ミュシャ展が始まりました。スラブ叙事詩全作が海外に渡るのは、今回が初めて。これがおそらく最初で最後と言われ、注目が集まっています。先日、テレビ放映があり、今後の来場者が増えそうということで、六本木にいくついでがあったので、チケットを事前購入しようとしたら・・・
- ■ミュシャ展 割引チケット
- ■混雑状況
- ■撮影可能エリア 作品
- ■予習の必要性
- ■音声ガイドと解説
- ■アートライブラリーは資料がいっぱい
- ■その他 図書館関連
- ■テレビで予習
- ■ざっくりなスラブの歴史概略
- ■スラブの歴史
- ■参考資料
- ■ミュージアムショップ
- ■関連
- ■脚注
■ミュシャ展 割引チケット
絶対に行きたいものは、前売りを忘れずにゲットするためという目的もあって、行きたい展覧会リストを作ってあったのに、すっかり忘れていました。「ミュシャ展」「草間彌生 わが永遠の魂」セット観覧券 2,400円(800円引き)があったのですが、開催前日までで、販売終了です。
現在、「草間彌生展」「ミュシャ展」の2つのチケットを同時購入すると200円引きで、3200円のところ、3000円になります。
時間帯によって、チケット購入待ちの列ができるとのことだったので、今後、テレビ放映もあり、その傾向がより強くなることが考えられます。次いでがあったら、先にチケットを購入しておこうと思いました。ところが・・・・
〇当日利用でないとダメ
その日に購入したものは、その日に利用しないといけないのだとか・・・ チケットは、毎日、違う種類のものが発券されているのでしょうか? 同じチケットだそうです。日付印を押したりもしないようです。いつ購入したチケットなのかを、どうやって判断しているのか確認したら、同じなのでわからないとのこと。
「今、後日入場できるかを確認してしまったから、ダメとなってしまったけども、確認せずに購入して、明日、そのチケットを使ったら、入り口で入場をとめられるのでしょうか・・・・」と伺ったところ、「そういうことはない」とのことでした。 (そのあとは、それぞれにご判断を・・・)
〇チケットは売り場は2か所
下記の「正門」六本木方面 と6の乃木坂方面側にあります。
アクセスマップ|ご利用案内|国立新美術館 THE NATIONAL ART CENTER, TOKYO
六本木側と、乃木坂側では、「乃木坂側」がすいているという話もありますが、常時そうなのかはわかりません。 開館前に待つ場合は、乃木坂は、室内なので寒さが凌げるとか。
参考:六本木のミュシャ展は混雑していても大丈夫! - TRAVEL AND ART
〇サントリー美術館会員は、100円引き
割引を受けるには、「チケット売り場で、ミュシャと草間彌生のチケットを同時購入」する方法と、サントリー美術館の会員は、カードの提示で、それぞれ、100円引きになります。会員なら日を変えて見ることができます。ただし、その日にチケットを購入する必要があるので、混雑して発券待ちになると時間のロスが発生します。
〇あとろ割
六本木アート・トライアングル(あとろ)では、国立新美術館、サントリー美術館、森美術館で開催中の展覧会チケットの半券で、他の2館の観覧料が100円割引。
詳細はこちら⇒ 六本木アート・トライアングル|お得な情報|ご利用案内|
国立新美術館 THE NATIONAL ART CENTER, TOKYO
〇NHKネットクラブより(NHKネットクラブの登録が必要)
1600円が1500円になるクーポンがゲットできます。
〇券売機の待ち時間 入場待ち時間
twitter で随時アナウンスされているのでこちらでチェックして傾向と対策を!
〇テレビOA後 3月18日の発券・入場待ち時間
〇チケット取り扱いコンビニ(割引なし)
サントリーの会員カード、あすろ割などは、コンビニ購入では割引の対象になりません。会場でのチケット購入待ち時間の回避は、事前購入がおすすめ。下記のサイトより販売サイトにオンラインでつながっているのでそのまま購入が可能です。国立新美術館のチケット案内は、コード番号が記されているので親切です。店舗で購入する場合、コードがないと画面選択が必要なので、意外に大変です。
出典:ミュシャ展:チケット情報 より
・イープラス ほか
オンラインチケットは、図柄がなく文字だけですが、申し出ればチケットの半券と交換をしてもらうこともできます。
■混雑状況
〇テレビの影響は?
