コロコロのアート 見て歩記&調べ歩記

美術鑑賞を通して感じたこと、考えたこと、調べたことを、過去と繋げて追記したりして変化を楽しむブログ 一枚の絵を深堀したり・・・ 

■ラファエル前派の軌跡展:ラファエル前派って?

三菱一号館美術館で行われている「ラファエル前派の軌跡展」 ラファエル前派って何? いつ頃の流派? ラファエルって? 知ってる人は知ってる。でも知らない人は知らない。美術鑑賞が好きでも、よく知らないという目線でインターネットミュージアムにレポートしました。

 

三菱一号館美術館「ラファエル前派の軌跡 展」 | レポート | アイエム[インターネットミュージアム]

 

ラファエル前派について、もうちょっと補足説明を・・・・

 

 

■一般的に「ラファエル前派」は知られているの?

美術展に足を向ける時というのは、ある程度、展示される作品や画家を知っている場合です。あるいは、なにがしか興味を持っていて機会があったら行ってみようと思っているとき。全く知らないのに、わざわざでかけることは、まずないはず。

もし、あるとすれば、チケットをいただいたり、年間パスを持っていたり・・・ そもそも「ラファエル前派」というワードを知らなければ、興味の持ちようもなく、検索して調べることもしません。

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展覧会が始まってから、twitterを見ていても、訪れる多くの人が、ラファエル前派を知っている人で、よくわからないけど、行ってみたという人は、ごく少数です。

 

私も「ラファエル前派」をよくわかってないのですが、あえて美術レポートをしようと思ったのは、大学の教養講座で「ラファエル前派」について講義を受けていました。予備知識も少しはあるから、行けばなんとなくわかるだろうと思っていました。

ところが、解説を読んでもよくわからないのです。私が理解するためには、どんな情報が必要なのか。それを追っていきます。

 

■「ラファエル前派」との出会い

そもそも、ラファエル前派を知っている人は、いつ、何によってそれを知ったのかという素朴な疑問がありました。やはり美術に関係した勉強をした人たちなのかな?私は2年前の8月までは、全く耳にしたことのない用語でした。

なぜ、知ったかというと、そろそろ西洋美術史を体系的に学んでみようかなという気になっていました。美術作品を理解するのに、断片の歴史でなく総論的、体系的にとらえないとダメだなぁ‥って感じ始めていたからです。

友人が絶賛していた、鎌倉女子大学の生涯教育講座、伊藤淳先生の講座を受けることにしました。その時の講座が「近代ヨーロッパ絵画の魅力(2)ラファエル前派とその周辺」だったのでした。

たぶん、この講座を受講してなければ、いまだに「ラファエル前派」は知らなかったはずです。「ラファエル前派」を知らない人が、この展覧会を見たいと思うのか。それはかなり難しいこと。

 

 

■わかりにくい名称「ラファエル前派」

〇変なネーミング

受講しても、ぼわんとしたイメージしかつかめておらず、この流派の名前の付け方ってなんか変。このネーミング、誤解を招くよなぁ… 何でこんな名前なんだろうでした。きっと、何か理由があるはず。あるいは、英語名と訳との齟齬があるとか・・・・

そして「ラファエロ」の時代と「ラファエロ前派」との間にどれくらいの時間的なへだたりがあるのかがつかめません。また、ラファエロの前というのは、いつ頃の話なのか。日本はその時、何時代だったのか?

