コロコロのアート 見て歩記&調べ歩記

美術鑑賞を通して感じたこと、考えたこと、調べたことを、過去と繋げて追記したりして変化を楽しむブログ 一枚の絵を深堀したり・・・ 

■サントリー美術館:よみがえる正倉院宝物 ー再現模造にみる天平の技ー

サントリー美術館で「よみがえる正倉院宝物展」が行われています。展示されている作品はすべて再現模造。科学技術の進歩により、再現制度が飛躍的に上がりました。古に技術を学び再現することで、オリジナルの精神や魅力の本質に迫ります。

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この展覧会は、写真撮影がNGのため、エントランスのビジュアル写真や、サントリー美術館の公式ツイート(サントリー美術館 (@sun_SMA) | Twitter)、2019年の東博正倉院のすべて」で撮影した写真などを利用。またこれまでに見た展覧会や展示会の記憶と照らしながら記事にしています。 

 

 

章構成は、6章からななります。各章の見どころや、気になった宝物、過去に見た正倉院展との関連を紹介。(見出しの番号は、作品番号)

■第1章 「楽器・伎楽」

展覧会最大の目玉ともいえる《螺鈿紫檀五絃琵琶》。五本弦の琵琶はインドが起源とされていますが、今は4本弦となり、5弦は失われています。古代の5弦琵琶は、世界で唯一、正倉院にしか現存しないという貴重な宝物です。

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〇10 螺鈿紫檀五絃琵琶

聖武天皇の御遺愛品で正倉院宝物を代表する優品。聖武天皇の7回忌(756年)光明皇后東大寺大物に献納した宝物の一つ。

 

◆制作プロセス

平成14年(2002) 事前調査開始
平成15年(2003) 材料の調達
 ・紫檀材入手し加工までに期間を置く
 ・玳瑁(ウミガメの甲羅)は国内の備蓄を利用
 ・弦の復元⇒細く上質な小石丸(皇居御養蚕所で飼育)の糸が最適と判断

平成23年(2011) 模造実作に着手
平成31年(2019) 完成

調査にかなりの時間がかけられています。それは現宝物が明治期に大幅な修理が行われていました。その内容もふまえた上で、制作当時の献納された状態を再現することになったからです。

材料調達も難航しました。玳瑁(タイマイ=うみがめ)はワシントン条約輸入禁止紫檀も希少で太い丸太が必要。しかも枯れたものでないと加工ができないなど厳しい状況を乗り越えました。

 

〇会場に流れる琵琶の音

再現模造は、単に形や技術を再現するだけでなく、楽器として音を奏でるという再現にもチャレンジしました。会場に入ると琵琶の幽玄な音が響いています。

事前調査によって、当初、装飾品と思われていた琵琶が、楽器として音を奏でていたことがわかりました。(CT撮影によって内部に虹と言われる構造が確認。音を共鳴させていたことが判明。)復元では、音を再現することにもチャレンジ。会場ではその調べが流れています。

 

〇再現模造の技術 

模造品の制作にあたっては、技術を解明し、さらに練習を重ね、身体に覚え込ませるまで十分に習得してから、一発勝負の造作をしています。完成に至るプロセス、映像も展示されています。f:id:korokoroblog:20220314162904j:plain

技術の習得があってこそ、天平の気分、気風を再現できると言います。今と昔の作り手が通じ合う瞬間があると言います。

 

東博正倉院の世界」(2019)

2019年、東博でも「正倉院の世界ー皇室が守りつたえた美ー」が行われました。そこでも、復元模造品が展示されていました。その時と印象が随分、違うように感じていました。今回展示された宝相華文(天上に咲くの模様)の方がよりはっきりクリアに見え、細かい造作まで見えるのです。

気のせいでしょうか?あるいは、技法の詳細を知ったあとで見たため、細かい部分にまで目が向くようになったからでしょうか?(以前も制作ビデオはあったはずなのですが…) 

玳瑁の部分もぷっくり膨らんでいる様子、複雑な色合いなど、以前は感じられないことでした。背面の宝相華文は対称にレイアウトされていることなも認識できます。

正倉院の世界」の模造品は写真撮影が可能だったので、見比べてみました。展示が正面からで、背面をじっくり見ることができなかったことがわかりました。違って見えた理由がわかってすっきりしました。

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裏側は無理無理、覗き込んで鑑賞していたようです。この角度からは、螺鈿の細かい造作や玳瑁のもりあがりなど確認するのは難しかったかも。

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サントリー美術館で見た玳瑁は、赤くて複雑な模様がよく確認できました。照明の違い?と思って納得していましたが、展示方法の違いでした。

 

