.05.10)「間質性のエネルギー」は翻訳によるものでは?

「間質性のエネルギー」という言葉、これは、翻訳によって生まれた言葉かもしれない。原文はどんな単語が使われているのか。確認する必要がある。ちなみに・・・・

 間質細胞: 英  Stromal cell
 間質性肺炎: interstitial pneumonia

 

4-6(2020.05.11)「間質」がヒットしなかったのはなぜ?

・「間質」で検索・・・・間質性肺炎関連ばかり。
・「間質」のコトバンクがひっかからない ・・・・おかしい。なぜ?

・検索結果の最適化が原因かも!‥‥パーソナライズ検索
・検索結果は、個々の履歴等を考慮し、最適化される 検索順位も・・・・
  →医療用語の検索を時々するから? 
  →しかし、ここまで埋め尽くされるほど頻繁ではない
・解消法:シークレットモードで検索 
  →シークレットモードで5ページ目に「間質」のコトバンクが表示
  →シークレットモードでも同様の結果・・・・それは、おかしい なぜ?

googleの検索結果は、トレンドも反映される。
・コロナにより肺炎関連の話題がトレンドになっているのかも。
・それにともない「間質性肺炎」が引きづられて上昇

・「間質」を調べたくても「肺炎」が優先的に紐づけされている?
・利便性のために、目的ワードがみつけにくい状態?

 

一方、パーソナライズ検索は、現在影響されていないという話もある

パーソナライズ検索の真相をGoogleが自ら暴いた――検索結果がパーソナライズされるのは稀、大きくは変わらない | 海外SEO情報ブログ 

 

【独学】検索で調べた結果に潜む外的要因の考慮 

 

4-7(2020.05.16)「間質性のエネルギー」の元ネタ

プレイベントの動画、エピソード00 で語られた「間質性のエネルギー」と訳された部分について 59:20~ 

www.youtube.com

英語の部分は、よく聞き取れませんでしたが、「interstitch」or「interstice」に聞こえました。意味は、interstice⇒すき間、割れ目、裂け目

プレイベントでの通訳されたのは、「現在の茂みとこの先のエピソードとの間のエネルギーです」と訳され「間質性の」という訳はされていませんでした。

 

間質性肺炎: interstitial pneumonia
   interstitial⇒ 間質性の、間質内の、侵入型の、組織内の、介在の、介在性の、中間部の、間質の 

interstiで始まる用語の検索結果
「 intersti」で始まる言葉 - 英和・和英辞書・・・・確認できません
 *使う辞書によってヒットしないものも・・・・

「interstice energy」と想定⇒隙間のエネルギー=間を埋めるエネルギー 
ということで理解しました。

 

翻訳者によっても訳し方が違う。辞書によっても違う。どんな単語をどう訳すか。何を省略するか。翻訳者の意図が介在するということは、これまでも経験してきたこと。

そして、翻訳された言葉を受け取る側が、その翻訳された言葉をどう受け止めるか。専門性のある言葉の場合、使われている意味と、専門領域の意味との齟齬を感じさせられたケース。(美術界って、よそから新しい概念を持ってきて、混乱させてない?と感じることもありました。)

しかしながら、それを見越したかのようなトークが、その前にされていました。最初にテキストで見た時、その部分の意味がわかりませんでした。この件でやっとつながりました。

 

4-8(2020.05.16) 翻訳、通訳の違いは、口と耳で補う

34:09~

上海ビエンナレーで、多国籍の面々との語り合いが続き、お互いを知るために、詩が、口と耳の間を通りすぎていました。時に、ある言葉に対しては、翻訳が必要なこともありました。言葉の意味言葉と言葉の間空間などを翻訳することがありますが、会話は言語を超えて静かに浸透していきました。それは、戦場から脱退兵がその場から消えていくような静けさの中で浸透するような・・・・

(*リリースで配布されたテキストの「翻訳」と、イベントの「通訳」で選ばれる言葉が違うことに気づきました。翻訳では意味が理解できなかった部分も、口語体で語られる言葉によって理解できる部分もありました。⇒「翻訳」と「通訳」の違い、求められる能力⇒ 通訳者・翻訳者とは?必要なスキル・なり方まで解説 | 派遣・求人・転職なら【マンパワーグループ】 )

