Sheageに、静嘉堂文庫美術館で行われている「歌川国貞展 ~錦絵に見る江戸の粋な仲間たち~」の記事を書きました。美術初心者が浮世絵を楽しむために知っておくとよいポイントを紹介しています。
上記で紹介できなかったことをご紹介
■世襲のいろいろ
歌川国貞は、二世豊国を名乗りましたが、娘婿が二世を名乗っていたため、かないませんでした。その系譜図です。
赤枠が豊国系列
青枠が国貞系列
豊国系列とは別に、「国貞」の名も襲名されています。国貞の直弟子「国政」は「二世国貞」であり「四世豊国」でもあるという複雑さ‥‥
■歌川系の絵師が生きた時代
歌川豊国の系譜で有名な人物をあげると‥‥
・歌川 豊国(1769-1825)豊国派の始祖「浮絵」を広めた豊春の弟子の一人
・歌川 国貞(1786-1865)豊国三世
・歌川 国芳(1798-1861)国貞とは豊国の兄弟弟子 最近の注目トレンド
・歌川 広重(1797-1858)豊春から分かれた豊広の系列 弟子の方が有名に
・葛飾 北斎(1760-1849)浮世絵と言えばこの人
国貞は明治維新の7年前に没しています。開国前夜の時代を生きた絵師。国芳、広重ともほぼ、同時代で幕末を生きた人です。(そんなに近代に近い人たちだったとは思っていませんでした)そして浮世絵と言えば北斎! 北斎は長生きしたので、生きた時代はかぶっています。 国貞系、広重系、国吉系、そしてその弟子たちも、結構、重なっていたことがわかりました。
〇二世豊国は、三世豊国(国貞)よりも年下だった
そして、国貞は自ら豊国二世を名乗り、弟子たちにもそれを認めさせていましたが、師匠の娘婿、豊重の襲名に、忸怩たる思いがあったようです。しかも生没年で並べてみると、豊重は16歳、年下! 才能もなく(館長談)娘婿というだけで二世を名乗るとは… そんな思いでいたのでしょう。
〇歌川系の生没年表
歌川系の有名人の生没年と北斎を並べてみました(赤)
【豊春系列】【広重系列】【国芳系列】をそれぞれ生没年を並べてみると‥‥
へ~のトリビアは、国芳の系列ののちに「鏑木清方」「伊藤深水」など昭和を生きた画家ともつながっていたことでした。
〇浮世絵の歴史
浮世絵の発生からの歴史でみると‥‥
これまで見聞きしてきた絵師をラインナップ
「浮絵」や「錦絵」の登場、それを担った人たち。こんな時代背景の中の「歌川国貞展」です。
歌川の系譜についての詳細は
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