「新・北斎展 HOKUSAI UPDATED」が六本木の森アーツセンターギャラリーで始まりました(3月24日まで)。展示作品はなんと約480件(会期中展示替えあり)。しかし一気に公開ではなく4期に分かれて展示されます。いったい、いつ行けばいいのでしょうか? 注目作品をよりたくさん見ることができるという点で調べてみました。
追記しました。(追記:2019.01.29 元記事:2019・01.21)
〇2期が始まりました 注目作品、最多展示期間
1月30日より2期が始まります。2期の開催期間の中でも1/30~2/11の間は、注目作品を一番多く見ることができる期間となります。いつ行くか迷っている方は、この期間がおすすめです。
〇会期毎に作品画像を掲載
作品の画像を、会期毎にアップしました。全てではありませんが、鑑賞する会期を選ぶ目安にしていただけましたら幸いです。
⇒ 【追記】会期と展示作品画像(2019.01.29) クリックで飛べます
【更新】2019.03.25 会期毎の作品画像 削除
*画像の掲載は許可を得ております。
■会期ごとの出展作品をまとめてみた
会期に合わせて、注目作品はどんな感じで展示されているのかというと…
ちょっと、この表では縮小されてしまい、見にくいので、詳細の一覧はこちらから
会期中いつでも見ることができる「注目作品」は5点。また、全会期中、展示していますが、会期によって頁替えがあるものもあります。そして同じ作品でも、バージョンを変えて展示する作品も。常時展示のグループは、いずれかのタイミングで、見ることができればいいと考えることにしました。
■一番「注目作品」を多く見ることができる期間は?
何が見たいかによって、行くべき会期は変わりますが、とりあえず、なるべく多くの注目作品を見よう!ということを目的にすると、おすすめの期間は・・・・
第2期!
しかも、2期の中でも、1/30-2/11 の期間です。第2期は 1/30~2/18 なのですが、《隅田川両岸景色図巻》だけが、2/11までしか展示されません。ということで、一番多くの「注目作品」を見ることができるのは、1/30-2/11 ということのようです。
そしてこの期間は、北斎作品で、2図しか確認されていない 大判美人画大首絵、「風流無くてなゝくせ」の遠眼鏡とほおずきが展示されます。遠眼鏡は世界に3点しかしかない作品です。そろい踏みで見ることができるのは、1/30 ~ 2/18 のこの期間だけ。
そう思って、2/12以降に行くと、《隅田川両岸景色図巻》を見ることができません。数日の差で、残念!ということにならないよう計画的に…
1/30-2/11 の期間をおさえたら、4期の3/6 ~ 3/24 に訪れれば、注目作品は全てコンプリートできることになります。
注目作品、全て制覇も、2度で実現が可能です。
■見るポイント別に行く期を決める
できるだけ「多く見る」も一つの目的ですが、それぞれの好みというものもあります。そこで「新・北斎展」の注目作品は、いくつか見るポイントがあるので、それらをキーワードとして抜き出して表にしました。
〇「初」:初公開作品・・・・初めての展示と言われたら誰もが見たくなるもの
⇒ありがたいことに初作品は、全期間展示されています。
〇 「発見」:平成になって発見されたという作品。やはり気になります。
〇「幻」:これもまた魅惑ワードです。あまりお目にかかることができない作品。
〇「希少」:数が少ないというのも、ぜひ押さえたいところ。
〇「最晩年」:北斎が最後に描いた作品は、果たしてどんな作品なのでしょう?
〇「肉筆」:版画ではなく実際に手で描いた作品。数も少なく希少
〇「版下絵」:版下絵は、彫る時に一緒に摺られるので、現存が少ない。
〇「マルチ」:北斎の多才さはいろいろな形で発揮されています。
〇「人気」:誰もが知る作品群。北斎といえばこれ!は押さえておきたい。
■どの作品をメインに見るかを探そう
実際の作品は、どのような画風なのでしょうか。スプレッドシートの「作品番号」をクリックすると、公式twitterの画像につながります。
【追記】(2019.01.29)会期ごとに、見ることができる画像を追加しました。
⇒【追記】会期と展示作品画像(2019.01.29)
また、一覧表の図録番号と、追加した画像が対応しているものは、クリックで表示
⇒190121-新北斎展 注目作品と展示会期 - Google スプレッドシート
作品名と見所は、リリース資料の「注目作品早見表」から、一覧にしています。
そして見るためのポイントを次のキーワードで示しました。「初公開」「発見」「希少」「幻」。さらに、「肉筆」や「版下絵」など制作形態など現存の少ないもの。
そして「人気」作品、「美人画」「マルチ」な作品など、作品のジャンルで示しています。必ず見たい作品を最優先して、それが展示されている日から、いつ行くかを決めるという方法もあります。あるいは、見たいものが一番、多く展示されている期を選ぶという選択も・・・・
■総合的に判断
下記の表から一覧できますので、ぜひ見たい! という作品を逃さないようしっかり計画を立てて! そのうち・・・・と思っていると、すぐに、展示替えになってしまうものです。
〇Aグループ:いつ行っても見ることができます。
〇Bグループ:いつも展示されていますが、会期によって頁などが違うもの。
〇Cグループ:基本、前期の展示作品
〇Dグループ:後期が中心の作品
中には、前期、後期に渡るものもあります。
■展覧会そのものが希少
本展監修者、永田生慈氏は、北斎と北斎派のコレクションが2000件を超えており、2017年、自身のコレクションを故郷の島根県立美術館に寄贈されました。それらの作品を東京で見ることができる最後の機会です。
研究者ならではの視点で集められた数多くの稀少な作品。それらを残して他界されました。北斎最晩年の龍の背中に乗って、今頃、北斎と語っていらっしゃるのではないでしょうか?
作品と最後の最後まで、対峙した北斎。そして、最後の最後まで、北斎とともにした永田生慈氏が残された作品。それらを通して私たちに何を語りかけようとされたのでしょうか? 再度、訪れて触れてみようと思います。いつにしようかな・・・・と考えているところです。