サントリー美術館で「よみがえる正倉院宝物展」が行われています。展示されている作品はすべて再現模造。科学技術の進歩により、再現制度が飛躍的に上がりました。古に技術を学び再現することで、オリジナルの精神や魅力の本質に迫ります。
この展覧会は、写真撮影がNGのため、エントランスのビジュアル写真や、サントリー美術館の公式ツイート(サントリー美術館 (@sun_SMA) | Twitter)、2019年の東博「正倉院のすべて」で撮影した写真などを利用。またこれまでに見た展覧会や展示会の記憶と照らしながら記事にしています。
章構成は、6章からななります。各章の見どころや、気になった宝物、過去に見た正倉院展との関連を紹介。(見出しの番号は、作品番号)
■第1章 「楽器・伎楽」
展覧会最大の目玉ともいえる《螺鈿紫檀五絃琵琶》。五本弦の琵琶はインドが起源とされていますが、今は4本弦となり、5弦は失われています。古代の5弦琵琶は、世界で唯一、正倉院にしか現存しないという貴重な宝物です。
〇10 螺鈿紫檀五絃琵琶
聖武天皇の御遺愛品で正倉院宝物を代表する優品。聖武天皇の7回忌(756年)光明皇后が東大寺大物に献納した宝物の一つ。
◆制作プロセス
平成14年(2002) 事前調査開始
平成15年(2003) 材料の調達
・紫檀材入手し加工までに期間を置く
・玳瑁(ウミガメの甲羅)は国内の備蓄を利用
・弦の復元⇒細く上質な小石丸(皇居御養蚕所で飼育)の糸が最適と判断
平成23年(2011) 模造実作に着手
平成31年(2019) 完成
調査にかなりの時間がかけられています。それは現宝物が明治期に大幅な修理が行われていました。その内容もふまえた上で、制作当時の献納された状態を再現することになったからです。
材料調達も難航しました。玳瑁(タイマイ=うみがめ)はワシントン条約で輸入禁止、紫檀も希少で太い丸太が必要。しかも枯れたものでないと加工ができないなど厳しい状況を乗り越えました。
\よみがえる天平の輝き/
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年1月27日
ポスターにも使用されている《模造 螺鈿紫檀五絃琵琶》。装飾部材の加工、木地の加工、彩色、象嵌など多くの工程を現代の名工たちが担い、調査を含め10年以上の年月をかけて完成させました。独立ケースで背面までしっかりご覧いただけます。
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〇会場に流れる琵琶の音
再現模造は、単に形や技術を再現するだけでなく、楽器として音を奏でるという再現にもチャレンジしました。会場に入ると琵琶の幽玄な音が響いています。
事前調査によって、当初、装飾品と思われていた琵琶が、楽器として音を奏でていたことがわかりました。(CT撮影によって内部に虹と言われる構造が確認。音を共鳴させていたことが判明。)復元では、音を再現することにもチャレンジ。会場ではその調べが流れています。
\螺鈿紫檀五絃琵琶/#よみがえる正倉院宝物展 の会場に入ってすぐに現れるのが、螺鈿紫檀五絃琵琶の再現模造。現代の名工たちが技を尽くしてよみがえらせた宝物の輝きは必見です。会場に流れる琵琶の音色にいざなわれ、いざ天平の旅へ。
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年2月21日
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〇再現模造の技術
模造品の制作にあたっては、技術を解明し、さらに練習を重ね、身体に覚え込ませるまで十分に習得してから、一発勝負の造作をしています。完成に至るプロセス、映像も展示されています。
技術の習得があってこそ、天平の気分、気風を再現できると言います。今と昔の作り手が通じ合う瞬間があると言います。
〇東博「正倉院の世界」(2019)
2019年、東博でも「正倉院の世界ー皇室が守りつたえた美ー」が行われました。そこでも、復元模造品が展示されていました。その時と印象が随分、違うように感じていました。今回展示された宝相華文(天上に咲く花の模様)の方がよりはっきりクリアに見え、細かい造作まで見えるのです。
気のせいでしょうか?あるいは、技法の詳細を知ったあとで見たため、細かい部分にまで目が向くようになったからでしょうか?(以前も制作ビデオはあったはずなのですが…)
玳瑁の部分もぷっくり膨らんでいる様子、複雑な色合いなど、以前は感じられないことでした。背面の宝相華文は対称にレイアウトされていることなも認識できます。
「正倉院の世界」の模造品は写真撮影が可能だったので、見比べてみました。展示が正面からで、背面をじっくり見ることができなかったことがわかりました。違って見えた理由がわかってすっきりしました。
裏側は無理無理、覗き込んで鑑賞していたようです。この角度からは、螺鈿の細かい造作や玳瑁のもりあがりなど確認するのは難しかったかも。
サントリー美術館で見た玳瑁は、赤くて複雑な模様がよく確認できました。照明の違い?と思って納得していましたが、展示方法の違いでした。
