コロコロのアート 見て歩記&調べ歩記

美術鑑賞を通して感じたこと、考えたこと、調べたことを、過去と繋げて追記したりして変化を楽しむブログ 一枚の絵を深堀したり・・・ 

■浮世絵最強列伝:日本橋高島屋展で1月21日まで開催

日本橋高島屋にて「浮世絵最強列伝」が開催されております。会期は1月21日までと短期間です。アメリカの元軍人によって選ばれたコレクションの審美眼の高さは必見。初心者も上級者も満足させるラインナップは、浮世絵の歴史を体系的に学ぶ絶好の機会。

 

インターネットミュージアムに、レポートしました。

日本橋高島屋S.C. 本館 8階ホール
「浮世絵最強列伝 ― 江戸の名品勢ぞろい ―」
| インターネットミュージアム

 

上記でご紹介できなかった、浮世絵の見方のコツなど、主催者から伺ったお話などを交えながら補足いたします。

*写真の掲載は許可をいただいております。 

 

 

■リー・ダークスコレクションの特徴

今回、世界で初めて公開されることになった米国のコレクター、リー・ダークス氏の浮世絵コレクションの真価を見出したのは、本展の監修者、永田生慈です。

これまで知られていなかったリー・ダークス氏のコレクションは、驚くほどの良好な保存状態かつ、華麗な色調の作品で第一級品と言えます。

また、浮世絵の始まりから大正時代まで250年の作品を網羅的に集め、著名な作品はもちろん、あまりなじみのない作者のものまで、多岐に渡ります。今回の展示では、その中から、浮世絵の創世記から江戸時代の200年に絞った展示です。

また優品ばかりのコレクションで、技法的にも様々な工夫がほどこされています。

 

 

■昔、浮世絵はどうやって見た?

今は、浮世絵はガラスケースに入り、美術館の壁面に飾られたものを立ってみます。しかし昔は、ガラスなどに入っておらず、座って手に持って行灯の光で見ていました。

その紙は、光にかざしながら前後、左右、斜めに角度をつけて動かしかながら見ていました。それは、浮世絵に施された様々な技法を楽しむためです。

 

現代はガラスに入って、立った状態なので寝かすことができません。そこで、人の体を動かして、版画を寝かせた状態で見ているように、腰を下げます。そして下の方から、見上げるようにして見るのがコツだということを今回、初めて知りました。

さらに体を動かし、光をいろいろな角度から受けるようにして、全体を見ていると、優品には、様々な工夫がされているのが発見できます。

 

参考:額入りでは魅力半減!江戸の浮世絵はこう観賞すべし【神奈川大学公開講座より】 | サライ.jp|小学館の雑誌『サライ』公式サイト

 

 

■技法はキャプションで

〇斜め下から見上げる

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作品の下にある上記のようなプレートに注意しながら見るのがおすすめ。

 

ここに示された斜め下から見上げる これは、いろいろな技法を見つける重要なポイントになります。

 

〇摺物

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「摺物」というと、版画で刷られたものと理解していました。ところが・・・・

一般的には、印刷物という意味なのですが、江戸時代は、江戸時代に暦、狂歌俳諧などに絵を加えて板刻した一枚摺り摺物絵を略して摺物というのでした。つまり一点物、オーダー作品のことだったのです。何枚も摺ってはいけないのです。

 

上記は、1点物にだけ許された金銀摺が、施されています。という意味なのでした。

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(右)74 魚屋北渓 「春ノ山又 其一・其二」 

 

ということは、解説に「摺物」とあったら、そこには特別な、高度テクニックが潜んでいるはずなので要チェックです。

 

 

■技法の種類

〇空摺 

見上げるように見ることで、比較的、見つけやすくなります。 

一色に見える部分にバレンで凹凸を浮き立たせるように摺られています。女性の紫色の頭巾や黒い帯にも凹凸で柄がつけられています。

着物の柄などによく使われます。

 

〇きめ出し

色摺の済んだ絵を裏表にして版の上に載せ肘などで強く押して輪郭内を凹ませます。表に返すと対象部分が隆起して浮き出したようになります。
無色の線で立体感が出せるため、雪や波などの白いものが効果的に表現できます。

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何度か見ていくと、技法が次第に見えるようになるのを実感します。横浜高島屋の展示で「きめ出し」という技法を知ったのですが、それがどういう技法か、なかなか認識ができませんでした。ショップのアダチ版画の作品で「きめ出し」の実例を見せていただこうとしたのですが、あまり用いられない技法のようで、お目にかかれない状況。新北斎展でも・・・・

再訪したところ、春信の雪にはっきりくっきり見えました。数を重ねると、探すでもなく、あちらから目に飛び込んでくるような感覚でした。

 

 

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(中央)17 鈴木春信 「やつし通小町」 

中央の作品の雪を見ると、きめ出しの技法が用いられており、雪のふんわり感が表現されています。

 

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(中央)21 無款/鈴木春信 鷲娘

こちらの作品の雪にも「きめ出し」の技法が確認できました。

 

〇雲母摺(きらずり) 

雲母の粉(貝殻の粉で代用する場合が多い)を絵具に応用して摺ったり刷毛(はけ)でひいたりして余白をつぶしたもので,歌麿写楽大首絵などによく用いられている。

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科博で見た雲母 

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こういうものが使われるのか???

