コロコロのアート 見て歩記&調べ歩記

美術鑑賞を通して感じたこと、考えたこと、調べたことを、過去と繋げて追記したりして変化を楽しむブログ 一枚の絵を深堀したり・・・ 

■庭園美術館:ボルタンスキ― 展覧会関連プログラムに参加して ①

庭園美術館のボルタンスキー「アニミタス-さざめく亡霊たち」の企画展に際して、インスタレーションと鑑賞者のエモーショナルな関係」という講座が開催されました。

 上記のようなちょっとユニークな講座です。

 

〇募集要項はこんな感じでした

ARTBOOK CLUB - わたしの中の亡霊

このイベントでは、クリチャン・ボルタンスキーとその作品について、本を囲みながらの談話会を開催します。ご用意する本は、海外で刊行されたアートブック(洋書)。ボルタンスキーをはじめ、・・・・・などの洋書。

掲載されているテキストや図版は、国内未発表のものばかり。それらに触れながら、作品について談話してみませんか? 全て洋書(海外刊行)ですが、談話は日本語で行います。芸術作品とそれを鑑賞する人の間には、様々な関係がありますが、今回は「ボルタンスキー作品の場合は?」を探ってみましょう。

 

 

1.参加の動機 

クリスチャンボルタンスキーもよく知りませんし、この講座でとりあげると紹介されたアーティストも知りません。洋書を見ながら談話・・・・ そんな講座に参加するには、かなりハードルが高すぎます。洋書を見ながらっていうのは、その「写真」を見ながらということで、まさか書かれている英語の内容まで、読みこなすということじゃないわよね・・・ でも「談話は日本語」とわざわざお断りをしているということは、洋書を読みこなせることは基本という意味なのかしら? そんなことはないはず・・・と楽観的に考えての参加でした。

 

夏にも直島の李禹煥美術館で、初めて対話式鑑賞を体験してきました。これがとても楽しく有意義だったのです。最近では、わからないなりにも、なにかしら感じるものが出てくるようになってきたので、対話式でもなんとかなると思っていました。今回も、同じようにボルタンスキ―のことを知らなくても、英語が読めなくても、なんとかなるでしょ・・・・ ボルタンスキ―を知らないとしても、私には豊島の「ささやきの森」に行ったという強みがあるのだから・・・・ と自分に言い聞かせて参加したのでした。

 

 

2. いきなりの先制パンチ 英語の壁が

机の前には、たくさんの洋書が並べられています。そして、洋書のコピーなども広げられ「洋書は御覧になりますか?」の質問。この質問の意味は、洋書の写真を眺めて見ているという意味ではありませんでした。そこに書かれている英語を見て、理解できるということが前提で話は進んでいくようでした。

 

英語が読める。そんな条件、聞いてないよ~ と言いたいのをおさえつつ(笑) ここに参加された方たちは、みんな英語で読める人たちばかりなのだろうか・・・ まさか、そんなことはない。と勝手に同志を求めるように言い聞かせていました(笑)

 

Artbook Eureka(アートブック・ユリーカ)

講師の小西 友紀子さんは、京都で『現代美術洋書専門店 Artbook Eureka(アートブック・ユリーカ)』を友人と共に立ち上げ主宰されています。オンライン販売が主のようですが、展示即売もされているそう。今回は、インスタレーション形式で、洋書を前にして閲覧しながら参加者同士のトークセミナーを開催。

 

 

3.ボルタンスキーの認知度は?

こちらに参加された方は、当然、ボルタンスキ―のことはご存知の方ばかり・・・・ と思っていたのですが、「今回が初めてという方は?」という質問に何人かの方が手を挙げられました。これは、「知ってるけども初めて参加」なのか「知らないけど参加したのか・・・・」 どちらなのかよくわかりません。

 

「世間一般の認知度がどれくらいなのか」を伺ってみました。
「かなり、有名だと思いますよ・・・・・」というお返事。

 

えっ? 本当ですかぁ~? 私の認識不足ってことなのかなぁ・・・ そんなに知られている人? 私の周りの美術展によくでかける人に聞いてみたけど、知ってる人いなかったのですが・・ ボルタンスキ―さんのこと調べてもこんな感じです。

 

    → ◆ボルタンスキ―って?