 

翻訳された「間質性のエネルギーとは何か」しかし、そのような言葉は調べても存在しません。

その翻訳は正しいのかという疑問を持っていました。元のワードはどんな言葉なのか? それを確認したいと思っていたら、そのソースが動画で提供されました。

長い動画に、リリースされたテキストのコメントを対応させながら、その会話の箇所を特定。聞き取りにくい翻訳と、苦手な英語。何度も何度も何度も何度もリピートして、単語を聞きとろうと耳を傾けました。間質性肺炎の英語を再度、確認し、その単語から音を拾い想定。その意味から読み解くことができました。

海外の人との交流がないと、言葉に対するニュアンスの違いの経験がありません。翻訳が完全にはできないこと。また、専門用語の扱い、使う人によっても本来の意味から離れニュアンスが変わることなど、ちょっと頭が柔らかくなったかなぁ‥‥と(笑)

 

【独学】

・苦手な英語も、知りたいという欲求は原典を当たらせるようになる

  ⇒■オリジナルをあたる

・翻訳が正しいとは限らない

  ⇒意図的に翻訳が変えられていた前例

 

 

 

5■(2020.03.23)小沢健二「彗星」との共通性

5-1(2020.03.23)ビックバンで届く光

タイトルAFTERGLOW 光の破片をつかまえる」や、ホワイトノイズのソースを見たときに、まず頭に思い浮かんだのが、小沢健二の『彗星』という曲の世界観でした。

www.youtube.com

この曲の世界観と同じだと感じました。

korokoroblog.hatenablog.com

宇宙でおきた爆発(ビックバン)で地球に届いた光や元素。それらのエネルギー。
そこには、ホワイトノイズといわれる、放射線、粒子が含まれており、美しさの裏に存在するもあること。

そんなはるか遠い宇宙からやってくる光の元で、我々は、今、ここに存在していることの奇跡。地球上のすべてのものは、宇宙の爆発(ビッグバン)によって、飛び散ったチリが地球にやってきたことからスタートしているという地球の歴史。それらのつながりの連続で今であること。

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この世に存在するものは、いいものもあれば、悪さをするものもあります。「いい・悪い」では語れない二面性を持ち、お互いにうまく共存していくことが大事であること。伝えようとしていることは、同じだと理解しました。(多様性のメッセージを伝えることができるのは、このように、美術だけではないと思うのです。美術だけにスポットを絞って、だから美術はすごいみたいな語られ方に遭遇すると、抵抗感を抱いてしまいます。現代美術には、他の要素を内包しているということなのかも・・・・)

 

5-2(2020.03.23)ジョーカーで象徴される二面性

ミュージックビデオを制作した監督が語ります。

 ⇒■ミュージックビデオ「彗星」の世界

小沢親子がババ抜きをするシーン。ババ抜きのジョーカーの役割は嫌われ者(毒) しかし、その嫌われ者は行ったり来たりするというゲームに面白さを感じたといます。

それはある時は毒になったり、そうではなくなったりを繰り返します。があちらに行けば、やすらぎ(ケア)が訪れます。でも、またすぐにやってくる。そんなことの繰り返し。人間社会を反映しているとも…

そして、ババ抜きをするテーブルの下には、全てが反転した地下世界が映し出されており、ここでも二面性を表現しているようです。その中でジョーカーは、カードから飛び出し、楽しそうに踊っています。

MVに登場したジョーカー。それは、ヨコトリ2020のソースのキーワード、毒とケアを端的にあらわしていると感じました。嫌われ者、悪者、毒も、コロコロ変わり、捉え方でも代わる。しかもユーモラスに表現されています。

そして、様々な角度や視点から眺めようというメッセージも、いろいろな表現手段を用いています。人体と宇宙、ミクロコスモス、マクロコスモスの捉え方も、人体は宇宙の構成要素でできているという意味でも、つながっていると感じていました。

 

 

6■(2020.05.06)そんなこと「当たり前」は、当たり前ではない?