昨年の若冲展の悪夢があり、テレビ放送後の混雑が尋常ではありませんでした。ミュシャ展の放送は16日。OA前に見ておくことが必至。丁度、その前日の15日にでかけていました。放送前に見るかどうか悩みました。
お隣の「草間彌生展」の美の巨人たちの放送直後の状況を伺うと、微増だったとのこと。大きく影響が出ていないようでした。しかし、放送直後よりも、放送された週の土日、そして、すぐに行けない人がその次の土日に行こうということになるのではないか・・・・とのことでした。ミュシャもそれと同じ動きでは? と判断して今回は見送ることに。
そして、若冲に並ぶ人と、草間彌生、ミュシャの鑑賞者はちょっと違うのではないかとも。どうせ見るなら、今回は、ちゃんと予習してからの方がいい。また、ざっくり全体をつかむのは、やはりテレビにまさるものはない。ということで、しばらく様子を見ることにしました。
会場周辺では、「明日、テレビ放送があるからそのあと、きっと混むだろうと思って今日、来たの・・・」と話している方が何人かいらっしゃいました。
〇休館日の影響は?
ちなみに、国立新美術館の休館日は、火曜日です。美術館の休館日は月曜が主なので、月曜日が穴では? と思ったのですが、特に少ないことはないとのこと。また、一般的に休館日の翌日は混む(若冲展で聞きました)と言われていますが、国立新美術館では特に、そのような傾向は見られないとのことでした。国立新美術館の火曜休館は浸透しているようです。
〇ハローダイヤルの情報のタイムラグ
問い合わせ先のハローダイヤルの案内は、入場制限が出た時だけ、連絡が入ることになっているそうで、実際の細かな状況はつかめていないようです。 チケット購入の待ち時間については、twitterを御覧くださいと案内されました。
公式twitterでは、館内が混んでるという情報が流れていますが、ハローダイヤルの窓口は、細かな情報はつかみにくい状態でした。
また、twitter情報も、リアルタイムではなく、タイムラグが生じていると伺っているので、そういうことも考慮して、判断する必要があります。
参考:生誕300年記念「若冲展」①大混雑:いつ行く? チケット準備 行列の状況
〇展覧会の混雑状況をビッグデータから解析
ミュシャ展 | あの展覧会混んでる? (ツイート数によるグラフ)
放送翌日は、ツイートが増えているようです。
混雑の指標はツイートによるものなので、混んでいてもツイートが少ないと数として現れません。
〇ツイートより
ミュシャ展へ行かれる方へ
— しゃけ (@shake_siromi) 2017年3月13日
・撮影可能作品がありますが大きなカメラや自撮棒はNG!
・多少の混雑でも新美だからこそ展示できる大きな作品が多いので、中に入ってゆっくり鑑賞すると良いよ!
・16日のNHK特番後は混む事が予想されるのでお早めに…#ミュシャ展 #ミュシャ #しゃけMAP pic.twitter.com/KSmzMr0Yam
会場の周り方や、見方のポイントをイラストで紹介されています。
【追記】2017.4.6 時間延長のある金曜日の様子
(■「ミュシャ展」ある日の混雑レポ & 知っ得情報(ロッカー・再入場・音声ガイド)より)
■撮影可能エリア 作品
出典:ミュシャの「スラブ叙事詩」全点の図解 : Art & Bell by Tora
撮影可能作品は下記のとおり
⑯ 『ヤン・アーモス・コメンスキーのナールデンでの最後の日々』
⑰ 『聖アトス山』
⑱ 『スラヴ菩提樹の下でおこなわれるオムラジナ会の誓い』
⑲ 『ロシアの農奴制廃止』
⑳ 『スラヴ民族の賛歌』
■予習の必要性
すでに行かれた方たちのブログを拝見すると、みなさん、口をそろえて予習の必要性を力説されています。最近の鑑賞は、なにも見ずに感じること、直感を大事に・・・と思っていたのですが、スラヴ叙事詩の場合は、直感と言っても、その材料となるものが全くありません。スラヴ民族の歴史というものが、何一つわかっていません。予習なしでは、人ごみを見て終わりそうです。
いろいろ予習の方法はありそうですが、国立新美術館のライブラリーを利用するとよいと書かれている方がいらっしゃったことを思い出しました。
参考:ミュシャ展 @新国立美術館 <所要時間>と<鑑賞の裏ワザ>|MC's Art Diary
チケットの事前購入と、会場の偵察を・・・と思っていたところに、その話を思いだしたので、ライブラリーに立ち寄ってみることにしました。
【追記】2017.04.06 予習に役立ちそうな情報
■全20作品「スラヴ叙事詩」の画像と図解 描かれているものは何?
