コロコロのアート 見て歩記&調べ歩記

美術鑑賞を通して感じたこと、考えたこと、調べたことを、過去と繋げて追記したりして変化を楽しむブログ 一枚の絵を深堀したり・・・ 

■ヨコトリ2020:エヴァ・ファブレガス: 《ポンピング》自由に連想して拡げたら

ヨコハマトリエンナーレ2020は、自由な連想や解釈を広げていくことを鑑賞者に期待しているといいます。ディレクターのラスクが自由に発想したというエヴァ ・ファブレガスの作品《ポンピング》について自由に連想してみました。

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エヴァ・ファブレガス: 《ポンピング》 ヨコハマトリエンナーレ2020展示

 

 

エヴァ・ファブレガス: 《ポンピング》(2020.06.23)

〇作品画像

この作品に関する画像は、この一種類だけのようです。これまでにも頻繁に目にしていましたが、一体何なのかなんのか・・・・ 想像もできません。 

今回は、他の角度の画像は探さず、この画像だけで想像してみることにしました。

 

〇記者会見での作品解説 (2020.06.23)

作品:柔らかな素材によって彫刻をつくっており、健康器具などに着想を得ています。気持ちよいと感じるものが、工場で製品となるというシステムを考えている作家。

ラスクの視点
≪ポンピング≫という作品の形状が、腸の形状に見えることに着目。「腸は内側だが、腸内には無数の菌が生息しているということは、共に生きていく場所で、外側に開かれた世界を持っているという連想をしました。このように自由な発想で自分なりに展示を見て欲しい」と語っています。

 

〇HPの作品紹介

生まれ:1988年バルセロナ(スペイン)生まれ 
活動:ロンドンを拠点
作品:大型のソフト・スカルプチャーや鑑賞者の身体を包み込むようなインスタレーションを通して、人間の身体や欲望、情動が、産業デザインからどのような影響を受けるのかを探究.

参加展覧会:

2017年、ミロ美術館(バルセロナ)
2019年、セントロセントロ(マドリード)
クンストフェライン・ミュンヘンにて個展開催。

 

 

■自由に連想し考えを拡げよう

一つのモノを見たら、教えてもらうのではなく、目の前のものから別のモノを連想し、森や植物が茂るように、頭の中にいろいろな考えを拡げていきましょう。会場を出る時には、違う自分になっていることを目指して・・・・ 

 

〇解説を聞きながら考えていたこと

解説を聞きながら、クッションのボコボコした様子が、インゲン豆みたいだと思っていました。

kotobank.jp

そして、ピンクのクッションに目をやった時、大腸みたい!と思いました。

Human alimentary canal.jpg
GFDL, リンク

ラスクも腸を思い浮かべたと解説があり、発想が同じだと・・・(笑) でも、腸と言ってもこんなふうにボコボコしているのは大腸で、小腸は、ボコボコしてなかったはずなんだけど思いながら・・・

 

〇腸の内側は外界

腸の内側が外界。この考え方は、人体ちくわ理論と呼ばれている考え方に通じるものと思われます。何年か前に耳にしたことがあります。人の口を入り口、肛門を出口と捉えると、人体はちくわのような形状をしているという考え方です。内側と思ったいた穴の部分は実は、外側だったという話。

ラスクも、腸内を外側と捉え、外側である腸に腸内細菌が住んでいると捉えたようです。下図、口から肛門まで、ちくわのような穴と考えられます。

 

Digestive system diagram ja.svg
Mariana Ruiz, Jmarchn, (translated by Hatsukari715) - Digestive system diagram en.svg, パブリック・ドメイン, リンクによる

 

 

■「人体ちくわ理論」について 

以前、聞いたことがあったのですが、その時は、詳しく調べませんでした。よい機会なので、「人体ちくわ理論」について調べてみます。

 

〇「人体ちくわ理論」は、どなたの提唱?

提唱者は? と、調べたのですが、よくわかりませんでした。ちまたで語られている言説のイメージがありました。が、次のような記事を目にしました。

大学教授による記事です。しかし、この記事は最後まで読めないため「ちくわ理論」をどのように紹介されているのかわかりません。どんな媒体で提供された情報なのか? 新聞の「新・真健康論」というコーナーです。ここは、新しい考え方を示すコーナーです。

 

〇情報の判断 

【独学】医学情報の判断

ちまたに流れる医学関連情報の確認は、「誰が」「どのような立場で」「どの媒体に」「誰に向けて」書いたものなのかを確認します。語る人の「バックにある世界」にも着目します。

「誰が」というのは、どのような「立場」の方で、どのような「経歴」なのか、医学の基礎情報をどんな体系から学んでいるのかということに、目を向けます。

この理論を聞いた時、東洋医学的な考え方だと思われ、そういう考え方もあるのだなと個人的にはスルーしてしまいました。

 