 

 そんなことを思っていたら、
「モネ」や「印象派」を中心に見ている方だと、ご存知ないかもしれませんが、「現代美術」の世界では有名です。』とのことでやっと納得しました。 (笑)  一口に有名・・・・と言っても、その人が何に興味を持って触れているかで、違うってことなんですよね。 

 

4.ボルタンスキ―についての解説

ボルタンスキーに関する過去の作品解説や、何を表現してきたのか、紹介された洋書についてや、解説のペーパーについての話など概略の説明がありました。プロフィールについてはあえて簡略にとどめて詳細の話はされませんでした。(それには意図があり、あとで語られることになるのですが・・・・後述)

 

4-1 チラシ  大型のタブロイド紙

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写真出典:

クリスチャン・ボルタンスキー/アニミタス_さざめく亡霊たち | artgym| 社会人のためのデッサン・デザイン・アートスクール

 

上記のような大版のチラシが入り口に置かれていたのですが、これがチラシだとは思わず取り損ねていました。あとで気づいて、ゲットしていたのですが、ここにはいろいろ解説がされているので、ぜひ忘れずにゲットしておくことをお勧めします。

 

そしてこのチラシについて唐突な質問がありました。

「これはなんでしょう・・・・」 (いきなり、そんなこと言われても・・・(笑)) 

 

何でできているかという意味なのかと思ったので、紙に見えるけど・・・・ 実は違ってたり? 何かエコ素材を使っているのかな?・・・・ 色から想像すると・・・ などと、考えていたら、「これは、アニエスbが発行している新聞のようなもの」ということで、見た目のまま、サイズ、形態に関する質問こだったことがわかりました。

 

このチラシは、アニエスbがファッション界では後発ブランドとしてパリに創業するにあたり、いかに認知してもらえるかということを考えて生み出されたものだそうです。現代美術家とコラボして広告ポスターを制作したのだそう。創立者のアニエス・べーは、もともと美術館のキュレーターを目指していたため、その後も、若手のバックアップと、自社の広告を兼ねて、創業当時から「ポワン・ディロニー」というタブロイド紙を発行してきました。8ページの紙面を使って自由に作品を展開していて、年6回、創業以来発行し続けているのだそうです。アニエスbや美術館などで配布されいます。その歴史ある継続の一枚ということになる。

 

裏のページにアニエスbの文字があることは気づいていたのですが、最近は、協賛に、ファッションブランドも加わっているんだなぁ・・・・ 庭園美術館でモード展もしていたし・・・ なんて思っていたのですが、アニエスbが発行したものでした。

 

講師の方は、第一回の記念すべきチラシをお持ちで、そのアーティスがだれかもわからずずっと、気に入って壁に張たりしながら持ち続けていたそうです。色も褪せてきたので、途中、処分するかを悩みながらも持ち続けていたそうです。が、とうとう捨ててしまったそう。今となってはとてもて後悔されているとのこと。今回のこの冊子も貴重な一枚となるかもしれないので、大事にして下さいとのことでした。

 

4-2 古着を使った作品

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出典:ときの忘れもの 【小林美香のエッセイ―母さん目線の写真史】

 

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出典 新潟アートシーン|オーガニックスタジオ新潟社長の奮闘記 │ おーがにっくな家ブログ -7ページ目

 

古着を使った作品。膨大な古着の山。クレーンによって掴みとられて、落とされ衣類で作品を形成する。その衣類は、かつては人が着ていたもので、人が抜けさったあと・・・ そこに意味するものは・・・・ 「生と死」や「記憶」がそこに重ねられているといいいます。

 

《帰郷》はそれらの作品がもとになっています。

 