新しい知識に遭遇した時、まずこのあたりの時間感覚を等尺のスケールで捉えることができないと、進めないのです。

 

そもそも、ラファエロ「前と後」では、美術のとらえ方がどう変わったのか。ラファエロは、美術の世界でどういう位置づけなのか。こうした基本理解ができていないのです。

他にも知りたいことが出てくれば、復習して調べたりするのですが、ラファエロ前派はまあいいかと、そのまま放置されました。

 

〇展覧会を通して学ぶ

そのうち、また、どこかで作品に出会う機会があるはず。その時に、理解を深めればいいというのが私の絵画の付き合い方です。西洋美術史は、展覧会を通して歴史を学ぶ。その時は、断片にすぎませんが、そのうちつながっていくからと、気長に考えています。(この方法は、時間がかかるし、効率的ではありません。でも、自分が興味を持ったことを自分のペースで拾っていけばいいので、勉強しているという感覚を持たずに学べます。)

すると「ラファエル前派の軌跡展」が、三菱一号館美術館で行われることを、結構前から、キャッチできました。その展覧会が理解を深めるチャンス!と思って待っていました。

その間、「ラファエル前派」に触れることがあれば、知識を深めておけばいいし・・・・と思っていましたが、出会うことは全くありませんでした。(⇒*1

 

■複雑な人間関係

〇モデルと画家と恋人の複雑な関係

よくわからない「ラファエル前派」でしたが、講座で理解したことは、モデルと画家というのは、色恋の関係になりやすいということ。そして、周囲の画家仲間の間で、取った、取られたのと、いろいろ複雑な関係になっていたということでした。

モデルを確保することは、恋人を確保することにも通じる。今回の展示では、そのあたりは、触れられてはいませんでした。

正直なことを言えば、興味を持つ入口って、意外にこういう、スキャンダラスなところや、ドロドロした人間関係だったりします(笑) 受講して唯一、残っている記憶が、モデルの取り合い=恋人の略奪。そんなことなのでした。

 

 

〇「ラファエル前派」の人間関係

ラファエル前派の人間関係は、会場の入り口にチラシになっています。

 

三菱一号館美術館のHPにも、PDFのデータで掲載されているので、プリントすれば予習にも使えます。

  ⇒相関図でみる ジョンラスキンにまつわる人々

 

そして、色恋の関係も含めた関係図は、こちらのサイトに掲載されています。  

2014年開催 森アーツセンターギャラリー・六本木ヒルズで行われた 「ラファエル前派展 ~英・テート美術館の至宝~」からの情報のようです。 

 

 

■ラファエル前派について

〇「ラファエル」と「ラファエル前派」の時間的へだたり

「ラファエル」の前後と、「ラファエル前派」の前後の時間的な関係を、ざっくりと生没年で表してみました。 

 

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年表にしてやっと、ラファエロの時代的な位置が見えてきました。レオナルド、ミケランジェロと生きた時代が重なっています。ラファエロは短命で37歳でなくなりました。ミケランジェロの7歳下。たったの7歳、離れた兄弟で、ほぼ時代は重なっています。8歳上のミケランジェロは、ラファエルが亡くなったあとも、34年生きました。一方、レオナルドはは、30歳上。親子ほどでしょうか? ラファエロの1年前に亡くなりました。

 

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〇「ラファエル前」っていつのこと? 

では、「ラファエロの前」というのは、どれくらい遡るのでしょうか・・・・ ラファエロ前派」は「自然に忠実に」を目指していたと言います。

 

ラファエロの前」と言ったとき、ラファエロを含んで「前」なのか、「ラファエルロ」を含まずに前を意味するのかも、わかりませんでした。

ラファエロ」は、含まずに「前」のようです。

 

解説を見ると、初期ルネサンスフランドル芸術を規範としたとあります。

 (参考:ラファエル前派 | 現代美術用語辞典ver.2.0

 

初期ルネサンスは、「レオナルド」と「ミケランジェロ」そして「ラファエル」も含まれているため、ここでも混乱してしまうのです。同じ、初期ルネサンス仲間なのですが、ラファエルが、省かれてしまう。特筆すべき大改革をしたのか・・・・と。

 

またラファエロの活動期間を考えると、「前」と「後」の境は、生まれた年なのか、亡くなった年なのか。あるいは、初作品は、1501年(18)で、そこから晩年までの間のどこかに、転換期があって、そのポイントを境に、「前後」とも考えているのか。ということで、「前」と「後」の境が、どこなのかが、なかなか見えてこないのです。