東博でも、琵琶の音が再現されていました。おそらく同じ音源だと思われますが、「聴いたことある」という感覚にはなりませんでした。そもそも琵琶を聞く機会というものがないので、音の記憶に留まらないのかなと思いました。

が、2006年頃、屋島に訪れた時、たまたまイベントに遭遇し、お寺で琵琶の音を聞く機会があったことを思い出しました。

制作の映像が、同じかどうか記憶はあいまい。

 

〇14 縹地大唐花文錦(はなだじだいからはなもんにしき)

琵琶を入れる袋の表地。こちらの布も東博の「正倉院の世界」で見た記憶があります。龍村美術織物による模造作品。

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東博で見た裂とはイメージが違うと感じていました。こちらは四弦の琵琶の袋として使われたもの。琵琶袋復元するのに、再現した生地を2m分使ったとのこと。
東博で見た時は、裂を巻き付けていると理解しており、どうしてこんなにぴったり巻くことができるのかと思っていました。それも技術・・・・と理解していたらあとで、縫製され袋になっていたことを知りました。

参考:龍村美術織物公式ブログ : 龍村美術館巡り 「正倉院宝物」編

正倉院の南倉103に所蔵されている、琵琶袋の縹地大唐花文錦(はなだじだいからはなもんにしき)の織り方... | レファレンス協同データベース

追伸:トーハクの正倉院 | 山梨ハタオリ産地の今を伝える ハタオリマチのハタ印

 

 

 

〇15   紅牙墢鏤墢

「撥鏤(ばちる)」とは、象牙を紅、緑、紺などに染めて、撥彫(はねぼり)で文様を白く浮き出させる技法のこと。象牙の撥を赤く染めて削ると、下の白い象牙が浮かび上がります。その線を利用して文様を描いています。

こちらの宝物も2019年、正倉院の世界に出品されていたようだが記憶にありません。

 

〇16  酔胡王面(すいこおうめん)

欠損した髭が、黒毛の馬の尻尾で再現されています。頭の繧繝彩色うんげんさいしき)も再現されました。なくなった髭を加えるというように、当時の状態を再現し、今によみがえらせます。

◆繧繝彩色
色の濃淡を順に組み合わせて立体感や彩色の華やかさを表現する彩色技法。 仏教絵画や仏像の彩色、寺院建造物の装飾などに取り入れられる。 起源は唐代の中国大陸と言われ、現在も日本をはじめ韓国やチベットの寺院など多くの仏教美術に見ることができる。

2016年 初めて奈良の正倉院展に訪れ、この彩色を見て、様々なところでみかけるけども、この色は何か意味を持っているのか?と疑問を持ちました。友人もこの色について興味を持っていたようで、その後、お互いに情報公交換したことを思い出しました。

 

〇12 模写紫檀木画

胴部の捍撥に、馬に乗って狩りをする人物や酒宴の様子が描かれていました。黒ずんでしまったものを模写復元しました。

こちらの再現については、東博正倉院の世界(2019)でも映像とともに、本体も展示されていました。

 

〇09 桑木阮咸

 

東博正倉院の世界」(2019)の阮咸

螺鈿紫檀阮咸

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〇02 磁鼓

太鼓の胴が、陶器作られていることにもびっくり。収縮率の違う陶器での制作は困難を極めます。

 

 

〇伎楽 お面と装束

 

■第2章 「仏具・箱と几・儀式具」

〇21 黄銅合子 

たくさんのパーツから成る、複雑な構造。凍時代にすでにティーパー構造が用いられていたといいます。分解した展示がありましたが、想像の大きさと比べてかなり小さくて驚きました。構造の詳細は、いまいち理解及ばすでした。

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〇25 二彩鉢

 

〇44 子日目利箒 附 粉地彩絵倚几

 

〇30 粉地彩絵八角

こちらの彩色も繧繝彩色。仏教美術に用いられる配色。

 

 

 

 

■第3章 「染織」

〇47 七条織成樹皮色袈裟

7枚からなる袈裟。綴れ(つづれ)織り技法で織られています。2~3種類の色糸をより合わせた杢糸(もくいと)を使用し、文様の部分ごとに横糸の色を変える「綴(つづ)れ」の技法が使われています。

この糸は、皇居の養蚕所で育てた「小石丸」の生糸から制作。縦約1.4m、横約2.4m。糸をより合わせる様子が映像で流れていました。ヨリによって糸のどの部分が出るかで色合いが異なるため、高度の技術を要します。織物の発展のために切り取られ配られたという記録があり、欠失部の再現も同時に行われました。

復元は、3年がかり(平成19年~21年度)「織成」は正倉院宝物にしかみられない特別な技法。

 