4-3 《帰郷》

大量の古着黄金のエマージェンシー・ブランケットで覆った巨大な山のような作品。エマージェンシーブランケットは、事故や災害時、怪我人の身体が冷えないようにする毛布。

 

そんな説明を初めて、この講座で聞きました。この説明は、展示とともに解説があったのでしょうか? 講座の時間が迫っていためゆっくり見ることができなかったので、気づきませんでした。ざっと画像を検索したのですが、作品解説はされていなかったようです。

 

そのような解説があれば、それを元に、作品の意図を想像してめぐらすこちがなんとかできるかもしれません。しかし、初めて見た人が、この金のシートを「エマージェンシーブランケット」だと誰が理解できるのでしょうか? 

 

▼こんな感じの質感です

この金の山に近寄ってしげしげ見ていました。何でできているのだろう・・・ 何かわりませんでした。これが「エマージェンシーブランケット」だとわかる人、どれだけいるのでしょうか? そんなものを見たことがある人は、生きるか死ぬかの特殊な環境下を体験した人だけ。まずいるはずがありません。

 

4-4 エマージェンシーブランケットについて

エマージェンシーブランケットが、どんなものなのかを調べてみました。私はてっきり、災害救助際に担架などで運ばれる時にくるまれている分厚いダウンのようなものかと思っていました。そのため、これが「エマージェンシーブランケット」と言われても随分、薄い感じだし、どうもピンと来なかったのです。ところが下記のようなもので、市販品もあり100円ショップでも売られている簡易的なものまであるようです。防災グッズとして常備しておくといいといわれている簡易シートのことのようです。「金」は作品として何か意味付けをするために、わざわざ着色したものかと思っていました。しかし金色タイプシートも既存品としてあるようです。(出典

 

f:id:korokoroblog:20161217002348p:plainhttp://www.logos.ne.jp/new_webcatalog/itemimg/82100050/82100050_m1.jpg

 

登山や、アウトドアが趣味の人なら見てわかるのかもしれません。しかし一般的にエマージェンシーブランケットを知っている人はいないと思っていました。防災用の保温シートと言えば、わかるかもしれませんが・・・ 「エマージェンシーブランケット」と言葉には、「エマージェンシー・緊急事態」というニュアンスがプラスされ、そこには、生きるか死ぬかの生死がかかわる「遭難」というイメージがつきまといます。「防災用保温シート」「エマージェンブランケット」言葉の響き、受け止め方が全く変わります。

 

そしてこの中には、衣服の山が入っています。

 

     そんなことを読み取ることなんて、絶対に無理!  

 

と思ってしまったのでした。やはりこれは、「う〇ち」でしかありません。そうそう、あの浅草のアサヒビールの「う〇こ」ビルと何か共通点を見てしまったような・・・(笑)

 

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5.作品の意味や理由を考えてみた 

5-1 初見で読み取れること

まず、作品を見た時に、初見でどれだけのことを読み取れるか・・・ということを試みています。作品が発する何か、よくわからないけど、ひっかりのようなものとして、受け止められるようになってきた気がしていました。完全にはわからなくても、あれはあのことのきっかけだったんだ・・・というヒントみたいなものが、つかめるように。

しかしここに、古着が入っているなんてことは、微塵も感じさせるものはありません。(断言) 過去にボルタンスキ―の作品を見ていれば、想像ができたのでしょうか? できる人もいるかもしれませんが、知っていたとしても、私は難しかっただろうと思いました。

まして、全く何も知ららない、予備知識もなく見たとしたら、どう見ても「う〇ち」 それ以外の何物でもないと思うのでした(笑) 現に、「う〇こ、う〇こ・・・・」という声が、あたりでささやかれていたと書かれているのを見ました。

 

【関連】ボルタンスキ―を知っている方からの懸念

アールデコ建築でスピる?- ボルたんの「アニミタス – さざめく亡霊たち」展 - おとといまでの私にわからせるためのブログ

この作品は、ボルたんの古着の作品について知っていてこそその意味が際立つ作品だと思う。もちろん美術に少し関心のあるひとなら知っていると思います。でも本来、ボルたんの作品で古着が想起する生死の気配を拭ってしまってはいないでしょうか。。。ここでボルたんの作品をはじめてみる人には通じないんじゃないか?そういう人は観客として想定されていないの?