 

ルネサンス時代は、古代ギリシア・ローマ時代に戻り、人間を美術の主役にすえた時代です。したがって「自然に忠実に」というのは、ルネサンスよりも以前に、自然主義の時代があったのだと、当初、理解していました。(レオナルド・ミケランジェロの時代よりも前だと)

 

このあたりが、美術史を体系的に学んでいない壁です。美術史を系統立って理解していれば、どのような変遷をたどっているのか理解できるのだと思います。こういう時は、悪あがきはせず、またの機会に委ねることにしています。

そのうち、「ラファエル前派」にかかわる展覧会があると思うので、その時に作品を見ながら理解すればいいと考えていました。

 

 

〇美術史全体から見たらどのへん?

こういう時に、ざっくりと全体の美術史をつかめる年表があればと、以前から探しているのですが…下記からお借りしました。

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 引用:https://stat.ameba.jp/user_images/20141014/07/ca-1pixel/2a/0a/j/o0600030013097475070.jpg?caw=800

 

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引用:https://ameblo.jp/about-art/entry-11443977600.html

 

 

 こうしてみると「ラファエル前派」は、美術史の流れの中では、無視されてるようです。

 

 

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引用:ポイント3 授業に役立つ資料がさらに充実 | 現行版 美術1 | 高等学校 美術 | 光村図書出版

 

美術鑑賞から学ぶのに、参考書として利用しているのが「続・西洋・日本美術史の基本」。この年表に「ラファエル前派同盟」の設立期間をあてはめてみたら、すっごい短いのです。

こんな短命な同盟だから、あまり知られていない。美術史全体からは、表示もできないほど短いために、表記されないのだと納得。だから認知度も低くなるはず・・・ 

 

「ラファエル前派同盟」の設立期間 短っ!(赤枠) 

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西洋美術史の勉強法(⇒*2

 

最近、新たに仲間入りした西洋・日本美術史の年表 一目瞭然!美術の流れより

↑ この年表には「ラファエル前派」は登場しません

 

↓ バロックから近代美術(p86)の項目には「ラファエル前派」登場

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のちの「象徴主義」の出発点で、フォービズムへもつながっているということもわかりやすい。ずっと、購入するかで悩んでましたが購入することに。(2019.04.04)

 

1840年  ラスキンターナーの価値を見出す⇒のちの印象派へも影響

1843年  ラスキン(24歳)画家を擁護。
     広範な主題を扱った権威ある著作集『現代画家論(Modern Painters)』の
     第一巻を発表して、一躍著名に

1848年  前衛芸術家集団「ラファエル前派同盟」結成

 

 

■「ラファエロ」って何をした人?

ラファエロ」はどんな改革をしたのでしょう。

ラファエロって聞いたことはありますが、どんな人だったのか、よく知りません。
ルネサンスの3大巨匠・・・・そうそう、確かそのあたりで聞いた記憶があります。

 

〇三大ルネサンスの巨匠と「ラファエロ

同じ時代を生きた三大ルネサンスの巨匠の中から、あえて「ラファエル前派」と命名しているわけですから、ラファエロが、レオナルド、ミケランジェロにはない、新しい潮流を生み出していると考えられます。しかし、そこの部分は調べてもなかなか見えてきません。 

 

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参考:以前、レオナルドミケランジェロを理解するため作成した周辺の画家

    ■レオナルド・ミケランジェロ 同時代の画家 より

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〇「ラファエロ」と「ラファエル」 は違うの?

ラファエロ」は、英語読み。「ラファエル」は、イタリア語。 

(これを知ってから、「ラファエル前派」なのか、「ラファエロ前派」なのか混乱しはじめました。)

 

イタリアルネサンスの3大巨匠だけど、レオナルド、ミケランジェロより、知名度は劣るような・・・・

こんな人。(見たことあるような、ないような)

Raffaello Sanzio.jpg

wikiphedhiaより

 

〇どんな絵を描いているの? 

