読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

コロコロのアート 見て歩記&調べ歩記

美術鑑賞を通して感じたこと、考えたこと、調べたことを、過去と繋げて追記したりして変化を楽しむブログ 一枚の絵を深堀したり・・・ 

大一美術館 エミールガレ 《 蜻蛉文脚付杯》

 >エミールガレ ◇生命・連鎖・輪廻

エミールガレの美術館が名古屋にあることを数年前、観光案内所で知りました。いつか行ってみたいと思っていたところ、今回は、「ガレ&ドーム&ラリック ガラスアート三大巨匠展」が開催。こちらの美術館、地元、名古屋の方でも知らない方が多いようです。



以下、覚書メモ

 

エミール・ガレ   

 蜻蛉文脚付杯     

http://www.geocities.jp/tabitonokumasan/daiiti001.jpg

 

 

ガレ最晩年の作品・・・・

えっ? ガレの晩年の作品は「ひとよ茸」だったはず。

f:id:korokoroblog:20161214220807p:plain

           「出典」 

 晩年の作品が他にもあるということ?


しかし・・・・晩年の作品と思っていた「ヒトヨダケ」よりも、私は、《蜻蛉》作品の方が、グッとくるものが・・・・

 

蜻蛉文脚付杯

今、まさに散ろうとする蜻蛉。最後の命の灯、と同時に次の瞬間には、失われる命・・・・ガレ自身を、この蜻蛉に投影していることは、説明されるまでもなく、伝わってきます。ボロボロになって全し、地に落ちていく瞬間。


もしかしたら、その時を止めて、その瞬間を、ガラスの中に封じ込め、ガレ自信が、作品の中で生き続けようとしたということ?

ガラスの白のマーブルは、きっと何かを表しているはず。白血病という病に侵され、「白」という色が、晩年のガレの作品には多様される。きっと、この模様に何か意味を込めているはず・・・・・

この盃は、5つ、身近な人たちに向けて、ガレ自身が作って送ったそう。蜻蛉は、それぞれに、少しずつ違うらしい。5つの作品のマーブル模様は同じなのか・・・・北澤美術館、サントリー、大一美術館・・・  あと、2つはどこに?

 

■ヒトヨダケ

一方、晩年の「ヒトヨダケ」は、ガレ工房の作品。ガレの指示のもと、スタッフによって作られたもの・・・・亡くなる2年前の作品

「ヒトヨダケ」の謎解きを友人ともに解明して、そこにガレが込めたもの・・・
その奥深さを自分なりに理解したのですが、私は、こちらのダイレクトに伝わる作品の方が好きかも・・・


謎解きや、抽象的な解釈、そして見る人の教養や知性を求められても、そんなのわかる人にしかわからない作品よりも、見たままズバリのストレートな表現。

誰が見ても、伝えたいことが、ストンとダイレクトに伝わる。芸術はひとにぎりの人のものではないと思う・・・・

高尚である方が、ありがたがられるけど・・・何も考えることなく、入ってくる作品があったっていいと思う・・・・

 

 

■ガレの作品に蜻蛉が多いのはなぜか・・・・

儚い命の象徴、そしてその命は、輪廻転生、再生・・・
その命の短さの表現として昆虫を選び、特に蜻蛉が取り上げられる。
日本びいきだったガレ・・・

日本の形が、蜻蛉に似ているそう。
(どう見れば、蜻蛉に見えるのか、その意味、わからず・・・)

そして、日本の国自体を蜻蛉の古称にちなんで「秋津州(あきつしま)」と
呼ぶようになったそう。


『広辞林』に「あきつしま」の「秋津」はトンボの古名とあるそう。「あきつしま」の由来は、日本書紀にあり、神武天皇が大和(やまと)一帯を見下ろす丘に登って国見をしたときに、その地形がトンボ(あきつ)が交尾している姿に似ている、と発言したことから生じたとされている。

古事記では、雄略天皇が吉野に狩りに行き、天皇の腕をかんだアブをトンボ(秋津・あきつ)が食べたことから、トンボをほめたたえ国の名前にしたということになっている。

あきつとは『秋の虫』という意味。はじめは秋に現れるアカトンボを指していたのだろうが、いつしかトンボの総称になったようだ。 

 

ジャポニズムにおいて、蜻蛉=日本 として、モチーフに多様されたらしい。

 

 

■晩年作品の意味するもの・・・

・ガレ自身で作った「晩年の作品」

・ガレ工房で作った「晩年の作品」

そして、「晩年」と「最晩年」

「晩年」・・・・一生の終わりに近い時期。年老いてからの時期。
「最晩年」・・・一生の終わり頃を示す
        「晩年」の中でも特に終末に近い時期のこと。
         死去する直前の数年程度を指すことが多い。


「晩年」の作品と言われる「ヒトヨダケ」が最後の作品かと思っていたら、そうではなかったもよう・・・・「最晩年」の方が、あと・・・・

さらに「最晩年」の作品 は、「最後の作品」かと思ったらそうでもないみたい。
死去する直前、数年に、いくつか作品を残していたら、「最晩年」の作品もいくつかあるということになるということのよう・・・・

 

■【関連】エミールガレ

オルセー美術館特別協力 生誕170周年 エミール・ガレ展:ライティングの秘密                   

オルセー美術館特別協力 生誕170周年 エミール・ガレ展  

庭園美術館 :エミールガレ:ヒトヨダケ文花瓶・・・自然の摂理と輪廻

                          (2016/02/10) 

ポーラ美術館:ガラス工芸 ガラスとことば(メモ) (2016/05/17)

大一美術館 :エミールガレ 《蜻蛉文足付盃》メモ(2015/08/21)