うんこ、うんこ、って部屋のいろんなところから聞こえてきたしさ。。。

 

 

 

5-2 ボルタンスキ―の意図したこと(ブルータスより)

 「私の作品にはすべて意味や理由があるけれど、それをすべて話さないほうがいいだろう。私の作品は見る人の顔が映る鏡だ。見る人が、自分が何を欲するか、何を必要としているかに気づいて欲しいんだ。金色の山はとても美しく、崇高なイメージがある。金は権力や地位の象徴でもある。でもこれが緊急用ブランケットでできているのに気づくと、また違う意味が生まれてくる。どんな意味を読み取るかは観客の自由だ。見る人がそれぞれ、自分が見たいと思うものを見てくれればいい

 

この金の山が何であるか。その中に何が入っているかがわかって初めて見えてくることがあります。

 

 

5-3 ブランケットは生死を分けるアイテム 金色の意味は?

エマージェンシーブランケットだということを知り、それは「生死を分かつアイテム」と理解することができるかもしれません。また、あえて金に着色したと理解していたので、その「金色」に込めた意味は・・・と考えていました。

 

エマージェンシーブランケットは、銀のタイプが主流のようです。⇒画像 

それらの中から「銀」でなく「金」を選んだ意味は? また、エマージェンシーブランケットに「金」と「銀」のタイプがあるのは、どんな意味や違い、効果があるのでしょうか? 

 

5-4 エマージェンシーブランケットの素材や仕組みは?

  ◆エマージェンシーブランケット(wiki pedhiaより)

極薄素材で作られた防風・防寒用・防水シート。主に災害時や遭難時などの非日常的な状態において、毛布布団などを確保できない状態での使用を想定したもので、ポリエステル性のフィルムアルミニウム蒸着して作られているものが多い。エマージェンシーシートともいう。

 

 

 ◆金銀レスキューシート (ミドリ安全

金銀の両面シートタイプ

金色⇒熱を吸収しやすい・・・寒冷時、熱(太陽光)を吸収しやすい金を表に

銀色⇒熱を反射しやすい・・・炎天下、熱を反射しやすい銀色を表面に

 

金と銀の色による太陽熱の吸収の違いで説明されていますが、金と銀で太陽熱の 「反射」と「吸収」はどの程度の差があるのでしょうか? 体から発する熱をシートで反射することによる保温効果で、金と銀の違いはあまり関係ないないような気もしますが・・・・ ここまで突っ込んでしまうと、別の要素がでてきそうなのでここまで(笑)

    ⇒金と銀の科学的な根拠

なんだか、災害救助品のセールスにも、似非科学が侵入しているような気が・・・・

 

ボルタンスキ―が「作品は見る人の顔が映る鏡だ。見る人が、自分が何を欲するか、何を必要としているかに気づいて欲しい」と語ったように、私自身の思考、もののとらえ方が顕著に表れています。

 

 ・エマージェンシーブランケットで作品を覆う意味は?
 ・そのエマージェンシーブランケットって、どんな素材でできてるのか?
 ・それは、どんな仕組み、効果があるのか?
 ・ボルタンスキ―が金色を選んだことに意味があるのか?
 ・エマージェンシ―ブランケットの「金色」は、
  災害時においてはどんな効果を発揮するのか?

 ・それは、科学的根拠があるのか?