東博でも、琵琶の音が再現されていました。おそらく同じ音源だと思われますが、「聴いたことある」という感覚にはなりませんでした。そもそも琵琶を聞く機会というものがないので、音の記憶に留まらないのかなと思いました。
が、2006年頃、屋島に訪れた時、たまたまイベントに遭遇し、お寺で琵琶の音を聞く機会があったことを思い出しました。
制作の映像が、同じかどうか記憶はあいまい。
〇14 縹地大唐花文錦(はなだじだいからはなもんにしき)
琵琶を入れる袋の表地。こちらの布も東博の「正倉院の世界」で見た記憶があります。龍村美術織物による模造作品。
\豪華な唐花文様の織物/
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年2月6日
縹地大唐花文錦は、琵琶を入れていた琵琶袋の表地を復元した織物。植物染料で染めた9色の糸を使い、華やかな大柄の唐花文様を織り上げました。幅は113.6cmもあり、まるで豪華なタペストリーのよう。 #よみがえる正倉院宝物展
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東博で見た裂とはイメージが違うと感じていました。こちらは四弦の琵琶の袋として使われたもの。琵琶袋復元するのに、再現した生地を2m分使ったとのこと。
東博で見た時は、裂を巻き付けていると理解しており、どうしてこんなにぴったり巻くことができるのかと思っていました。それも技術・・・・と理解していたらあとで、縫製され袋になっていたことを知りました。
参考:龍村美術織物公式ブログ : 龍村美術館巡り 「正倉院宝物」編
正倉院の南倉103に所蔵されている、琵琶袋の縹地大唐花文錦(はなだじだいからはなもんにしき)の織り方... | レファレンス協同データベース
追伸:トーハクの正倉院 | 山梨ハタオリ産地の今を伝える ハタオリマチのハタ印
\色とりどりの糸で織られた錦/
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年3月23日
琵琶を入れる袋の表地を復元した豪華な織物。幅は113cm以上あり、植物染料で染められた糸の鮮やかな色彩と緻密な文様は圧巻です。 #よみがえる正倉院宝物展 #サントリー美術館 https://t.co/45EKQmAEvl pic.twitter.com/1ylVVDCmHw
〇15 紅牙墢鏤墢
「撥鏤(ばちる)」とは、象牙を紅、緑、紺などに染めて、撥彫(はねぼり)で文様を白く浮き出させる技法のこと。象牙の撥を赤く染めて削ると、下の白い象牙が浮かび上がります。その線を利用して文様を描いています。
\繊細な文様表現/
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年2月4日
色鮮やかな紅色の撥(ばち)。赤く染めた象牙の表面を削って白い線を描き、ところどころに緑色や黄色で彩色しています。長さ20センチほどの撥の全面に花や鳥、麒麟、蝶などが描かれ、その繊細な文様表現には目を見張るばかり。 #よみがえる正倉院宝物展 https://t.co/45EKQmAEvl pic.twitter.com/GWklEPr0eC
こちらの宝物も2019年、正倉院の世界に出品されていたようだが記憶にありません。
〇16 酔胡王面(すいこおうめん)
欠損した髭が、黒毛の馬の尻尾で再現されています。頭の繧繝彩色(うんげんさいしき)も再現されました。なくなった髭を加えるというように、当時の状態を再現し、今によみがえらせます。
\髭も再現/
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年1月31日
酔胡王面は伎楽(仮面劇)で使用されたお面。お酒に酔って立ち回る役柄から、顔が赤く塗られています。現物からはほとんど失われた髭は、調査によって馬の毛だったことがわかり、黒毛馬の尾毛を使って当初の姿に再現されました。 #よみがえる正倉院宝物展 https://t.co/2sgipxWqWJ pic.twitter.com/YQkOAF0qon
◆繧繝彩色
色の濃淡を順に組み合わせて立体感や彩色の華やかさを表現する彩色技法。 仏教絵画や仏像の彩色、寺院建造物の装飾などに取り入れられる。 起源は唐代の中国大陸と言われ、現在も日本をはじめ韓国やチベットの寺院など多くの仏教美術に見ることができる。
2016年 初めて奈良の正倉院展に訪れ、この彩色を見て、様々なところでみかけるけども、この色は何か意味を持っているのか?と疑問を持ちました。友人もこの色について興味を持っていたようで、その後、お互いに情報公交換したことを思い出しました。
〇12 模写紫檀木画
胴部の捍撥に、馬に乗って狩りをする人物や酒宴の様子が描かれていました。黒ずんでしまったものを模写復元しました。
\よみがえる鮮やかな色彩/
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年2月16日
正倉院に伝わる四絃琵琶の捍撥(撥を当てる場所)に描かれている画を、模写・再現したもの。原宝物は黒く変色していますが、最新の調査で製作当初の鮮やかな色彩と生き生きとした描写がよみがえりました。 #よみがえる正倉院宝物展