 

 

〇正面摺 

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「つや摺」とも言う。摺りあがった絵が乾いてから、光沢を出したい部分を彫った版木(通常の版木とは逆に彫ってあり、正面板という。)に絵を表にして置き、絵の表側を陶磁器や猪の牙などでこすってツヤを出す技法。黒地の着物に光沢のある文様を表現するのに使われる。

引用:yougo02

 

最初、正面摺が何度、見てもわかりませんでした。海老蔵の帽子の角度を変えると細かな格子が施され、テカテカ光っていました。

 

 

■ 見つけてみよう

〇グラスの雲雲 髪の毛の水油

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126 歌川国貞 「風俗三人生酔」

キャプションや、作品解説にも触れられていませんが、画中の辰巳(深川)芸者の持つグラスには雲母摺がほどこされています。それを伺って、いろいろな角度から眺めてみるのですが、なかなかわかりません。

ある一瞬の角度の時に、そのきらめきが目に飛び込んできました。わかっていてもなかなみつけられないようなしかけを施しています。どうだ!と言わんばかりの職人の心意気を感じます。

依頼者も作り手が仕掛けた技を、一生懸命、探していたのでしょう。また雲母刷りもいろいろ種類があります。背景などは雲母を最初に混ぜて塗りますが、このグラスの雲母は振りかけています。刷毛で塗る方法もあります。そんなことを理解しながら、見る角度をいろいろに変えて他の作品もご覧になってみて下さい。

髪の毛にも注目。描かれているのは辰巳(深川)芸者です。彼女たちは、意気でさっぱりな気性、濃い化粧をせず、水髪を好みます。水髪とは、油を使わずに水だけで結う髪のこと。角度を変えてみると、油ではない水によって結った髪の質感が表されており伝わってきます。

 

〇黒でない赤い輪郭線

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127 歌川国貞「お歯黒をつける女」

作品解説の中に埋もれていますが、顔、身体の輪郭線が黒でなく、朱色が使われているのが特徴。それによって女性のふっくらした柔らかい線を表現したかったようです。

 

■展示構成 

〇第1章 江戸浮世絵の誕生

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〇第2章 錦絵の創生と展開

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〇第3章 黄金期の名品

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〇第4章 精緻な摺物の流行とその他の諸相

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〇第5章 北斎の錦絵世界

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〇第6章 幕末歌川派の隆盛 

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■感想・雑感

これらのラインナップを見ていると、若冲のコレクションで有名なジョー・プライス氏が思い浮かびます。ジョー・プライス氏は若冲が中心ですが、リー・ダークス氏は、浮世絵全般を網羅的に蒐集ているとのこと。そのコレクションの審美眼を評価し、裏付けたのが、永田生慈で、この展覧会の監修者です。

横浜高島屋でこの展覧会を見た時、衝撃を受け、このような展覧会を開催されたのは、どのような方なのかとても気になり伺いました。昨年2月に永眠されていたことを知り驚きました。

 

そして、現在、行われている森アーツセンターギャラリーの「新・北斎展」の監修もされた方だと知り、2度ビックリ。北斎研究の第一人者で、2014年のパリ・グランパレ開催された北斎展の監修がご縁で、この企画が実現したそうです。

また、リー・ダークスコレクションの形成には、アドバイザーであるセバスチャン・イザード氏による多くの助言もあったあったとのこと。

日本の素晴らしい作品が、海外に渡ってしまった寂しさもありますが、それを大切に維持していただけこうして、私たちが再会できる機会が得られたこと。永田生慈が素敵な置き土産を残していただけたことに感謝。その作品のすばらしさに触れられたことを、うれしく思いました。

リー・ダークス氏のコレクションを見たあとに、「新・北斎展」を見ると、北斎の技巧的な部分がとてもよく理解できます。北斎は、技巧的にはあまり、特筆するものがないと聞いておりました。「新・北斎展」で、摺物を多く制作した時代の作品を、腰を下げて下から眺めてみました。リー・ダークス氏が所有している(北斎以外の)浮世絵師の技術的な違いがとてもよくわかりました。空摺の技術の差なども見えるので、北斎だけを見ていては見えないものが見えてきます。「新・北斎展」を予定している方は、こちらを見てから行くと、より楽しむことができると思います。(⇒追記へ)

 

 

■追記

【追記】2019.01.19  最強列伝の北斎は違う!