 

というように、作品から離れて素材や機能への興味に代わってしまうのでした。まさに見る人の顔がそこに映っているわけです。しかし、それはボルタンスキ―の作品に限ったことではありません。アート作品を見るというのは、「その人の根本的な思考が映し出されるもの」だということはこれまでいろいろな作品に触れる中で感じてきたことでした。その時、その時のファーストインプレッションを忘れないため、そしてその後の変化を記録しておくために、ここを立ち上げたわけです(笑) 

 

「私の作品は見る人の顔が映る鏡」だと語るボルタンスキ―さんに私は言いたい。

「人の顔が映る鏡はあなたの作品だけじゃありませんよ。それは、驕りでは?
 私は他の人の作品からも自分の顔を何度も見てきました・・・」と(笑)

 

 

5-5 何からできているかを知って思ったこと

古着は、抜け殻・・・  そして回りの揺らめく布と目。それは、その衣類の中にいた人が抜け出して揺らめきながら、その状態を見つめている。まだ浄化されていない亡霊。そして光は亡霊が浄化されて抜け出した魂。その魂が発する光を、金のエマジェンシーブランケットが反射し、積み上げられた古着の抜け殻をあらわに形として浮かび上がらせた。

「金色の山はとても美しく、崇高なイメージがある。金は権力や地位の象徴」

というようにボルタンスキ―は、金色から見る側に何等かのイメージを持たれるということを想定していることが考えられます。

 

私は、速水御舟展を扱った日曜美術館で、森村氏が御舟の金に対して次のようなことを語ったことを思い出していました。

「ぼくはこれ、金じゃないと思ってます。金箔や金泥というのは物質。金という物質。でも、この御舟の撒きつぶしは”非物質”。金箔のてらてらした感じとか、金泥のざらざらした感じとか、そういう金の物質感がまったくありません。だから非物質 つまり「光」だと思うのです」

 

この言葉に何かヒントがあるような気がしました。金の持つ意味は、光の反射によって目に届く色ではないかと。シートによって反射される光。目が見ている「金」は、金という色が持っている波長。

 

     金・銀・銅の反射率と波長依存性 

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            出典:キリヤ: Q&A

 実際、このシートに本当の金がほどこされているわけではないと思うのです。もしそうだとしたらえらい高いものになってしまいます。一度、使ったら使い捨てと書かれているものもあります。従って、ここでは「金という物質」が持っている効果ではなく、「金という色」が持つ効果を利用していると考えられます。「金」が人に与える心理的効果に意味があるのだと思いました。金という色からイメージされるもの。それが、ある人には宝ものであったり、金塊だったり、権力や地位だったり、崇高なものだったり、そして・・・・「う〇ち」だったりということなのだと(笑) これは色だけでなく、形からももたらされているのだと。

 

あるいは、魂が発した光・・・・ それを金のシートが反射することで魂の存在を表現しているとか?

 

以上は、セミナー中でなくセミナーが終わって、参加者の声を思い返したり、自分なりにわからないことを調べたりして、あれこれ考えてながら感じさせられたことでした。

 

 

参加者の声など、また改めて(続) 

 

■【追記】2016.12.18 商品の販売と科学(余談)

エマージェンシーブランケットの仕組みを調べてみたところ、提供するメーカーの説明に腑に落ちないものを感じました。私なりにブランケットを調べて理解した仕組みは、人が発熱するその熱をアルミのシートで反射させて保温効果を持たせたもの。ブランケットに通気性がないため汗がシート内に付着するといったことが書かれ、厳寒地では冷気が入ってくるとそれが凍結するので注意といった記載を目にしたことなどから、そのように理解しました。

そこに金と銀の効果を調べてみると、「外光」の反射、吸収という理由が語られていたのですが、ここで外光、太陽光は関係しているのだろうかという疑問が出てきました。災害救助の場に、いつも太陽は出ているでしょうか? 太陽熱を利用したアイテムではないと思うのです。直感的に考えて、金だろうが、銀だろうが真夏の炎天下、木陰に移動したにせよあんなシート体に巻いたらどうなるか想像はできませう。このアイテム、熱さでなく寒さ対策品なのでは?と考えられます。 