「人体と宇宙には共通性がある」この考え方は、誰もが知っている当たり前のことだと私は思ってました。ところが小沢健二の彗星のMVを撮影したディレクターにインタビューをしたディレクターの一言。(人体が宇宙って考え方)「それヤバくないですか?」と反応されていました。(ヤバイをどのような意味で使っているかによっても、言葉の意図は変わってしまいますが)

私は、その反応にヤバさを感じさせられていました。そんな誰でも知ってる当たり前のことを、映像クリエイターが知らないのか・・・・と。

 

6-1(2020.05.06)当たり前のことが、もろくも崩れる

ところが、自分の当たり前は他人の当たり前ではないという養老先生のお話が、前回のトリエンナーレの公開対話でされていました。

ヨコハマラウンド: ラウンド1 <0と1の間にあるアート> 養老孟司×布施英利より

www.youtube.com

1:36:53あたりから

私にとっては当たり前に思っていた「人体と宇宙」「ミクロコスモスとマクロコスモス」が照応すること。その背景には、電子顕微鏡や、フラクタル構造という概念により、人体と宇宙の相似性が認められるという最近の知見も加わって、認知されるようになってきたこと。細かい背景を知らなくても、人体と宇宙の関連性は感覚的に感じ取れることだと思っていました。

ところが、この考え方はプラトンの時代からあったということにまずは驚きました。さらに、近代科学の発展により、この考え方は、次第に消失していったということは、さらなる驚きでした。

 ⇒マクロコスモスとミクロコスモス - Wikipedia

これまで当たり前と思っていた概念は、古い考え方で、今は一新されていたのです。しかし、こう捉え直しました。一度は廃れたけども、フラクタルなど新たな知見の登場により、また脚光を浴びてきた概念。その部分の記載がされていないのだと。

そこで、改めてフラクタルが、いつ頃、登場したのか。ミクロコスモス、マクロコスモスとの関係で探ってみました。すると、フラクタルの、定義がはっきりしていないことが判りました。

最初に知った時も、はっきりしていないことは認識していたと思うのですが、いつの間にか映像などの影響があってか、生物学の進化の領域の中に含まれている概念だと理解するように変化し、受け入れていました。

(最初のフラクタル参考情報⇒フラクタル (Fractale) フランスの数学者マンデルブロによる無限世界描写 | BIRD YARD

 フラクタルを知ったきっかけ⇒エッシャー展 ―視覚の魔術師―  エッシャーの中に見る其一やバッハ モネ アインシュタイン (2016/10/07))

自分が考えることと一致していると、ひっかかりは、消えてしまいまい、都合よく理解していくことがわかりました。改めて確認すると、数学の図形学の領域の話でした。

いつ頃、提唱された考え方なのか? 誰が提唱したのか? その情報がわかりませんでした。(⇒1975年 B・B・マンデルブローだとわかりました)そんなフラクタルの概念が、人や生物、宇宙にあてはまるという考え方は、自分の感覚的に抵抗なく受け入れることができました。違和感を持つこともないので、私見も含め受け入れていたことがわかりました。

(おかしいと感じることができれば、私見ばかり・・・と思えるのですが、自分が受け入れてしまうと、その目線を失ってしまいます。)

ミクロコスモスとマクロコスモスは関連性があるのは当たり前。その当たり前を、改めて見直したら、簡単に崩れてしまったのです。

 

「当たり前」という感覚。養老先生の『バカの壁』は、考え方の枠組みとしては、理解しているつもりでいました。当たり前と思っていたことを、当たり前とは思っていない人がいる。一旦は、びっくりして「え?」と思いますが、「そういう人もいる」という多様性を受け入れ切り替えるように少しずつしてきたかと・・・・

ところが、今回は、自分自身の知識不足や理解の違い、思い違いなどによって、「当たり前」と思っていたことが「当たり前でなかった」という新しい経験でした。

 

 