〇情報の確認は過去の学びの中に

情報を受け入れる時、学生時代に学んだ、基礎知識に合致しているかどうかが、一番のポイントになります。教科書の中に書かれていたかどうか。書かれていないとしたら、その後の新知見なのか・・・・ それらに即して判断します。

「人体ちくわ論」というのは、解剖学や生理学の本には書かれていません。東洋医学的、あるいは、民間医療的な言説、あるいは、健康産業業界で語られている理論。または、メディアが面白がって取り上げて広がったのかも?と思っていました。

この話を医学や科学として、西洋医学の立場からとりあげると、首をかしげてしまうのですが、東洋医学や、整体、整骨、気功、ヨガ、アーユルヴェーダなどの世界で語られるのであれば、許容できてしまいます。どのような方が、どの立場から語るかが、私にとってはポイントになるのだとわかりました。

また、個人の思考によって、この理論に至り、作品の解釈にあてはめるというのも面白いと感じます。同じ理論も、どんな人がどんな立場で語るかによって、受け入れ方が違うことに気づかされました。

 

〇新聞の健康コーナーで、西洋医学の大学教授からの情報

内容からして、東洋医学関係の方のお話かと思っていたのですが、西洋医学の大学教授のお話であったことに、正直なところびっくりしました。紹介されたコーナーは、新聞紙面で、読者に向け、わかりやすくかみ砕いた医学情報を伝えることを目的としたコーナーと理解ができます。そう考えると・・・・

最後まで読んでいないので、推測ですが、わかりやすい説明として、人の体がちくわのような状態であるという個人的な考えを、比喩的な話として取り上げたのではないか。あるいは、聞いた話として紹介されたのではと推測しました。 

西洋医学の立場では、語らない理論に思われました。医学で一般的に認知されているセオリーであれば、教科書に掲載されるはずです。出ていないということは、認められていないから。というより、そもそも教科書に掲載されるような話ではないという直観的なものが働きます。

 

〇医学周辺の世界で語られる「ちくわ論」

医学翻訳をされている方が、この理論について言及されていました。

snowberry.air-nifty.com

医師や医療従事者にとってはあまりにも当たり前すぎて、わざわざ患者さんや一般の人に説明する必要もない、ということがこの業界にはものすごく多い。それだけ、医療従事者とそれ以外の人にはとても大きな隔たりがあるということ。ちくわ理論は私が自分でウンウン悩みながら考えついたことではあるのだけれど、そもそもの消化管について(口から肛門までが1本の空洞で、そこは医学的には体外である、という概念)は、私も翻訳勉強会で先生から教えていただくまで知らなかった。

「ちくわ理論」について、医療従事者でしたが、そのような知識は持っていませんし、聞いたこともありませんでした。おそらく、多くの医療従事者は、知らないと思われます。

これまで疑問に思ったことがあれば、教科書に立ち返ることをしてきました。しかし、この内容は確認するまでもなく、教科書に取り上げられる内容ではないと、判断できます。

そのあたりが、「医療従事者とそれ以外の人とのとても大きな隔たり」の部分なのかもしれません。うまく言えないのですが、医学知識のベースとなる理論体系が違うということがわかるからだと思われます。

解剖学書にも内科の教科書にも書いてないんだもの(実は、これを知ってから探しまくったら、書いてある本もあった…でもすべての本に書いてあるわけではないので、やはり知らなければたどり着かない可能性のほうが高い)。

解剖学書にも内科の教科書にも 「ちくわ理論」が書かれていないのは、当たり前。と思えるかどかに隔たりがあるのかもしれません。また、書いてあったという本はおそらく・・・・

 

〇生物をちくわとツボでとらえる

一方、生物を「ちくわつぼで考えればよい」という捉え方は、とても興味深いですし、ユニークだと思いました。生物の進化をつかみやすい捉え方です。(後述する腸を支える腸間膜とクジラの関係にもつながります)

 
「動物はいろいろな形をしているが、突き詰めれば消化管の出入口が同じか出口と入口を別々に持つかです。平たく言えば(略)口と肛門が同じか別かということ。イソギンチャクは獲物をパクパクと取り入れたら同じ所から残骸を出すでしょ。だから「つぼ」。進化した動物は別になるので「ちくわ」。そう思って動物を見ると難しくはないですよ。」
そして教授が言いたかったことの本質的なことは下記のような話だったようです。 
 目に見える大きさの食べ物を、消化管の中を通しながら目に見えない大きさである分子になるまで小さくして始めて栄養素として吸収され人体を構成している約60兆個の細胞で利用できる。ということがとても分かり易く語られていた。
そんな消化管をちくわに見立ててわかりやすく、食物を吸収できるまでは、そこは体の中ではなく外なんだということと、ちゃんと吸収するために大切なことを説いていたようです。
 消化管は「ちくわ」の穴のようなものだから、消化管の中のものは体の外にあると考えるべき。そうすると噛むことの大切さを始め、消化の妨げになるものを排除するということの意味がよくわかる。