と思っていたら、やはりそれは似非科学だと言われている方がいらっしゃいました。金と銀の反射率のデータは、ほとんど違いのないことを説明していました。

  

データを探してみたらありました。

          金と銀の反射スペクトル   
            出典:6回「金の色」(高橋 正) | 化学科 | 東邦大学

     f:id:korokoroblog:20161220160023p:plain

            紫外線領域(短波長)から可視領域を経て
            赤外線領域(長波長)まで光を当てた時
            波長によってどのくらい反射されるかを表したグラフ



上記グラフより

  銀⇒340 nmより長い波長の光をよく反射。
    人の目は380 nmから750 nm付近の光を感知。
    銀は人の目に見える光はほとんどの波長を反射。白く光って見えます。

 

  金⇒紫外領域から500 nm付近までの可視光を吸収。
    人の目に見える光の領域では,
    紫から青色の光を吸収赤と黄色の光を反射
    黄金色に光って見えるのです。 

 

以上のようなことから、雪山などの遭難時銀世界に銀のシートよりも金色で黄色に光っていた方が目に留まりやすいといったことで、金色を使っているのではと推察します。

 

 

〇販売に使われる科学的な根拠 

商品を売る際に、似非科学が問題になります。つい先日も、水素水は意味がないという報告が国民生活センターからされたところです。

全文表示 | 水素水「やっぱりただの水」 国民生活センター調査の唖然 : J-CASTニュース

なんとなく科学の裏付けのあるような・・・ そんなイメージが商品の購買意欲を高めるということは、いろいろな商品に見られ、特に健康食品には多いように思われます。(今売られている健康食品の中で、きちんと検証がされて効果があるものはないと言っていいはず。だから医薬品ではなく健康食品だということを知っていれば、こうした似非科学に煽られることはなくなります)

利用する側が理解をして使うことが求められます。

 

ところがそうした販売方法は、防災対策、災害救助用品というものにまでも、及んでいるように感じられました。

 

〇作品から見えてきたこと

私にとってこの作品の意味は、エマージェンシーブランケットが使われたことを知ったことによって、作品の性質や種類、機能、そして販売方法を知りました。それによって今の物販の世界を象徴しているように感じられてしまったのでした。作品を通して、エマージェンシーブランケットは「生死を分かつ」アイテムとして作品に意味を持たせる効果があると理解しました。そんな商品にまでも、科学的根拠かに思われる理由が、販売に利用されている・・・・ というようにどんどん作品から離れて、別の世界へ飛んでしまったのでした(笑)

 

エマージェンシーブランケットの仕組みは、人が呼吸し代謝した結果、発する熱を、シートが反射して内部の温度を保つもの。そのような理解元、次のようにとらえてみました。

 

 

「生きていている」ということは代謝活動」が行われていること。つまり、体から熱が発せられています。その「熱」があるからこそ、このシートの役割が果たせるということです。「生きている」=「熱を発して代謝している」ことが大前提にあり、その熱が「生」への道しるべとなるアイテム・・・・ 「死」に至ってしまっては、その熱が得られず、効果を発揮できない・・・・ 

 

 

■【追記】2016.12.19 「生」とは熱を発すること その熱とは?

古着は「死」を表しており、それを金のエマージェンシーシートでくるんだとしても、「生」に変えることはできません。何の変化もしない。しかし、外からは、その中に存在するものが何であるのかはわかりません。その可能性を持ち続けることができる・・・・という可能性を込めた?