6-2(2020.05.11)【独学】「当たり前」と思っていたことの間違いに気づく

そのきっかけとなったのは、日用美術館で紹介された『ベリー侯のいとも豪華なる時祷書』。ソースブックに掲載されていた「占星術百科事典」()と共通性が感じられました。その時代の「知」を記録し伝えようとした人たち。それぞれの中にミクロコスモス、マクロコスモスという概念の存在が見えたことでした。

『ベリー侯のいとも豪華なる時祷書』の編纂は15世紀。「占星術百科事典」は16世紀。100年ほどさかのぼった時代にミクロコスモス、マクロコスモスという考え方があったのです。

さらにミクロコスモス、マクロコスモスを調べたら、プラントンの時代からすでにあったことが判明。いろいろな人たちによって継承されてきた考え方だったようです。現代の技術による目が、両者を照応させたのだとばかり思っていました。宇宙が何かもわかっていない時代に、人体と宇宙をつなげて考えた人がいて、それがずっと、つながってきて今に至ってたこと。

理屈ではなく感覚的に「人体」と「宇宙」のつながりを直観的に感じる。それは自身の学びの背景に由来しているとも思っていたのですが・・・・

美術を見ていても、心惹かれる作品は、自然をとりあげ、命を取り上げ、そこからいかに生きるかを問いかけてくるような・・・  いかに生きるかの答えを示してくれているような・・・・  

人体の構造や機能を学ぶとその精巧さや神秘に、宇宙や哲学、神、宗教という世界につながっていきます。

しかし、そんなことは、プラトンの時代から語られていたことで、人体と宇宙はいつの時代も、必然的に関連付けられて考えられていたことを知りました。そんな歴史を知らなくても、引き継いできた思考や知の流れは、人に直観的なものをもたらしているのではないかと思いました。(一方、それを感じないというのも、個の一面であるわけです)

 

 

6-3(2020.05.06)定義がないと語れないと考える人たち

他にも興味深い質疑応答がありました。

コンピューターで「意識」はつくれますか? という質問に対する養老氏の答え。

AIや機械が「意識」を持つかという、質問があいまい。「意識」には定義がない。あるようでだれも定義をしていない。そのため、自然科学の中に「意識」は入っていない。「意識」を定義するとしたら、電気なのか、磁気なのか、エネルギーなのか。それを定義しているものが意識だから。

定義のないところで、議論ができないと考えることを「当たり前」と捉える人。一方、それぞれに定義して、議論すればいいという捉え方もあるのだろうと、最近は思うようになりました。

自然科学を学んだ人は、「意識」を語るためには、それを表すための指標を用いようとします。その指標は、自然科学の概念の中から選びます。その数値の変化により、意識をとらえ、AIやコンピューターが意識を持ったかどうかを、数字で判断する。これが基本思考となっていると考えられます。数字で実証しようとするのが、科学畑の人。

一方(よくわかりませんが)人文系では、意識なんて人によって違うのだから、それぞれに解釈して考えればいいこと。何でそんなまどろっこしいめんどくさいことを言い出すのかわからないと考えるのではないでしょうか? 

意識を数値で表すという感覚的なこと、それ自体が理解されにくのではと思われます。さらに「意識」を、電気、磁気、エネルギーでも表わせないと言われても、それらに関する基礎知識がないと、概念が伝わらないのではと思われます。(私も、よくわかってませんが、感覚的なことはなんとなくわかる気はします。)

美術に触れるようになって、こうしたそれぞれの世界の、思考の違いや、当たり前に思っていることが違うことについて、わからず戸惑った経験を記していました。 
 ⇒ 関連:■美術と科学は違う

 

いろいろな人が集まって話したり、議論したり・・・・ そこには、習慣、考え方の違い、問題の捉え方の違いなどがあること。そして、それぞれに、自分の考えていることが当たりまえと思ってしまいがちであること。

相手の思考を理解しようとしなくてもいい。ただ、自分とは違う考え方や捉え方をしている。当たり前に思っていることも違う。ということを理解して意識することが大切なのだと思います。

 

 