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こちらの再現については、東博の正倉院の世界(2019)でも映像とともに、本体も展示されていました。
〇09 桑木阮咸
\文人の名をもつ琵琶/
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年3月13日
正倉院には古代の楽器が多数残されています。原宝物は阮咸(げんかん)と呼ばれる琵琶で、一風変わった名称はこれを愛好した中国・晋代の文人から取ったと言われます。古代の音楽を想像するのも #よみがえる正倉院宝物展 の楽しみ方かもしれません。https://t.co/45EKQmAEvl pic.twitter.com/wNl0u83WWX
〇02 磁鼓
太鼓の胴が、陶器作られていることにもびっくり。収縮率の違う陶器での制作は困難を極めます。
\三彩の鼓胴/
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年3月10日
白・緑・黄の釉薬で彩られた、陶製の鼓(つづみ)の胴の模造作品。製作にあたっては奈良時代の記録を参照して土を求め、原宝物の姿を正確に再現するために、焼成時の収縮まで計算した石膏型を用いています。 #よみがえる正倉院宝物展
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\古代のハープ/
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年2月7日
箜篌(くご)はアッシリアに起源をもつ竪形のハープ。原宝物は大破していますが、明治時代に復元・模造製作された本作で当初の姿がわかります。本体に施された螺鈿はもちろん、胴の内側に色彩豊かに描かれた鳥や飛雲もお見逃しなく。#よみがえる正倉院宝物展https://t.co/2sgipxWqWJ pic.twitter.com/ZSklcbNHk8
〇伎楽 お面と装束
\伎楽のお面と装束/#よみがえる正倉院宝物展 の入り口を少し進むと、等身大の人影が。これは、仮面劇である伎楽に使われたお面と装束の再現模造。中国南方に由来する伎楽らしく、ユーモラスな造形や鮮やかな色彩が見どころ。当時の国際色豊かな様子が伝わってきます。https://t.co/45EKQmAEvl pic.twitter.com/GIJtOSJvK5
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年3月16日
■第2章 「仏具・箱と几・儀式具」
〇21 黄銅合子
たくさんのパーツから成る、複雑な構造。凍時代にすでにティーパー構造が用いられていたといいます。分解した展示がありましたが、想像の大きさと比べてかなり小さくて驚きました。構造の詳細は、いまいち理解及ばすでした。
\黄銅合子/
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年1月28日
仏前で香合として使用されたと考えられる金属製の容器。外見からは想像がつきませんが、実は50数枚の部材を重ね、芯棒を貫通させて固定しています。調査で明らかになった複雑な構造と緻密な装飾を見事に再現した逸品です。 #よみがえる正倉院宝物展
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\徹底的に再現/
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年3月25日
正倉院宝物の模造製作では、調査の過程で様々なことが明らかになりました。例えば黄銅合子では、X線調査により60近い部材を組み合わせた複雑な構造が判明。再現模造では、その姿の美しさだけではなく、宝物製作当初の構造・技法も再現しています。
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\薄さにびっくり!/
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年2月5日
飲食器や供養具として使ったと思われる合金のお鋺(わん)で、入れ子式に重ねて収納できます。器の薄さは口縁部や底を除くとなんと1mm以下。模造製作でも金属製のお鋺を均質に薄く調整することは難しく、奈良時代の高い技術がうかがえます。 https://t.co/2sgipxWqWJ pic.twitter.com/Oh3jTKqjrt
〇25 二彩鉢
\二彩鉢の再現模造/#よみがえる正倉院宝物展 にはやきものも。正倉院には何種類かの彩釉陶器が伝わりますが、原宝物の二彩鉢は土や釉薬の違いなどから、日本で作られたものと考えられています。流下する緑釉の妙を見ていただきたく、展示会場には鏡を置いています。
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年2月26日
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〇44 子日目利箒 附 粉地彩絵倚几
\ただの箒じゃありません/