 

 

人が生きているということは、代謝によってATPを生産することです。つまりそれは熱の元です。これは単なる3Pが2Pになる時に放出される生体エネルギーの「熱」を意味だけではなく、人が生きていく上での意欲熱、制作意欲のような熱だったりも・・・・・ 個々が熱くなれるもの。そんなことを考えさせているとか?・・・

 

参考 

  

以上のように、自分のベースとなっている基本思考をもとに、こじつけながら解釈させていくことができたかなぁ・・・・という感じ(笑) でも、ボルタンスキ―は、そんなこと、きっと考えてないだろうなと思いながら・・・・ しかしながら、自分なりの落としどころに落とせた・・・・という感じになりました(笑)

 

 

■【追記】2016.12.22 ボルタンスキ―の父は医師

「生」と「死」をめぐる普遍的な問いかけ――『クリスチャン・ボルタンスキーアニミタス-さざめく亡霊たち』 / 東京都庭園美術館学芸員・田中雅子氏インタビュー | SYNODOS -シノドス- | ページ 2  より

 

〇ボルタンスキ―の家族

長兄ジャン=エリー・・・・言語学

次兄のリュック・・・・・・現代フランスを代表する社会学

母親・・・・・・・・・・・作家

父親・・・・・・・・・・・医師

 

 

〇ボルタンスキ―のプロフィール

学校には行っていない。
母親のギャラリーでアルバイト。家の外の世界とはそこでつながっていった。

 

現代美術のアーティストであるパートナー、アネット・メサジェの存在。

彼女と生活するためにはじめて家を出るまでは、ずっと家にいた。

 

 

〇知的な家系

日常会話が非常に深い内容を含んでいたことが想像される。
ボルタンスキー氏自身も「耳から聞いた情報が重要だった」と語る。

彼の扱うテーマや表現方法に大きく影響していると考えられる。

 

〇芸術との出会い

60年代末に母親がギャラリーを始める。

出入りしていた人々の影響が大きいと思います。

ジャン・ル・ガック(後に一緒に展覧会を行うアーティスト)
イヴォン・ランベール(フランスを代表するギャラリスト)との出会い。

この頃、兄弟とパリの現代美術ギャラリーやヨーロッパの現代美術館にも出かける。

 

 

 

当初、学校に行っていないということから、美術オタクのような人かな・・・と思っていたのですが、知的な家系に生まれ、学校で学ぶ知識だけではない教養の部分も含めたものを家族の会話の中で培われていたことが想像されます。

 

生命、生きる、代謝・・・ということは、ボルタンスキーの視野にはないかなと思っていました。父が医師であるということから、耳学問としてそのような視点を持っていたことは考えられると思いました。

 

 

 

■【追記】2016.12.31 「うんち」と「うんこ」の違い

エマージェンシーブランケットに覆われた物体が、「うんち」なのか「うんこ」なのか・・・

私のイメージでは「うんち」 浅草の物体は「うんこ」

なんとなく、言葉の語感からくる水分量の違いなのですが、これらに定義があるのかどうか、ずっと気になっていたので、年内のうちに確認と思って調べてみると・・・

 

 

私の感覚的な理解は、

  「うんち」・・・・水分が多くてべちょっとした感じ。  

  「うんこ」・・・・硬くてコロコロした感じ。

 

調べてみたら、ちょっとこの話題、大変なことになっていたもよう。

 

 

全文表示 | 「うんち」と「うんこ」は違うのだ そんな解説した科学館を襲った悲劇 : J-CASTニュース

 

新潟県立自然科学館のトイレの中で、日本医師会による情報として、提供したところ、間違っていたことが判明。「日本医師学会」の情報を間違えたとのことらしいのですが、その団体も存在しなかったとか・・・

 

 

「うんち」は肉や魚などのタンパク質が消化吸収を経て排泄されたもので、
「うんこ」は野菜や穀物のみが消化吸収を経て排泄されたものと

日本医師会によって決められているんだ。

 

 

日本医師会は、そんなことを決めるような組織じゃないし、医学用語として、「うんち」「うんこ」は使わないので、博物館にきっと、日本医師会の何によって決められたのか、その情報ソースを聞いただろうな。博物館だから正しい情報が出されているわけではないんです。以前、厚生省のHPの間違いも見つけたことがありました。〇〇学会と言っても、いろいろ。それが何を目的としたどんな組織なのかまで確認する必要があります。どういう立場から情報を発しているのか見極めた上で判断が必要です。

 

 

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