■音声ガイドと解説
会場には解説がありますが、人が一杯になると、その解説まで近寄ることができない状況になるとのこと。また、巨大なので解説を見ながら近くで見上げてもよくわからないらしいです。そのため、音声ガイドを借りて聞きながら、離れて見るとよいとのこと。音声ガイドと解説の内容は、同じと書かれていました。
(以前、別の展示でそのように書かれていて、ガイドは借りなくてもいいかな・・・と思っていたのですが、とりあえず借りたことがあります。そしたら、付加情報があったことがあるので、実際に確認してみないとわかりません。その後、解説に+αの情報があるという記載を見ました。)
【追記】2017.04.06 実際に借りてみたら
■アートライブラリーは資料がいっぱい
国立新美術館の3階に、アートライブラリーがあります。
フロアマップ|ご利用案内|国立新美術館 THE NATIONAL ART CENTER, TOKYO
入るなりミュシャ展に関する関連本が、ずらりと並んでいました。そして今回の図録や特集された雑誌などがあり、かなりの充実度です。
芸術新潮が、ミュシャ展の特集だったのでこれと、ミュシャ展の図録を手にざっと概要だけでも把握・・・と思ったのですが、まあ、わかりません(苦笑)
図録に添えられた解説の長文は、頭に入ってきません。芸術新潮の解説はコンパクトだったのでそれを参考にしました。が、「どこそこに〇〇が描かれていて・・・」「〇〇には、だれそれがいて・・・」 と言われても、それが絵の中のどれを指しているのか、全くわかりません。図録の解説は、引き出し線があって、それを見ながら対応させて、やっと理解できる感じ・・・・ しかし、その人物が、歴史の中で何をしてどういう役割を担ったのかはわかりません。
また、なんだか描かれた人は、偉い人らしいのに、なぜか薄くぼんやりと描かれていて、主従逆転しています。これじゃ、初見ではみつけられないだろうな・・・・・こうして、2冊の本を突き合わせていたってわからないのだから、いきなり絵を見て解説を見ても、ちんぷんかんぷんになっていたはず。
こちらのコーナー、他の美術館の図録なども、かなり取り揃えられていました。気になるものは、再チェックできます。
■その他 図書館関連
〇美術関連の資料で充実している横浜美術館の美術情報センター。こちらにミュシャの図録が来るのは、4月末から5月初めの予定とのこと。
〇ミュシャの「スラブ叙事詩」に関する図書は、1冊。現在貸出中。予約待ちが1人。
〇書店でミュシャ関連の書籍を探していたら、そごうの紀の国屋、有隣堂2つの書店で、図録の扱いあり。
〇アルフォンス・ミュシャの世界 -2つのおとぎの国への旅- (PIE)のスラブ叙事詩の解説も参考になりそう。スラブの基本的な歴史について図解。そごう美術館のショップにもミュシャ関連書籍あり。
〇もっと知りたいミュシャ―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)
4月に入ったら即、貸出。貸出待ち5名。
■テレビで予習
〇「華麗なるミュシャ 祖国への旅路~パリ・プラハ 二都物語~」
上記のテレビ放送を見ると・・・・ すっと入ってくるのです。あれだけわからない、わからないと思っていたのですが、一度、わからないなりにも見ているということは、違うものです。何を描こうとしたのか・・・ その解説と突き合わせはできるようになってました。ところが、全体の流れは全くつかめていません。
が、予習で、主要となる人物が、なぜか薄ぼんやりと描かれている・・・と感じたのは、意味があって、ミュシャは、一人一人のスラブ民族にスポットをあてていて、だれもが主役だという意味が込められているようでした。
以前、ラリック美術館で
開館10周年記念企画展 「ミュシャとラリック」を見たのですが、スラブ叙事詩の中に、そこで見た絵が描かれているなと思いました。⇒【*1】
ミュシャは、ポスターなどは、描きたくて描いていたわけではありませんでした。本当に描きたいものを秘めていて、その構想を、少しずつ、ポスターなどに描きだしていたことが伺えます。(大衆迎合していくラリックとは、反発するところがあったようです)
そして今の人達を写真にとってその姿を描いたと言います。その意味することはは・・・・ スラブ民族としての血? 歴史の流れ。過去は今に繋がっている。ということを表現しようとしたのではないか。戦いの歴史を、抑圧された歴史を、我々は内包して今を生きている。ということを伝えたかったのかなぁ・・・
■ざっくりなスラブの歴史概略
wiki pedhiaによると(この記事の内容の信頼性について検証をもとめられていますが)