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年2月25日
宝物にホウキ?と思うなかれ。原宝物は蚕室を掃き清める儀式に使用したといわれる箒で、なんと穂先には小さなガラス玉が刺し通されているという、大変豪華な逸品。把手の部分にも金糸があしらわれ、まさに宝物の風格です。#よみがえる正倉院宝物展 https://t.co/45EKQmAEvl pic.twitter.com/FTramnnavQ
〇30 粉地彩絵八角几
\後期展示スタート!/#よみがえる正倉院宝物展 はいよいよ後期展示!粉地彩絵八角几の原宝物は、仏前に捧げる供物を載せるための台。顕微鏡やX線などを用いた調査で彩色の成分を判断し、青・赤・緑・紫・黄色の鮮やかな色彩を精巧に再現しました。
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年2月23日
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こちらの彩色も繧繝彩色。仏教美術に用いられる配色。
\儀式で使用した鋤(すき)/
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年2月12日
宝物に農具?と思うかもしれませんが、原宝物は正月に行う五穀豊穣を願う儀式で使用されたもの。明治の木彫家・森川杜園が模造製作を手掛け、彩絵も丁寧に再現されています。正倉院に伝わる多彩な宝物の姿がわかる逸品です。
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■第3章 「染織」
〇47 七条織成樹皮色袈裟
7枚からなる袈裟。綴れ(つづれ)織り技法で織られています。2~3種類の色糸をより合わせた杢糸(もくいと)を使用し、文様の部分ごとに横糸の色を変える「綴(つづ)れ」の技法が使われています。
この糸は、皇居の養蚕所で育てた「小石丸」の生糸から制作。縦約1.4m、横約2.4m。糸をより合わせる様子が映像で流れていました。ヨリによって糸のどの部分が出るかで色合いが異なるため、高度の技術を要します。織物の発展のために切り取られ配られたという記録があり、欠失部の再現も同時に行われました。
復元は、3年がかり(平成19年~21年度)「織成」は正倉院宝物にしかみられない特別な技法。
\調査でよみがえる古代の織物/#よみがえる正倉院宝物展 では正倉院に伝わるさまざまな織物をご紹介しています。手前に見える七条織成樹皮色袈裟は、聖武天皇遺愛の袈裟を再現したもの。原宝物は一部に欠損がありますが、調査により複雑な色合いが見事に復元されました。
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年3月20日
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\再現模造トリビア④/
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年1月21日
絹織物の再現模造では質感の再現をも目指し、原料の生糸までこだわりました。その結果、再現に適した繭として行き着いたのが日本産種の「小石丸」。皇室によって受け継がれた小石丸は、皇居内の養蚕所で上皇后陛下によって飼育されていたものです。https://t.co/45EKQmjBtl pic.twitter.com/mEOG7zy7Ei
この宝物は、龍村美術織物による再現です。一見、ぼんやりとした色調ではっきりしないあいまいな文様に見えました。しかし、スコープを覗くとそこに広がる世界に驚愕。実に多彩な色糸が複雑にからみあい、色の繊細なニュアンスを紡ぎ出していることがわかりました。
壁面に掲示された「絨成の組織図」の図解がとてもわかりやすく、技法の理解に役立ちます。(龍村美術織物)
以前、龍村の展示会で、これまでの織の技法が紹介されていたことがあり、講座も開催されました。解説を聴いてもいまいちよくわからず、資料をいただいたりしましたがそのままに。今ならその技法が理解できそうな気がします。その資料がどのファイルに入っているのか、探せない…
龍村美術織物公式ブログ : 100年の節目です。〜横浜高島屋「龍村美術織物展」開催の御案内〜
以下は川島織物による復元です。
〇45 白橡綾錦几褥
単色ながら、織だけで文様を描いています。ただでさえ複雑な織なのに、当時の文様の歪みまで再現するとは! 当時の技術もすばらしいけど、今の技術も負けてはいません。
\織り傷まで再現!/
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年2月17日
二種類の花文を配した織物。なんと、奈良時代の絹織物に見られる文様の歪みや織り間違いまでも再現しているという、驚異の作品です。徹底した再現模造製作の精神が、おおらかな天平の雰囲気を今に伝えてくれます。 #よみがえる正倉院宝物展
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〇66 紫地鳳唐草丸文錦
聖武天皇がひざ掛けにしたという錦。唐草文の中央に鳳凰、その地位を表す?