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wikiphedhiaの中から見たことありそうなものをピックアップしてみました。たぶん、似たような構図で描かれた別の画家の絵と、混同していると思います。

 

 

〇何をした人?

いったい、ラファエロは、何を唱えたのか? 同時期の、レオナルドやミケランジェロとは何が違うのでしょうか? そこのところが、いくら探しても見えてきません。

wikiphedhiaによると、ミケランジェロは、ラファエロを嫌っていました。(同様に、レオナルドのことも敵視していました。)ラファエロは、一番若く、2人とは違ってルネサンスの特徴である、古典主義への興味を失っていたようです。じゃあ、そこからどういうスタイルを作ったのか? 調べてみても、そのあたりが、あいまいになっていて見えてこないのです。(なんにもしてないからじゃなない?)

 

⇒やっとわかりました。  

 ラファエロは、ダ・ヴィンチミケランジェロのような革新の才には恵まれていませんが、物事を吸収して組み合わせ、調和の取れたものを作り出す才能に恵まれていました。ルネサンスの巨匠たちから多くを取り込み、昇華させた作品を数多く制作したため、ルネサンス様式の完成者」であると目されています。

引用:3分でわかるラファエル前派(1) 近代芸術に大きな影響を与えた19世紀イギリスの反アカデミズム集団「ラファエル前派」とは : ノラの絵画の時間

 

芸術界では、ラファエロの絵のような穏やかで、調和のとれた作品こそ、画家の模範という考え方が広まりました。特に国立の美術アカデミーではそのような作品でないと、コンテストに参加することさえゆるされず、新しい表現をする画家の妨げに。(1:15)

引用:https://www.youtube.com/watch?v=jLFvLdkLnqY

 

参考:その1 ラファエロの「アテネの学堂」について詳しく解説!若き天才ラファエロの傑作を紹介。 - YouTube

 

ラファエロはいったい何を唱えたのでしょうか。同時期のレオナルド、ミケランジェロとは違う何かがあるのだと思うのですが‥‥ アカデミーの教育は、具体的にどんなう教育だったのか、レオナルドやミケランジェロではダメだけど、ラファエロならOK。アカデミーは、ラファエロのどんなところに、価値を認めたのでしょう。

 

そんなことは、わかってるでしょ・・・ 常識でしょ。という前提で進められているので、置いてけぼり状態。歴史の流れを知らない初心者に、難しく感じられるのは、こういうところなんだと思いました。(解説のスペースが足りないという部分もあるとは思いますが)

 

イギリスのアカデミーはなぜラファエロを選んだのか?

イギリスではロココ時代にレノルズという偉い画家が古典を重視し、ロイヤルアカデミーという美術学校を設立しています(開校は1769年)。それからずっとイギリスではラファエロを中心とした古典が重視されるのですが、

引用:美術史「象徴主義」をわかりやすく - nancolu

 

レオナルドも、ミケランジェロも個性が強いというのは、私にもわかります。初心者でも知っているということは、かなり強烈な個性なのだと思われます。しかし、権威というものは、往々にして、自分が自分が・・・と主張するような人物は敬遠しがちと感じています。

その点、ラファエロは要領がよくて、出しゃばらず、レオナルドやミケランジェロのいいところをとりつつ、静かにソフトに自分の個性を発していたということなのかもって思いました。

 

 

■「自然に忠実に」と「ルネサンス

ルネサンス時代:古代ギリシア・ローマ時代に戻り、人間を美術の主役に。

ラファエル前派:ラファエル前の時代「自然に忠実に」を踏襲

   ⇒初期ルネサンス フランドル絵画を参考に

 

「人間を美術の主役に据えること」と、「自然に忠実に描くこと」

 

それがどうも相反することのようで、どのように関連づけられるのか今一つ、理解できなかったのです。ルネサンスは、宗教画も描かれているから、自然ではないのでは?