7 ■(2020.05.05)プレイベントで語られていたタイトルへ込めた思い 

プレイベントの様子が、こちらで詳細にレポートされていました。

yokohama-sozokaiwai.jp

その中で、ラクスのモニカ・ナルラがタイトルにこめた想いが紹介されていました。

「私たちの命、宇宙、世界そして無数の行為は毎日崩壊し、そして再構築されています。私たちはそれらを光のケアを通じて修復しています。回復・治癒のために、崩壊され毒された破片の中に残るAFTERGLOW(残光)を使っているのです。生きるとはすなわち自らが光り輝いて学び続けることであり、他者と思いを共有し思考を続けていくことです。横浜トリエンナーレもまさにその連続性と共存の生き方そのものです」 

 引用:ヨコハマトリエンナーレ2020「AFTERGLOW——光の破片をつかまえる」 プレイベント「エピソード00ソースの共有」を開催 | 創造都市横浜

関連ソース⇒(*3

ソースのストーリーやキーワードをつなげながら、これまで見聞きしてきたことにつなげたり、わからないことを調べたり・・・ そうした中で、ぼんやりおぼろげに見え初めてきたことが、上記の言葉でわかりやすく簡潔に示されていました。

それは、今だからわかることで、初めてソースを見たときに、この言葉を聞いても、意味することは理解できなかったと思われます。

示されたキーワードは…

「命」「宇宙」「世界」「崩壊」「再構築」「光」「ケア」「修復」「回復」「治癒」「崩壊」「毒」「破片」「AFTERGLOW(残光)」「生きる」「自らが光り輝く」「学ぶ」「思い」「共有」「思考」「連続性共存」「生き方」

ところが、これらの、キーワードだけでは、理解はできません。それぞれの言葉をつなげるための言葉が必要です。それによって、キーワードどおしの関係性が明確になってきます。言葉をつなぐには、それらを補完するための知識や学びが必要であることがわかりました。

 

間質性エネルギーの意味がわかりませんでした。「間質」とは?

生体内のある機能をもつ組織器官などの実質を、支えたり結合させたりする組織血管神経などを含む。

ー「実質」を支えたり結合させたりする組織ー ここでいう「実質」をキーワードに置き換え、「間質」を「接続するための言葉」と捉えてみました。すると、キーワードをつなぐ言葉は、血管や神経に匹敵するものと考えられます。

オンシトラ「気」のように、神経系のエネルギーの流れに似たものだといいます。ベンガル語の辞書によれば、静脈や神経、血管です。  

実質を支えたりつなげるのに必要なのは「間質」 ソースのキーワードを支え、つなげるための言葉の間質細胞で埋めていく。間を埋めるために学び続けることが大事。独学して自らも輝く。それによって生まれるエネルギー… と考えれば「間質性のエネルギー」というのはありかもと思えてきました。

 

7-1(2020.05.16)間を埋める言葉

www.youtube.com

35:00~

言葉と言葉の翻訳、翻訳の間違い、言葉の空間の扱い方といった経験から、2017年、紛争についての詩の本を出版しました。

 言語が違えば、そこに翻訳の違いが生じてしまうことは避けられません。しかし、それを乗り越えて、お互いが通じ合って「紛争」というテーマをまとめあげた経験。まさに、言葉上の「紛争」も、乗り越えた結果と言えるのかもしれません。

これもまた「茂み」の中から、会話を通して見出したものの一つ。

*4)■言葉と言葉の翻訳、翻訳の間違い、言葉の空間の扱い方
*5)■通訳・翻訳について
*6)■通訳に臨むこと
*7
*8)■通訳におけるメモの取り方
*9)■音源の悪さは灯台もとくらし?! 