\聖武天皇の肘掛けの表地/.
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年3月4日
原宝物は、聖武天皇の肘掛けに用いられた錦。文様は、西方起源の葡萄唐草の輪の中に中国の鳳凰があらわされています。再現模造では文様の位置や織り傷までも忠実に再現。ぜひ近付いてよくご覧ください。 #よみがえる正倉院宝物展
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〇68 赤地唐花文錦
〇63 小菱格子文黄羅
織物をスコープで眺めると、単色の織物なのに途方もない繊細な織がなされていて息を飲んだ。法隆寺館で裂を拡大して見た時の驚きを思い出されました。
2016年、京都の琳派展バスツアーの行程に組み込まれていた正倉院展。あまり興味がなかったのですが、あの時に見た裂の記憶が、今につながっています。
平成館では「正倉院の世界」法隆寺宝物館では、正倉院と双璧をなす法隆寺の宝物が展示。正倉院御物よりも前の染織技術もすごいです。残欠として残っています。「淡縹地七曜文入亀甲繁文綾幡足残欠」拡大してみると、薄い繊細な織に、亀甲文浮かびあがり名の由来がわかります。 pic.twitter.com/JgUgfVdiL9
— コロコロ (@korokoro_art) 2019年11月17日
羅についてのわかりやすい解説パネルがありました。それを見たあとだとより、技法のすごみが伝わります。肉眼で見ていただけではまだその真価は伝わりません。
(会員はモオキュラーを借りることができるのでぜひ・・・・)
第3章では、川島織物による再現模造品が多数、並べられていました。川島織物は1889年のパリ万博に出品し、世界に認められました。若冲を織物で表現しセントルイス万博(1904)に出品したことでも知られます。これまでの展覧会や展示会で見てきた老舗の織物会社の活躍。正倉院の復元にも大きく寄与していることを間のあたりにすると、身近に感じられます。
これまで正倉院関連の展覧会を見ると、龍村の名前を探していました。これからは「川島織物」も加わります。
龍村さんが持つ技術は正倉院の修復も手掛けると聞きます。先日の法隆寺宝物館の裂を見ながら、これらの裂にもかかわられていらっしゃるのかなと思いながら拝見しておりました。https://t.co/4LbgEWNCxr pic.twitter.com/cFVL9iYnJd
— コロコロ (@korokoro_art) 2021年12月3日
日本の織物が海外で評判だった理由がわかる気がした。
龍村さんの名をみつけると「あった!」となぜかうれしくなります。デパートの催しで、マイセン展の隣で行われていた龍村美術展。着物には全く興味がありませんでしたが、そこで見た技術に驚きました。織物制作と若冲の升目描の共通性を理解。その時に、担当者から聞いた言葉。「うちは、この技術が変われ、正倉院関係の修復も手掛け、研究のために資料もお借りできるんです。その技術が新しいものを生む」
なにげなく聞いていた言葉の意味が、正倉院関連の展覧会を見るたびに思い返され、その技術に新たな驚きを感じています。正倉院関連の展示では「龍村」の名前を探すようになりました。織物への興味が少しずつ深まり、どこで制作されたのも気になるように… 龍村さんだけではないことも見えてきました。
龍村美術織物は技術力から、正倉院の修復を任され、技術研究のため、裂の貸出を許されていると聞いたことああります。龍村さんの催しは、なぜかタイミングよく出会います。正倉院御物を見ながら、陰の力、龍村の名がないかなと見ていたのですが… 人知れず守っている人たちがいることを忘れないよう
— コロコロ (@korokoro_art) 2019年11月13日
展示会やそこで行われた講座。どのように織っているのかに興味が向きます。あらためて龍村の歴史。⇒龍村美術織物の歴史 | 龍村美術織物(京都)公式サイト
〇48 単色なのに複雑な光沢を持つ ⇒高田装束株式会社
◆塵芥
正倉院の織物を見ていると思いだされるのが「塵芥」
「正倉院の世界」で印象に残ったのは「塵芥」。破損したり朽ちた裂を全て保存していること。さらにその細かい糸を一つ一つ、分けるという気が遠くなる作業を100年以上続けてきたそう。そして選り分けたものが展示されていて、その細かさに驚かされました。これらの織は研究され修復に生かされます。
— コロコロ (@korokoro_art) 2019年11月13日
◆天皇家と正倉院御物
〇小石丸
\日本古来の蚕「小石丸」/#よみがえる正倉院宝物展 では再現模造作品に関連する豊富な資料も展示。絹織物の再現で使用された日本古来の蚕「小石丸」は、現在一般的に流通する繭より小ぶりで、糸が細いのが特徴です。比べてみるとその繊細な風合いがよくわかります。
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年2月10日