 

ルネサンスの前の時代は、キリストなどの宗教画を描く場合、顔は平面的で無表情だったそうです。ところがルネサンス期は、人物は写実的で情感的になったといいます。それは、遠近法や、解剖学が取り入れられ、「見たまま描く」という自然主義というスタイルが確立されたからです。

 

「自然に忠実に描くこと」というのは、「自然」を描くことだと理解していました。自然の摂理をいろいろな形で、絵画で表現することだと。

また、【「人物画」=「宗教画」「権威」】と認識していました。人物画の中に「自然」という要素を見出していなかったことに気づきました。

 

ルネサンス古代ローマギリシアの人間復興における「人物」表現に、自然の存在はなく、宗教的、権威的なものと思っていたのです。同じ人物を描くにも、人らしい表情や情感を加える。それが「自然に忠実に描く」ということだったとわかり、やっと人を描きながら「自然を描く」ということの意味が理解ができました。

ルネサンスの文芸復興と「古代」との違いとして、神や人をより人間に近づけて描いた という言葉上の理解はしていても、それが自然であるという認識はしていなかったのでした。)

 

美術の描くテーマには、ヒエラルキーがあります。「自然」は、最下位。そのため、人物を自然に描くといっても、そこには、「人物」という格上テーマの中での自然・・・・ととらえていたようです。「人」をテーマの主題に置いているうちは、まだ真の「自然」を描くことに到達できていない・・・・そんなふうに思っていたようです。

 

 

■雑感

「ラファエル前派」の教養講座を受けていても、ラファエル前派を理解するのに、入口でこんなにも時間がかかっています。人は、そもそも、ラファエル前派に興味を持てるのか?という素朴な疑問もあります。興味を持った人は、何がきっかけだったのでしょうか?

そして、興味を持った時に、なんか変・・・・ と思っても、その答えがなかなかみつからないのです。多くの情報が、ある程度、知ってることが前提となって進められています。

理解をするためには何が必要か。全く知らないことに、興味を持つきっかけは何か。そんなところを探ってみたいと思っています。

おそらく、自分も理解できてしまうと、何がわかってなかったのか。何を勘違いをしていたのかを、すっかり忘れてしまうので・・・・

 

 

第3章の「ラファエロ前派とその周辺」。細密な自然の風景描写もありましたが、古代の人物や宗教画が増えていて、これが自然観察?って思いながら見ていました。

同じ「人」「宗教画」であっても、もう一歩、踏み込んで、どのように描かれているかを鑑賞してみる。人や背景がどのように表現されているのか。周りの景色の描写に注目すると、「自然に忠実に」という意味が理解できるということがわかってきました。

 

新しいことを理解するときに、その言葉の定義に納得ができないと、そこでずっとうろうろしてしまいます。どうも自分が過ごしたフィールドの人たちの思考習慣のようです。 (⇒*3

 

ということで、定義がはっきりしないと、いつまでも、「ラファエロ前派」の「前」の区切りがどこなのかさまよってます。

 

ラファエロが、どうすごいのか。もう少し、明確に知りたいし・・・・ ロイヤルアカデミーが規範としたスタイルは、ラファエルのいつ頃をさしているのかも。

 参考:美術史上もっとも偉い?巨匠ラファエロの絵画 - nancolu

 ロイヤルアカデミー美術学校を設立しています(開校は1769年)。それからずそれからずっとイギリスではラファエロを中心とした古典が重視されるのです

 

【追記】2019.04.06 「もっと知りたいラファエル前派」より

ちょいチラ見してきたところ、「ラファエル」という名称は、「ラファエル」そのものものを意味しているわけでないらしい。古典に戻るということを総称的な意味で使っているらしいです。(そういうあいまいさに、紛らわしさを感じてしまうのでした。だったら最初にそういうふうに説明しといてよ~って。「前」の部分もそうだし・・・・(笑))