 

 

8■関連

  

9■補足 脚注

*1:小泉八雲が見た宍道湖の夕日
小泉八雲は、宍道湖の夕日に魅了され「神々の国の首都」(『新編 日本の面影』池田政之)の中で賛美していることが、島根県立美術館の「黄昏の絵画たち -ノスタルジーモダニズムー 柳原一徳」(p202)の中で紹介されていました。

その表現は多くの色が登場し、印象派の絵を見るようだと評されています。八雲の表現は、印象派の筆のタッチを一つ一つ、色で表し拾い上げているかのようで、複雑な光の色の構成を分離して、色名を与えているように感じられました。

最近は、便利なシステムがあり、夕暮れを表した文学作品の表現をオンライン検索することもできます。(⇒夕方の海の表現・描写・類語|水面・水中・水辺|自然:風景表現の一覧)八雲ほど光を細かく表現されたものはありませんでした。

この階調の色調を分解し、どのような色が存在しているか、カラーパーツに分けて見ることが、光の破片をつかまえていることに通じると思いました。

 

 

*2:■肺の構造の誤解
肺胞の空気の部分を覆う細胞によって、肺胞が形どられ成立している。肺胞を成立させているのは回りの組織。よってこの組織の部分が主で、空気の部分が間質。空気の部分に何等かの病変が現れるのが「間質性肺炎」と理解していた。主従の考え方の反転に思えた。

参考情報 

blog.livedoor.jp

 

 

*3:■ルミナス・ケア(2020.05.14)

エピソード00 プレイベントにおけるコメント - 第一部

 人生、宇宙、世界、そして日々の時間が、こうした数えきれないほどの行為を通してばらばらにされては、再構築されていきます。それはまたルミナス・ケアを通じて、さらに時の住まいを建て直していきます。壊れた瞬間は、時間の有毒なゴミの残光アフターグロウの中で修理されていきます。人生は光り輝く独学者です。独学者は自らに生きるための教えを授けます。このトリエンナーレもやはり同じです。 

 

ソースの共有 - ヨコハマトリエンナーレ2020「AFTERGLOW―光の破片をつかまえる」ルミナス・ケア

 生命、宇宙、世界、そして日々の時間は、数えきれないほどの行為を通じて、分解・再構成され、発光に守られて(luminous care)徐々に再建されていく。短い間の傷も、時間の有毒なかけらが放つ残光(afterglow)の中で回復していく。生命とは発光する独学者(luminous autodidact)なのである。

 

*4:■言葉と言葉の翻訳、翻訳の間違い、言葉の空間の扱い方(2020.05.19)会話によって「茂み」のような思想を立ち上がらせるというのが、今回のコンセプトです。しかし、そこに、多国籍の人が集まれば、言葉の大きな壁が生じます。が、この問題も乗り越える術はあると、まとめられていました。 

現実に感じさせられたのは、スピーチの翻訳が聞き取りにくかったことです。これは、動画する音声の調整によるものなのか、通訳の言葉が明瞭でないからなのか・・・・ 

音の問題の他に、言語との間に立ちはだかる壁も感じました。スピーチが翻訳された日本語のテキストを見ていてもわかりにくいという印象を受けました。それは、日本語と英語の言語の成り立ちが違うのに、むりやり互換し、日ごろ使わない妙な日本語に置き換えられているという違和感です。通常の会話とは違う、表現が妙な日本語は、言葉の流れや思考を分断します。 

テキストの場合は、「ここからここまでが修飾語」で、この部分は、この言葉にかかっている。主語がこれで、それを受けてる述語はこっち・・・・ そのように翻訳された日本語、構造的に理解をしていました。 

これまで、翻訳文学には、馴染みがなかったのですが、たまたま、最近、八雲の翻訳本を読んでいたこと。カミュの『ペスト』が、出展作品に関連していることから、翻訳本の感想に触れる機会がありました。「翻訳された日本語が古い、難解」「読む気になれなかった」「一度防波堤で堰き止められてから、流れてくる感じで、訳された日本語を理解するのが大変のが大変」という感想を目にし、言語を変換して理解することの難しさを感じました。

*5:■通訳・翻訳について 通訳と翻訳の違いは? 通訳・翻訳者になるには? 通訳・翻訳者に求められる能力とは? 興味を持ったので調べてみました。
イベントにおける通訳は、事前にスピーチ原稿をもらい、それをあらかじめ訳した上で臨んでいるものなのか?(ケースバイケースと思われますが、講演会などは、このケースが多いように思われます)そして、当日の内容に変更があれば、それを反映して伝えているのだと思っていました。
今回、後半では、質疑応答があり、この部分は初見での通訳で、通訳としての真価を発揮する場面だったと思われます。リアルタイムの通訳は、非常に負担を伴うと思われます。
一方、事前にトーク原稿が提供されている場合は、通訳にもゆとりもあると考えられますので、聞く側が聞きとりやすい、発生や声を求めてはいけないでしょうか?