https://t.co/45EKQmAEvl pic.twitter.com/6hGrHKeFwU
この小石丸の糸は絹織物のほか、螺鈿紫檀五絃琵琶の弦の再現にも使用されています。現在は小石丸の独特の風合いが見直され、養蚕業者による小石丸繭の生産も復活しています。 #よみがえる正倉院宝物展https://t.co/45EKQmjBtl
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年1月21日
参考:皇室が紡ぐ絹千年物語 御養蚕の繭が文化財継承に一役|NIKKEI STYLE
⇒小石丸が育てられるようになった契機や、引き継がれ守られた経緯。
聖武天皇の愛用品が納められたことから端を発する正倉院宝物。1300年もの間、劣化しやすい木や紙、布などが非常に良い状態で保管されていることは、世界的にも珍しいことだと言います。
また日本の歴史において、皇室が世界最長の王室であるということも。その伝統の継承が、上皇、上皇后様が守り受け継いだ、蚕や茜によって、正倉院宝物が修復され次世代に受け継がれてゆくということに、見えない糸のようなつながりを感じられます。
〇赤色染料
日本に群生がなくなった茜が皇居に自生していることを上皇陛下が認知されていらした。上皇陛下のはからいで3年かけて栽培。
■第4章 「鏡・調度・装身具」
〇86 螺鈿箱
「紺玉帯」をおさめる箱。表面は黒漆塗の地に、螺鈿と伏彩色を施した水晶の嵌装で唐花文様を表わしている。内に豪華な錦の嚫をおさめている。
\帯を収めていた箱/
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年2月19日
2/3に投稿した、まるで現代のベルトのような紺玉帯を収めていた「箱」を再現。中の宝物に勝るとも劣らない華麗な螺鈿装飾が目を引きますが、内張りの錦も見逃せません。内も外も、まさに宝物の名にふさわしい豪華さです。 #よみがえる正倉院宝物展https://t.co/45EKQmAEvl https://t.co/qbYKuejSYU pic.twitter.com/JVKXGopR8r
〇72 銀平脱鏡箱
銀の薄板に文様を描き、切り取って貼り付けます。その上から漆を塗り、磨いて文様の上にのった漆を剥ぎ取るという技法で制作された鏡箱。
\ずっと眺めていたい繊細な文様/
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年2月24日
こちらは鏡を入れるための箱、銀平脱鏡箱の再現模造。銀の薄板を文様の形に切って貼り付けてから漆を塗り、あとから銀の部分の漆を剥ぎ取っています。黒地に繊細な文様が輝き、まるでシックなジュエリーのよう。 #よみがえる正倉院宝物展
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〇74 銀平脱合子
聖武天皇ご遺愛の碁石入れ。銀を張って掘り起こす。蓋には2羽のオウム。「平脱」は、一度、漆で塗り込めた銀の文様をはぎ取り露出させる技法。また「巻胎(けんたい)」というテープ状の材を巻いて成形するすたれた技法を復活させました。
制作プロセスの展示もされています。
〇77 青斑石鼈合子
リアリティーあるスッポンは石で制作。どうみても石には見えない。原宝物に似た石をみつけるまで10年かけるという復元のこだわり。気が遠くなる。
\スッポン形の容器/
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年3月3日
まるで本物の鼈(スッポン)!?…実は石で作られた入れ物(合子)です。模造製作の際には原料の調達に足掛け10年以上かけ、原宝物に似た蛇紋岩を探し出して細部まで再現しました。目には深紅色の琥珀が光ります。 #よみがえる正倉院宝物展
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〇碁石
\象牙の碁石/#よみがえる正倉院宝物展 最小の展示作品といえばこちら、聖武天皇遺愛の「碁石」の再現模造です。象牙を紅く染め、わずか16mmの象牙の表面を彫って文様を描いています。とても小さいので、拡大鏡をご用意しました。
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年3月24日
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〇88 紺玉帯
「ラピスラズリ」と聞いただけでなぜか、心がざわつく石。地球を思わせるような神秘的な石。当時、地球を外から見たら… そんな想像もできない時代でしたが、何か心惹かれる石は、ベルトに使われていました。
\まるで現代のベルト?!/
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年2月3日