スラヴ全体に関する様々な学問をスラヴ学という。その語源となったスラヴ語本来の「スラヴ・スロボ」の意味は、『言語』、『言葉』を意味するもの[2]である。これは、「スラヴ」がギリシア語に入ったときに『奴隷』の意味となり(他の民族もそうであるが、スラヴ人も戦争などで捕らえられると奴隷として扱われたためであると考えられる。この時代の捕虜はどの国でも奴隷であり、戦利品のひとつに過ぎなかった)、そのギリシア文化を受け継いだローマ帝国のラテン語から西ヨーロッパ諸言語に広まったと考えられる。
このような歴史があるなど知りませんでした。また
スラブ人とは、 ひとつの民族を指すのではなく、本来は言語学的な分類
スラヴ人の多くはコーカソイド人種の特徴を持っている。原住地はカルパチア山脈周辺と推定され[3][4]、スキタイ人やサルマタイ人を吸収同化して同一の言語集団として成立して行った。その後ヨーロッパ各地へと移住する過程で、6、7世紀頃まで言語としてある程度の一体性を持っていた[5][4]ものが、次第に東スラヴ人、西スラヴ人そして南スラヴ人といった緩やかなまとまりから、さらに各地のスラヴ民族を多数派とする集団へと分化していった歴史を持つ。
こうした基本的な歴史を理解していません。
■スラブの歴史
それぞれの絵から伝わってくるのはスラブの歴史は断片にすぎません。ざっくり全体の流れを知りたいのだけど・・・・ そもそも、スラブっていったい何? 叙事詩の順番は、古い順に並んでいるの? いつ頃からいつ頃までの話? 描いた順番は? ミュシャが何歳の頃の話? その時、スラブ? チェコの情勢は? 簡単なスラブの歴史年表はないのかなぁ・・・・
と思いながら、とりあえず、全20点をリストアップしてみました。するとタイトルが情報によって若干違うようなのです。作品展ごとタイトルが違っていたらしいのです。制昨年、時代、歴史背景登場人物あたりを、エクセルに書き出して・・・
とりあえず、20作は、歴史の順番に並んでいることはわかりました。制作年は一部、前後して、入れ替わっています。展示は、順番ではないようです・・・ってことがわかりました。
■参考資料
〇ミュシャ展:作品紹介 (公式)
→作品の概要が簡略的に説明されています
〇ミュシャの傑作中の傑作「スラヴ叙事詩」全20点、初来日決定! - いまトピ
→ミュシャの年表
→歴史や描かれているものに加え、モチーフの関連写真、画像も併記
〇アルフォンス・ミュシャ「スラブ叙事詩」に挑む – プラハから日本へ
→プラハのヴェレトジェニー宮殿にて、2013年特別展示
カレル大学日本研究学科修士課程の学生による、
絵の歴史的背景や構図の説明、感想(日本語にて)
〇ミュシャ展を見に行く前に知っておきたい!スラヴ叙事詩の解説【画像あり】 - ちょい虹:映画情報
→ミュシャの背景、知識、作品画像
〇ミュシャ「スラヴ叙事詩」No1 図解 : Art & Bell by Tora
→歴史、解説 図解 解説画像
〇 ミュシャの「スラブ叙事詩」全点の図解 : Art & Bell by Tora
→これまでのミュシャ関連の投稿がすべてここにまとまってリストになっています
全20点の細矢的解説。日本ではよく知られていない歴史的背景も書かれています。
〇Violka ヴィオルカは2013年よりチェコの藍染めを日本に紹介しています
〇国立新美術館「ミュシャ展」に行ったよ - 宇宙、日本、練馬
〇2017.03.20 ミュシャ展 東京六本木・国立新美術館 (F.kosakai) : Warm Garden 岬
■ミュージアムショップ
ミュージアムショップは入館しなくても利用できるので、すでにチェック済み。鑑賞の当日は、お土産チェックの時間を確保しなくもOK。閉館間際は、混雑もなく見やすかったです。チケットホルダーが、これまでに見たことのないタイプだったので購入。
地下のミュージアムショップもチェック。六本木らしい、デザイン性のあるものがあって目の保養に。特に購入をしたいと思うものはなかったけど、ひととおり見てあるので、見学の日は、見ることに集中できます。
■関連
難解スラヴ叙事詩の全体像をつかもう!
〇ミュシャ展:感想
◆The era of "Slav epic"|ムハをめぐる複数の文脈
〇ミュシャ展:予習 復習
〇ミュシャ展 混雑 知っ得情報
■脚注
*1:■開館10周年の美術館ランチが教えてくれたこと
↑ ミュシャとラリックは同い年 そのお互いの変遷が対比されていて、これを一覧にしたいなと思いながら、そのままになってしまいました。ミュージアムコンサートの我が祖国 モルダウ の演奏、聞きに行こうかと画策したけど、実現できず・・・
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