 

■関連・参考サイト

3分でわかるラファエル前派(1) 近代芸術に大きな影響を与えた19世紀イギリスの反アカデミズム集団「ラファエル前派」とは : ノラの絵画の時間

ルネサンス絵画の3つの特徴とそれを支えた4つの技術革新 - 新・ノラの絵画の時間

【美検】ラファエル前派はどんな流派?画像と共に解説! : アートの定理

美術史「象徴主義」をわかりやすく - nancolu

 

〇ラファエル前派とは?美を追い求める秘密結社


www.youtube.com

 

■脚注

*1:■ラファエル前派の絵と接点

ありました。樹木希林さんが亡くなり、以前、撮影された写真を使った書籍の表紙。ミレイの《オフィーリア》をイメージした写真。これ「ラファエル前派」の絵だってこと、私は知っている…と思ってた。


この絵を初めてみたのは、こちらの新聞広告。

ハムレットのオフィーリアって耳にしたことあるけど、こういう話だったの? って思った。その後、中野京子さんの著書でこの絵の解説を読んだこともあったけど、その時は、まだ「ラファエル前派」の認識はなかった。

 

*2:西洋美術史の勉強法

展覧会で見た「画家」や「流派」をマーキングしていく。ついでに、それに関連する解説ページをチェックしてページを記載し、理解する。

知りたいこと、疑問がでてくれば、その部分だけ掘り下げて調べる感じ。それを繰り返していると、ほかの部分とつながることが次第に多くなってくる。

点が線になっていく感じ。そのうち、掘り下げたところ同志が奥の方でもつながって、面になり、立体的になってくる。この参考書、1冊分のマーキングできれば、美術史全体像が自然につながって立体的に見えてくるはず。

そんな方法で美術史を勉強法をしています。最近は、断片も増えてきたので、帰納的な方向だけでなく、演繹的に、系統的なアプローチの勉強を加えれば、これまでの断片のつながりも、より早く効果があがると思いだしてきたところ。(断片知識がない時に、総論の勉強をしても、私にはつまらないだけ)

今回も、ラファエロ前派を知るために、古代を調べたり、ルネサンスを調べたり、その間はどうなってるのか・・・・ アカデミーが求めたルネサンスのラファエル、その後はどんなスタイルの流れだったか・・・・と、必要に迫られて調べて行けば、一連の美術史の一部を、軽くなめることができます。途中、これまで見たものとつながったり。

部分、部分でも、知りたい部分の欲求を広げて、知ろうとすれば、結果、最後に全体が繋がっている。という学習法を、国試の時に身に着けて以来、この方法が私の学び方になってしまい、他の方法は、自分の欲求に合わないため却下されてます。どんな勉強法があるのかについては、興味があるので、参考に見たり聞いたりするけど、結局、ふ~~ん・・・ 私には合わないわ・・・ってなります。

 

関連:■思考:学ぶとは? 自分の力で体系づけることを知る - コロコロのアート 見て歩記&調べ歩記

 

*3:なぜか、定義が気になる人たち

 www.youtube.com

〇1秒の定義・・・・

セシウム 133 の原子の基底状態の二つの超微細準位間の遷移により放射される電磁波のの周期の9192631770倍に等しい。

 

・その数字、急にでてくるやつおらん。
・はじめ決め方があったやろ。
・1億なんちゃらは、絶対に意味があるはず。

【テロップより】
・なぜこのように定義されたのか・・・・
・はなお&でんがんの冷製で丁寧で正確な反論⇒さりげなくテロップで解説
  ⇒冷製になってる(笑)(コメ覧までみんなちゃんと見てる)
・定義そのものよりも、なぜその定義に決まったのか、その背景の方が大切。