ラピスラズリで飾られた豪華な革帯。驚くべきはその姿で、ほとんど私たちが使うベルトと変わりません!原宝物の欠失を補って復元し、宝物の姿を忠実に再現しており、改めて奈良時代の技術の高さに驚嘆させられます。 #よみがえる正倉院宝物展
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以下は、スルーぎみ
\古代のサイコロと筒/
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年3月12日
正倉院宝物には遊戯に使用したこんな品も。象牙のサイコロとそれを振り出すための容器を模造したもので、正方形のサイコロは現代のものとほとんど変わりませんね!筒には金銀泥で文様が描かれています。 #よみがえる正倉院宝物展
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\仏への供物を収めた箱/
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年3月7日
後期から展示中の金銀絵籠箱。原宝物は一部を欠失しており、当初の姿を推定復元した模造作品です。食物を一時的に保管した容器ともいわれ、脚付きの台の上に薄絹を張った蓋をかぶせます。今でもおなじみの構造に、天平の人々の知恵が垣間見えます。https://t.co/45EKQmAEvl pic.twitter.com/CdKvcGra5K
\古代のゲーム盤/
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年3月5日
木工芸家の木内省古が昭和29年に製作した双六局。盤面や脚の側面などに木材や象牙等を象嵌して装飾しています。木内は明治時代から宝物の修理に関わり、姿だけでなく原宝物の素材や技法までも忠実に再現することを目指しました。 #よみがえる正倉院宝物展
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\古代のサイコロと筒/
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年3月12日
正倉院宝物には遊戯に使用したこんな品も。象牙のサイコロとそれを振り出すための容器を模造したもので、正方形のサイコロは現代のものとほとんど変わりませんね!筒には金銀泥で文様が描かれています。 #よみがえる正倉院宝物展
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\ミニチュアサイズの小刀/
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年2月14日
三本の小刀を一つの鞘に収めた「三合刀子」の模造。刀子は紙を切ったり紙や木に書かれた文字を削ったりする、天平時代には必須の文房具でした。全て手のひらサイズですが、鋸の刃渡り46ミリの中に57枚もの歯があるという、驚異の技です…!
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これが何を意味しているのか不明…
■第5章 「刀・武具」
\刀剣も展示中/#よみがえる正倉院宝物展 には明治時代に模造製作された刀剣5点が展示されています。こちらは奈良博覧会社が明治8年に製作した金銀荘横刀の模造。黒漆塗りの鞘は金銀で飾られ、把側に向かって疾走する霊獣の姿が。ぜひ目を凝らしてご覧ください。
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年3月11日
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〇103 金銀鈿荘唐大刀(きんぎんでんかざりのからたち)
聖武天皇の儀式用太刀。
唐草文に水晶や色ガラス玉を嵌め込んでいます。玉の装飾よりもサメ皮が使われていることに興味が… サメ皮のワサビおろしの粒粒よりも、随分、大きいなぁ… 部分によって状態が違うのかな? 刀の装飾はいろいろなものが使われる。
\古代の刀・武具/
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年2月28日
正倉院にはかつて100振りもの大刀が献納された記録が残り、奈良時代に争乱で多くが失われたものの、現在も金銀鈿荘唐大刀などの貴重な品が伝わります。本品は明治時代の再現模造。金蒔絵や水晶による華やかな装飾をお見逃しなく。#よみがえる正倉院宝物展
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〇108 金銀荘横刀