この宝物は、龍村美術織物による再現です。一見、ぼんやりとした色調ではっきりしないあいまいな文様に見えました。しかし、スコープを覗くとそこに広がる世界に驚愕。実に多彩な色糸が複雑にからみあい、色の繊細なニュアンスを紡ぎ出していることがわかりました。

壁面に掲示された「絨成の組織図」の図解がとてもわかりやすく、技法の理解に役立ちます。(龍村美術織物)

参考:七条織成樹皮色袈裟の復元模造

 

以前、龍村の展示会で、これまでの織の技法が紹介されていたことがあり、講座も開催されました。解説を聴いてもいまいちよくわからず、資料をいただいたりしましたがそのままに。今ならその技法が理解できそうな気がします。その資料がどのファイルに入っているのか、探せない…

龍村美術織物公式ブログ : 100年の節目です。〜横浜高島屋「龍村美術織物展」開催の御案内〜

京都・西陣編Vol.2 | ひらく織

 

以下は川島織物による復元です。

〇45 白橡綾錦几褥

単色ながら、織だけで文様を描いています。ただでさえ複雑な織なのに、当時の文様の歪みまで再現するとは! 当時の技術もすばらしいけど、今の技術も負けてはいません。

 

〇66 紫地鳳唐草丸文錦

聖武天皇がひざ掛けにしたという錦。唐草文の中央に鳳凰、その地位を表す?

参考:奈良を「伝える」活版工房 丹 TAN

 

〇68  赤地唐花文錦

 

〇63 小菱格子文黄羅

織物をスコープで眺めると、単色の織物なのに途方もない繊細な織がなされていて息を飲んだ。法隆寺館で裂を拡大して見た時の驚きを思い出されました。

2016年、京都の琳派展バスツアーの行程に組み込まれていた正倉院展。あまり興味がなかったのですが、あの時に見た裂の記憶が、今につながっています。

羅についてのわかりやすい解説パネルがありました。それを見たあとだとより、技法のすごみが伝わります。肉眼で見ていただけではまだその真価は伝わりません。

(会員はモオキュラーを借りることができるのでぜひ・・・・)

 

第3章では、川島織物による再現模造品が多数、並べられていました。川島織物は1889年のパリ万博に出品し、世界に認められました。若冲を織物で表現しセントルイス万博(1904)に出品したことでも知られます。これまでの展覧会や展示会で見てきた老舗の織物会社の活躍。正倉院の復元にも大きく寄与していることを間のあたりにすると、身近に感じられます。

これまで正倉院関連の展覧会を見ると、龍村の名前を探していました。これからは「川島織物」も加わります。

日本の織物が海外で評判だった理由がわかる気がした。

龍村さんの名をみつけると「あった!」となぜかうれしくなります。デパートの催しで、マイセン展の隣で行われていた龍村美術展。着物には全く興味がありませんでしたが、そこで見た技術に驚きました。織物制作と若冲の升目描の共通性を理解。その時に、担当者から聞いた言葉。「うちは、この技術が変われ、正倉院関係の修復も手掛け、研究のために資料もお借りできるんです。その技術が新しいものを生む」

なにげなく聞いていた言葉の意味が、正倉院関連の展覧会を見るたびに思い返され、その技術に新たな驚きを感じています。正倉院関連の展示では「龍村」の名前を探すようになりました。織物への興味が少しずつ深まり、どこで制作されたのも気になるように… 龍村さんだけではないことも見えてきました。

展示会やそこで行われた講座。どのように織っているのかに興味が向きます。あらためて龍村の歴史。⇒龍村美術織物の歴史 | 龍村美術織物(京都)公式サイト

 

〇48 単色なのに複雑な光沢を持つ  ⇒高田装束株式会社

 

◆塵芥

正倉院の織物を見ていると思いだされるのが「塵芥」

 

 

天皇家正倉院御物

〇小石丸

 

 

参考:皇室が紡ぐ絹千年物語 御養蚕の繭が文化財継承に一役|NIKKEI STYLE

 ⇒小石丸が育てられるようになった契機や、引き継がれ守られた経緯。

 

聖武天皇の愛用品が納められたことから端を発する正倉院宝物。1300年もの間、劣化しやすい木や紙、布などが非常に良い状態で保管されていることは、世界的にも珍しいことだと言います。

また日本の歴史において、皇室が世界最長の王室であるということも。その伝統の継承が、上皇上皇后様が守り受け継いだ、蚕や茜によって、正倉院宝物が修復され次世代に受け継がれてゆくということに、見えない糸のようなつながりを感じられます。

 

〇赤色染料 

日本に群生がなくなった茜が皇居に自生していることを上皇陛下が認知されていらした。上皇陛下のはからいで3年かけて栽培。

 

 

 