【コメント覧より】

・理系はすぐ定義付けするっていうイメージ はなおの動画で植え付けられた
理系特有の定義したがりw そしてただの大喜利
「定義」ってだけでほぼ理系関係ないことを理系の問題に落とし込むの草
定義開始の定義を考える定義を考えて定義するまでの定義をka……(以下略)

 ↑ これらいろいろ妙に納得・・・・

 

〇ラファエル前派の定義
・何で急にラファエルがでてくるの? おかしい。
・ラファエルであることに、絶対、意味があるはず・・・

 

定義そのものよりも、その背景が気になる・・・・ 対象が変わっても、モノのとらえ方、考え方が同じ。定義を聞いても、自分が納得しないと、はい、そうですか・・・とは思わない。こういうところ、理屈っぽいとか、理解されにくいところなのかも…

自分が過ごした世界特有のとらえ方だったのかと客観的に見えました。

 

【追記】2019.04.06  定義にいちゃもんつける人たち

科博の展示を見ている人を見ていて感じていたこと。解説を読みながら、「それはどういうこと?」書かれていることをそのまま受け入れない。「だったら、これについては、どうなるの?」さらに突っ込み入れる。そして「だからそういうことになるわけか」と自分なりの理解まで落とし込む。

たとえ、それが決まり事であったとしても、ああでもない、こうでもないと語って、自分が納得しないと気がすまない。(私はこの空気感が好きです)

そのため、細かい解説も最初から読んで、消化しようとするため、なかなか動きません。そのため行列ができるという悪循環。

美術展を鑑賞している人たちと、なんだか様子が違うのです。これは、学ぶ世界の学問体系が違うことによっておききる思考形成の違いの結果だと、勝手に思ってました。それに気づかせてくれたのが「美術」の世界でした。

きっと、芸術脳 右脳派(ほんとは、こんな脳はないのですが)の人には理解しにくい感覚なのかも。ごちゃごちゃ言わず、「感性で見ればいい」と思われるのかもしれませんが、学んできた学問体系がこういう思考を元にした世界で成り立っているため、どうしてもこのようなとらえ方になってしまう。ということをわかってほしいと思う切なる願い(笑)

(正確には、「右脳、左脳」「理系、文系」というタイピングの問題ではなく、考え方、思考の習慣の問題で「〇〇だから、〇〇」ということなのではない・・・・けども、傾向としては見られると思う。と理屈ぽくなる(笑))

 

関連:■「定義」って考えたことありますか?(2016/12/12) - コロコロのアート 見て歩記&調べ歩記

 

 

【追記】2019.04.06  理系学生の絵画知識

彼らがすごいなと思ったのは、理系の知識を生かして、科学ってよくわからないけど、なんだかおもしろそうって感じさせてくれるところ。

そして、その合間、合間に盛り込まれる雑学に、美術関連の知識がしばしば登場します。「五言絶句」「鑑真」・・・鑑真は目が見えなかった(そんなことまで知ってるの?)でも、それは嘘だって話もあるんだよ(コメ覧にて)そんな情報も登場。学生時代の動画に、美術系のネタが入っていて、理系学生は、美術なんて見ない、知らないという認識をあらたにしました。

こうした、科学だけじゃない、芸術領域の知識も持っていて、集まっている人も、さらにプラスαの知識を置いてくれる。youtuberって色眼鏡で見てたけど、いろいろな可能性もありそう。

 

はなおさん流にラファエロ前派について言うと「ラファエロの前なら、「レオナルド前派」「ミケランジェロ前派」だっていいやん? なんでラファエロにしたん? その理由もちゃんと解説してよ・・・・」って(笑)。
(ところで有名なyoutuberのラファエルさんは、画家のラファエロのことなんだろうか?どんな理由でネーミングしたのか、そのあたりにもしかしたら何かヒントがあるかも(笑) youtube界のラファエロを目指した。そのラファエロ像が、ラファエロを理解するカギになるかもと思えてきました。)