 

 

〇新聞を読んでみた (2020.07.15)

最後まで読まずにあれこれ、想像していても・・・・ということで、記事を購読してみました。最後に下記のように書かれていました。

私は、こうした消化管の構造や仕組みを「人間ちくわ理論」と名付け、講演会や大学の授業などで紹介しています。もちろん、教科書に登場するような正式な名称ではありませんが。
人体の消化機能を、わかりやすく説明するための、あくまで個人的なたとえ話であると最後にはっきりと示されていました。読み手はそこの部分を理解しておく必要があると思われます。理論と言われてしまうと、一般的に認知されたものという誤解が生じるかもしれません。 
 
消化吸収ということ考えると、分解された栄養素が、腸の粘膜の表面にあったとしても、吸収されていなければ、体内に入ったということにはなりません。つまり、体外にあるとのと同じと考えられるということ。そのまま吸収されずに、排泄されてしまえば下痢、逆流して口から出てしまったのが嘔吐ということになります。
 
このような状態を「ちくわ」の形状にたとえ、「人間ちくわ理論」と名付けたというお話だったのでした。
 

トポロジーとしてとらえる「人体ちくわ理論」

「人体ちくわ理論」を、トポロジーという数学の理論としてみることができるという話もありました。トポロジーとは・・・・⇒トポロジーの考え方

解説を読んでもイマイチ、よくわかりません。物の形の連結状態を見ているようです。形のつながり、連結具合に注目。図形をゴム膜と仮定して伸びたり縮んだりして移りあうものは“同じ”とみなすという考え方。「球面」「正四 面体」「立方体」などはすべて同じと考えるようです。

その例が、「コーヒーカップ」と「ドーナツ」。コーヒーカップの表面がゴムでできていて、それを延ばしてできるドーナツは、同じだという考え方らしいです。

Mug and Torus morph.gif
Lucas Vieira - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, リンクによる

 

そのように考えると、「人体はちくわ」という理論が成り立つと理解できるらしいです。


トポロジーという概念を理解していないのでよくわかりませんが、数学的な考え方で「人体をちくわ」ととらえる考え方はあるような気がしました。

そして、上記によると、福岡伸一氏も、「人間は考える竹輪」と語っているようです。

福岡さんはさらに、人間の(動物も同じですが)身体の口から腸に達する中空の穴以外の穴については、すべて一種の袋小路になっているということも教えてくれます。汗腺まで微細に見ると、私たちの身体は穴だらけなんですね。

 

福岡伸一氏も人を管と見ている

福岡氏は、生物の進化の歩みから説きます。生物は、もともとイソギンチャクのような袋状態だった。口と肛門が同じ。つまり同じところから食べ、吐き出す。その後、背後に排出口を作り管となりました。

それによって前後ができ、目や鼻、後ろには足、その後、脳が作られるという進化をとげました。前出の「ちくわかつぼか」と同じ考え方で、納得してしまいました。


結局、同じ話を見ても、どのような人が、どのような観点から語っているかに注目し、その立場や、語るバックボーンによって、受け入れられたり、受け入れられなかったりしていることがわかりました。

もし生物が袋状のままだったら頑固な便秘に悩まされるようなこともなかったはず。

 最後の締めは、一般向けに、読み物としてオチとして提供したもの。と理解し、許容してしまうのでした。

 

 福岡氏の考えを聞いて、その考えを支持するようになった医師のメルマガ


 

〇 腸内の無数の菌は体外 日本人の細菌は有益?

ラスクが考えた 「腸は内側だが、腸内には無数の菌が生息しているということは、共に生きていく場所で、外側に開かれた世界を持っている」という連想。それに通じる記事がありました。 

jbpress.ismedia.jp

この記事では、消化管は体の外という前提で話が進んでいます。

この消化管は体の中を貫いている「1本の管」であり、よく「ちくわの穴」に例えられる。ちくわの穴が外部につながってるように、口と肛門も外につながっている。意外かもしれないが、消化管の中は体の“外”なのだ。

そして、体の外の部分である消化管には、約1000種類、数百兆個にものぼる細菌叢があり、人の細胞よりも多く存在しています。

それらの細菌叢は、国ごとに特徴的で、日本人の腸内細菌叢は、生体に有益な機能を持つものが多く含まれていることがわかりました。それらの細菌叢によって、平均寿命の長さや肥満率の低さに関連しているのではと示唆されていると言います。