北斎は技巧はあまり使わないのだという理解をし、再度、最強列伝の北斎の錦絵を見ました。その認識を覆されることに。

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解説の意味がわかりませんでしたが、やっと理解。

 

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【追記】2019.01.20 北斎版画のさらなる奥深さ

北斎はやっぱりすごかった!と感じたのが、「4章:精緻な摺物」の中で展示されていた 「七里ガ浜ヨリ腰越ヲ眺望」(62)でした。浮かぶ島に銀がさりげなく施され、着物の模様には細やかな空摺が施されています。

「新・北斎展」「2章:宗理時代の摺物」の作品。摺物とは言っても、「浮世絵最強列伝」で他の絵師の奥深い技量を見てしまっていたため、正直なことを言うと、この展示では、あらら・・・・と思ってしまったのでした。

ところが、翌日、また訪れたら、他の北斎の摺物も超絶技巧のオンパレードだったのです。見えていなかっただけでした。苦手(?)と言われていても、やる時にはやる人。そんなイメージに一転。ところで、こんな作品を頼むのはいったいどんな人なのでしょうか?

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【追記】2019.01.20 岳亭って何者?

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初めて聞く浮世絵師でしたが、その技術には目をみはるばかり。ほぼ全面に施された技の数々に圧倒されました。ところが、翌日見たら、それはまだまだ序章でした。絵師、彫師、摺師、そして依頼人との知的バトルを見ているようで、ゾクゾクしました。

知られていない絵師にも、素晴らしい人がまだまだ、いっぱいいるのです。それをアメリカの人がみつけて持ち帰っているということが、ちょっと悔しい(笑)

 

65「龍虎二番」圧巻・・・・・ これを最初に見た時は、技巧的なことは、一部だけで、ほとんど気づいていませんでした。

図録には(p218)この題材についていろいろ書かれています。しかし、基礎知識がないためチンプンカンプン。でも、絵を見ているだけで楽しめてしまいます。このような技巧が海外の人を魅了する理由だそうです。作品の背景を知らなくても、技術だけで楽しめてしまいます。

もっとその先、内容を知りたくなってきたら、その時にさらに調べればいい。今は、岳亭という存在を知っただけで十分。それ以上はキャパオーバーです。これから、追々、少しずつ・・・

 

◆岳亭春信

魚屋北渓門人。作画期は文化末~弘化期(1816-47)か。その後、岳亭定岡、八島岳亭、岳亭岳山、五岳など様々な号を用いる。自ら狂歌を読み、摺物、狂歌集に多く筆をとる。(参考:図録p243)

 

 

【追記】2019.01.20 魚屋北渓との再会

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この人もすごいなぁ‥‥ 「魚屋北渓」 あっ、知ってる!北斎の弟子だ。すみだ北斎美術館北斎の橋 すみだの橋」で目に止まり、構図の発想がすごいなと思った人。北斎にはない視点を持っていると思った人だったと記憶。(もしかしたら他の弟子だったかもしれませんが)こうして再開することで、少しずつその絵師を知っていくことができます。

 

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(左)75 魚屋北渓 「長生殿」 
(右)74 魚屋北渓 「春ノ山又 其一・其二」 

 

◆魚屋北渓(ととやほっけい)

北斎門人。四谷猿ヶ京で松平志摩守家御用達の魚屋を営んでいたので魚屋に。画業のほとんどは摺物で、錦絵の作例は少ない。

 

 【追記】2019.01.21 知らないけどこれすごい! があっちにもこっちにも…

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(左)85 渓斎英泉「日光山名所之内 素麺之滝」

よく名前は目にしていましたが、どんな人だろう。画風や名前から想像するに北斎の弟子かな? と思ったら、菊川英山の門人。美人画を中心に名所絵も描く。「木曽街道」のシリーズを描いているとのこと。

 

(中央)86 春好斎北州 「三代目中村歌右衛門の加藤正清」

文化文政年間に大坂で活躍。松好斎半兵の門人。文政元年(1818)葛飾北斎門人に。中村歌右衛門の贔屓でこの役者を描く。鉢巻の模様などが異なる版も確認される。  

 

(右)87 歌川貞升「二代目中村芝*の犬山道節」

背景の黒、洞窟の黒、海、髪型… 写真では真っ黒ですが、それぞれの黒が多様に表現されています。何度も訪れてやっと気づかされます。裾の細かな空摺、赤い部分のグラデーション、黒バックの中に浮き立つ煙の白。