■第4章 「鏡・調度・装身具」

〇86 螺鈿

「紺玉帯」をおさめる箱。表面は黒漆塗の地に、螺鈿と伏彩色を施した水晶の嵌装で唐花文様を表わしている。内に豪華な錦の嚫をおさめている。

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〇72 銀平脱鏡箱

銀の薄板に文様を描き、切り取って貼り付けます。その上から漆を塗り、磨いて文様の上にのった漆を剥ぎ取るという技法で制作された鏡箱。

 

〇74 銀平脱合子

聖武天皇ご遺愛の碁石入れ。銀を張って掘り起こす。蓋には2羽のオウム。「平脱」は、一度、漆で塗り込めた銀の文様をはぎ取り露出させる技法。また「巻胎(けんたい)」というテープ状の材を巻いて成形するすたれた技法を復活させました。

制作プロセスの展示もされています。

 

〇77 青斑石鼈合子

リアリティーあるスッポンは石で制作。どうみても石には見えない。原宝物に似た石をみつけるまで10年かけるという復元のこだわり。気が遠くなる。

 

碁石

 

 

〇88 紺玉帯

ラピスラズリ」と聞いただけでなぜか、心がざわつく石。地球を思わせるような神秘的な石。当時、地球を外から見たら… そんな想像もできない時代でしたが、何か心惹かれる石は、ベルトに使われていました。

 

以下は、スルーぎみ

 

 

 

 

 

これが何を意味しているのか不明…

 

 

■第5章 「刀・武具」

 

〇103 金銀鈿荘唐大刀(きんぎんでんかざりのからたち)

聖武天皇儀式用太刀。

唐草文に水晶や色ガラス玉を嵌め込んでいます。玉の装飾よりもサメ皮が使われていることに興味が… サメ皮のワサビおろしの粒粒よりも、随分、大きいなぁ… 部分によって状態が違うのかな? 刀の装飾はいろいろなものが使われる。

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〇108 金銀荘横刀

 

■第6章 「筆墨」  

〇121 正倉院古文書 第十巻 

国立歴史民族博物館製作

奈良時代、役所は文書によって運用されていました。文書行政の様子は、正倉院文書からうかがうことができます。

 

〇127 続修正倉院古文書 第20巻 国立歴史民族博物館製作

8世紀後半、東大寺写経所で、写経を行っていた写経生は、写経を一時、とめる時には、その理由とともに休暇願を出す必要がありました。その届け出の模造。理由が実に多様。洗濯のため、母の看病、祭りなど… 

当時の暮らしぶりが分かると同時に、管理社会がこの時から始まっているのもうかがえるような… これらの届け出は行政文章の裏紙が用いられ、期せずして当時の役所の業務を知る手がかりとなりました。

展示では多色コロタイプ印刷による精緻な模造により制作。コロタイプ(コロ=ゼラチン)感光させると透過し再現性高く滑らかで連続した階調を出すことができる。歴史民俗博物館にて再現。

この話、どこかで聞いたことがあるような… 佐倉の歴史民俗博物館で再現したって話があったけど…と思っていたらそれでした。

 

 

■その他

 

 

■模造品について

正倉院の模造品制作は「模造」という響きからくるイメージとは一線を画すために 「再現模造」という新たな言葉でその意図を伝えようとしてきました。

天平時代の技術や心を伝えることを目的としつつ、現在や未来をも見据えた取り組みとして位置付けています。これまでの1300年を未来の1300年につなげるような壮大なプロジェクトです。

 

これまでも、模造品の様々なプロジェクトを見てきました。模造品が持つ意味や、そこから派生することなど、様々な側面があってそれが持つ意味を理解してきたつもりでした。

サントリー美術館で「よみがえる正倉院御物」の展覧会が開催されることを知り、ともて楽しみにしていました。この展覧会も目当てに久しぶりに会員にも復活。

その後、この展覧会が、模造品によるものであることを知りました。その時の心の声が「なんだ、本物じゃないんだ…」でした。それが正直な気持ち…

これまで、模造品に対して、なんだ…という視線をなげかけないで鑑賞しようという思いを、いろいろブログにしたりしてきたはずなのに…・

■びょうぶとあそぶ:長谷川等伯《松林図屏風》の世界に本当に風が! どうせ複製でしょ?とは思わずに・・・ - コロコロのアート 見て歩記&調べ歩記

 

会場でも「やっぱり、奈良の正倉院展を見るのが一番ね」「数、少ないわよね」といった奈良の現地に何度も行かれている方の会話も耳にしました。

見方を変えて見るといいのだけど…と思いながらも、自分自身も、模造品と知った時のがっかり感。思っていることと、感じることのずれ。「模造品にも一縷の魂」と思っていながら、本物が来ると期待していてそうではなかったの時の感覚。

模造品のイメージを払拭するのは、とても難しいことなのだと感じられました。