*6:■通訳に臨むこと 

通訳に求められる能力についていくつか調べてみました。
通訳者・翻訳者とは?必要なスキル・なり方まで解説 | 派遣・求人・転職なら【マンパワーグループ】)そこには、アナウンサー的な、伝える時の言葉の明瞭さなどには、触れられていないことが意外でした。 

語学が苦手な者にとっては、通訳、翻訳されたものは絶対的なよりどころとなります。リアルタイムで、音声による変換で交換が行われる場面で、聞く側が聞きやすいアウトプットに期待することは、求めすぎなのでしょうか? 
言語を超えた交流の実現ということが紹介されていましたが、個々の能力の限界も感じられました。 

*7:通訳について、何でこんなことまで調べているのでしょう。それは、英語コンプレックスがあるからです。しかし、調べていくうちに、中学時代、通訳や翻訳者になりたかったことが思い出されました。高校は外語短大の付属高校の受験も候補として考えたこともあったのでした。 

が、高校ではクラブ活動に打ち込みたく、少しランクを落とした高校を選択。少しは自信があった英語は余裕・・・と思っていたら、高校英語には、全くついていけないという現実を間のたりにしました。英語のできる人はごまんといる。外短付属なんてとんでもない話。ちょっと中学で英語ができるぐらいでは通用しないのです。学校の選択を誤らなくてよかった・・・・ それ以来、英語に対する苦手意識を持つようになりました。 

兼ねてから、何かに触れて感じたり思ったりすることの裏には、必ず、それを誘発する何かがあると、あると思ってきましたが、動画を見ていて、通訳の言葉が聞き取れないという強い苛立ちの背景には、そんな忘れた過去があったのかもしれません。 

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現代美術の作品に興味を感じ、動画を見てみようと思えるようになったところだったのに、全く聞き取ることができず、非常にストレスとなりました。通訳の仕事は、訳したものをしっかり伝わるように届けるという役割というのはないのか・・・・ と思っていたら、字幕という機能があり、文字で認識することができることが判りました。 

通訳が伝わってこないことに対してあれこれ思うところがあったのは、過去の英語に対する挫折が潜在的に影響していたのかもしれません。 

ヨコハマトリエンナーレ2020を通して、現代美術とは? ヨコトリ2020のイベントにつてを考えていたら、過去、小中時代のコミュニティーの中で得意としていたことが、高校という世界に入ると、上には上がいる。井の中の蛙だったことを目の当たりにし、それ以来、苦手意識となって尾を引いていたことが見えました。

*8:■通訳におけるメモの取り方 (2020.06.22)
初見のリアルタイムの通訳だとしたら手元メモが少なすぎる。あらかじめ原稿が用意されている。と感じたのですが、通訳のメモのの取り方の動画がありました。
通訳のメモは、できるだけ一目で情報を捉えることができる簡潔でコンパクトなメモが理想的。必要最小限にとどめる。これ、講座などのメモでも生かせそうなコツです。速記とは違うというのは面白かったです。 

www.simulacademy.com

*9:■音源の悪さは灯台もとくらし?! (2020.06.25)
音が聞き取りにくい、言葉がわかりにくい・・・・ 途中、もしかしたらパソコンの音量の問題?と思い、途中確認もしていたのですが・・・・ 対応策として最新のデバイスにしてみるとあったのですが、そこはスルー。
たまたま、携帯で音源を聞いてみたら・・・・ しっかり聞こえていたのです。あれこれ言う前に、確認をしっかりすること。