 

【追記】2019.01.20 写楽がずらり並ぶ展示

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写楽は一枚でも、うやうやしく展示されているのを見てきましたが、3枚、同時にならんだのは初めて。こうして並ぶと、写楽の人物表現の共通性が見えてきます。なんだかみんな似てる気が・・・・

 

【追記】2019.01.21 初摺との違い

初摺と後摺の違いは、なんと言っても色の鮮やかさ。それに加えて、輪郭線のボケや欠落などがないこと。人気で摺がかさむと版木が劣化するため初摺とは違ってきます。また増産のため、彩色をカットしたり、描かれているものを省いたりということもありません。そして、たまに構図がガラリと変わったりすることもあるという認識をしていました。

 

「木曽街道六拾九次の内中津川」歌川広重)は、初摺は「雨」で、後摺は「晴れ」というめずらしいもの。初摺と全く違うシチュエーションで摺るのは、版木があまりに傷んでしまったり、破損して作り直しをしたケースと聞いていました。

こちらは、何等かの事情で版木を紛失したらしく、新たに作り直したらしいとのこと。初摺とは全く違う構成。雨の中津川は、残存数が少ないとのこと。(参考:図録p237)

参考:

東博「木曽海道六拾九次」(その2):7(武佐~大津) | 又兵衛~~~~~深水 - 楽天ブログ

中山道広重美術館 :: 木曽海道六拾九次之内

 

【初摺のありがたみについての雑感】

展覧会で展示される浮世絵のほとんどが「初摺」作品ばかりです。私がこれまで見てきたのも初摺ばかり。そして展示の売り文句は、初摺の色の鮮やかさが訴求されます。

ところが、展覧会で摺がきれいなものばかりを見ていると、それが当たり前になってしまいます。希少な初摺だからコレクションし、お披露目しているわけです。次第に初摺のありがたみが、薄れてきました。逆に初摺ではない作品が見たいなぁ…と思うように。できることなら、比較展示して見たいという欲求に。

 

北斎富嶽三十六景 神奈川浪裏の色について】

私が知っている、神奈川沖浪裏は、こんな感じで空の上部にうっすら赤が入っています。

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引用:wikipedhia

 

ところが、この展覧会の『富嶽三十六景 神奈川沖浪裏』は、ピンクが抜けていました。

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退色してしまったのでしょうか? 初摺の色鮮やかな作品をコレクションしているという触れ込みだったはずなのですが・・・・ 北斎のマスターピースとも言えるgrete waveなのに色抜け? でも、逆にその方が興味深かったです。

もしかしたら、有名作品なので、誰もが良い状態のものをコレクションしたくなります。そこをあえて、赤の入っていないバージョンを選んだとか?

(ちなみに「新・北斎展」の神奈川沖浪裏の空も、空の赤のないものでした)

 

【色でなく構図の違い】 

そんな中、色の鮮やかさだけではない、全く構図の違う作品が展示されているのは興味深いです。ただ、キャプションをちゃんと読まないとそれには気づけません。後半の展示でなので、お腹いっぱい状態。最後は、流してみるモードになっています。

何か解説がある・・・・ しかし、読んではいなかったため気づきませんでした。きっと通り過ぎてしまった人も多そうです。違う版の比較画像でもあると、アイキャッチになりそうなのです。

 

【追記】2019.01.21 この展覧会で初めて空摺に気づいたのは白鷺 

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今回の展覧会は、横浜2回、日本橋5回訪れました。最初に空摺に気づいたのは、広重の「太蘭の白鷺」(写真右) 鳥の体に施された羽根の細工のこまやかさに驚かされました。

それから回を重ねるたびに、技巧がすこしずつ見え始め、段々、探そうとしなくても見えてくるようになりました。数を見るとわかるようになってくるというのは、こういうことなのだと思いました。

 

 

 

■開催要項 

展覧会名:
サンタフェ リー・ダークスコレクション 浮世絵最強列伝~江戸の名品勢ぞろい~」展

  • Popular Impressions: Japanese Prints from the Lee E. Dirks Collection

  • 会期:2019年1月9日(水)~ 21日(月)

  • 休館日:なし
  • 開館時間:

    1月9日(水)~ 16日(水) 10:30~19:30
    1月17日(木)~ 20日(日) 10:30~20:00
    最終日1月21日(月)は10:30~18:00
    (入場は閉場の30分前まで)

  • 会場:日本橋髙島屋S.C.本館8階ホール

 

■参考

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190120-【生没】浮世絵最強列伝 絵師生没年.jpg - Google ドライブ

 

 

 

 

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