\刀剣も展示中/#よみがえる正倉院宝物展 には明治時代に模造製作された刀剣5点が展示されています。こちらは奈良博覧会社が明治8年に製作した金銀荘横刀の模造。黒漆塗りの鞘は金銀で飾られ、把側に向かって疾走する霊獣の姿が。ぜひ目を凝らしてご覧ください。
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年3月11日
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■第6章 「筆墨」
〇121 正倉院古文書 第十巻
国立歴史民族博物館製作
奈良時代、役所は文書によって運用されていました。文書行政の様子は、正倉院文書からうかがうことができます。
\奈良時代の決算報告書/
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年3月9日
正倉院には古代の行政に関わる多くの文書が残されており、模造製作ではコロタイプ印刷という高い再現性をもつ印刷技術が用いられています。こちらは大倭国(現在の奈良県)の決算報告書の模造。数字が改ざんされないよう、全面に印が捺されています!https://t.co/2sgipxWqWJ pic.twitter.com/BpbnoRo3Py
〇127 続修正倉院古文書 第20巻 国立歴史民族博物館製作
8世紀後半、東大寺写経所で、写経を行っていた写経生は、写経を一時、とめる時には、その理由とともに休暇願を出す必要がありました。その届け出の模造。理由が実に多様。洗濯のため、母の看病、祭りなど…
当時の暮らしぶりが分かると同時に、管理社会がこの時から始まっているのもうかがえるような… これらの届け出は行政文章の裏紙が用いられ、期せずして当時の役所の業務を知る手がかりとなりました。
展示では多色コロタイプ印刷による精緻な模造により制作。コロタイプ(コロ=ゼラチン)感光させると透過し再現性高く滑らかで連続した階調を出すことができる。歴史民俗博物館にて再現。
\奈良時代の勤怠管理/#よみがえる正倉院宝物展 には奈良時代の行政資料の再現模造も。こちらの古文書に見られるのは、なんと当時の役所で働く人たちの「休暇願い」。休暇の理由には家族の看病や腰痛の治療などが記され、思わず親近感を感じてしまいます…笑
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年2月20日
https://t.co/45EKQmAEvl pic.twitter.com/bn9UMO8icK
この話、どこかで聞いたことがあるような… 佐倉の歴史民俗博物館で再現したって話があったけど…と思っていたらそれでした。
■その他
\OA情報/
— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2022年1月29日
今夜25時放送のTOKYO FM「Tokyo Midtown presents The Lifestyle MUSEUM」に宮内庁正倉院事務所の西川明彦所長がご出演。 #よみがえる正倉院宝物展 についてたっぷりお話しいただきます。お楽しみに!https://t.co/tJXVK8C5zk pic.twitter.com/BRb90zvqRe
■模造品について
正倉院の模造品制作は「模造」という響きからくるイメージとは一線を画すために 「再現模造」という新たな言葉でその意図を伝えようとしてきました。
天平時代の技術や心を伝えることを目的としつつ、現在や未来をも見据えた取り組みとして位置付けています。これまでの1300年を未来の1300年につなげるような壮大なプロジェクトです。
これまでも、模造品の様々なプロジェクトを見てきました。模造品が持つ意味や、そこから派生することなど、様々な側面があってそれが持つ意味を理解してきたつもりでした。
サントリー美術館で「よみがえる正倉院御物」の展覧会が開催されることを知り、ともて楽しみにしていました。この展覧会も目当てに久しぶりに会員にも復活。
その後、この展覧会が、模造品によるものであることを知りました。その時の心の声が「なんだ、本物じゃないんだ…」でした。それが正直な気持ち…
これまで、模造品に対して、なんだ…という視線をなげかけないで鑑賞しようという思いを、いろいろブログにしたりしてきたはずなのに…・
■びょうぶとあそぶ:長谷川等伯《松林図屏風》の世界に本当に風が! どうせ複製でしょ?とは思わずに・・・ - コロコロのアート 見て歩記&調べ歩記
会場でも「やっぱり、奈良の正倉院展を見るのが一番ね」「数、少ないわよね」といった奈良の現地に何度も行かれている方の会話も耳にしました。
見方を変えて見るといいのだけど…と思いながらも、自分自身も、模造品と知った時のがっかり感。思っていることと、感じることのずれ。「模造品にも一縷の魂」と思っていながら、本物が来ると期待していてそうではなかったの時の感覚。
模造品のイメージを払拭するのは、とても難しいことなのだと感じられました。