 

 

〇人体ちくわ理論について 

人体はちくわのような形をしている。というのは、体のことを考え抜いた人が至る視点。あるいは、体だけでなく、いろいろなことを考え抜く習慣を持った人が辿り着く着眼点のように思えました。

あるいは、その考え方を聞いた人が、自分の中に取り入れて、さらに塾考する人が、支持しているようにも感じました。

いかに連想し、広げていくかというのは、頭を柔らかくして柔軟に考えることです。今回知ったトボロジーと言われる位相幾何学は、図形をゴムのように伸ばして形を変容させたものの共通性を見ています。

発想の柔軟さという点で、人体はちくわというのは、受け入れることができます。それが理論として科学として、認知されたもののように語られてしまうことに、抵抗を感じてしまうのでした。

それは、語る人、その背景によっても捉え方が変わることが見えてきました。

今回、ソースが提供され、独学をする時にも感じていたことでした。ソースは、「どんな人が」「どんな立場で」「どんな媒体に」「誰に向かって」「何を伝えるため」に書かれたものなかを確認していました。その確認をするのに非常にてこずり、時間を要したソースもありました。

自由な連想や解釈をするにも、まず、そこが確認できないと、どう受け止めたらよいかが判断できないのです。 ラスクの捉え方が、巷で耳にした「人体ちくわ理論」だと理解しました。

ラスクは、おそらく自らが、それをイメージしたのだと思いますが、それを提唱する人がいるのか。それはどんな立場で、どこで、誰に向けて語っているのか。そこを確認してから判断をしようとしていました。

ラスクと同じように、作品を見て、腸みたい・・・と思いました。同じものを連想しましたが、その先に思い浮かべたものは違いました。自由に思考したことを下記に紹介します。

 

 

 

■腸を支えるもの 腸間膜(腹膜)

くねくねくねったスポンジ状のものが、シャクトリムシのような形をして起立しています。この形を支えるロープのようなものに着目しました。

 

〇小腸を支える腸間膜

小腸も、体の中で、くねくねとうねっています。体の中で、腸は腸間膜という膜で支えられて保持されています。くねくねとしたスポンジを支えるロープが、この腸間膜のように見えました。

 

下図の十二指腸のあたりから腸をぶら下げているのが腸間膜です。

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引用:人体について

 

腹腔を囲むように、腹膜が囲い、お腹側を「前腹膜」背中側を「後腹膜」と言います。これらは、腸間膜とつながっていて、腹膜と言われる部分です。

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引用:http://plaza.umin.ac.jp/~histsite/6digesttxt.pdf

作品も、ロープの支えがないと、起立しません。それと同様、小腸も腸間膜によって、背面とつながり、支えられているので、重力で下に落ちたりしないのです。

 

〇腸間膜の機能

腹腔内の腸は、見た目とぐろを巻いて浮遊しているように見えます。小腸と背中側をつなぐ腸間膜がで、つながっているのですが、腸間膜は、腹腔で自由度を保ちつつ、固定しています。

腸間膜(腹膜)の存在は、普段はあまり意識されることはありません。しかし、ここに炎症がおきた状態が腹膜炎と言われる状態です。

腸間膜(腹膜)は、体液の吸収と分泌を行います。また、胃や小腸が蠕動運動を行えるために、密着せず腹腔に空洞をつくっています。絶妙なバランスをとって、臓器と臓器の位置関係を保っています。

 

〇腸間膜は無菌状態 菌が入ると・・・

この空洞は無菌状態です。ところがなんらかの原因で菌が入り込むと炎症を発症し腹膜炎を起こします。

食べたものを吸収したり、分泌をする(生命の維持)ための媒介役ともいえるのが腸間膜です。腸内には、腸内細菌叢=腸内フローラと呼ばれ、お花畑のイメージで語られる場所があります。

しかし、それを支える部分には、無菌状態の場所もあり、菌が生息する場所とすみ分けをしています。不可侵エリアに菌が侵入すると、体にダメージを起こします。(未開地の森林伐採によって病原体が現れるのと似ているかもしれません)

メインの腸の機能を支えている腸間膜の存在や役割については、あまり耳にすることがないと思います。本体を支える重要な役割を担っています。《ポンピング》の作品でも、その形を支持しているロープの役割は重要です。

体内(外?)で共生している腸内細菌叢も、時として毒として働くこともあります。

 

〇クジラの腸間膜(腹膜) 

クジラが打ち上げられたときの様子を伝えるパネルです。この写真のキャプションにあった「腸を1本にするために腸間膜を切る」という解説が妙に、目に止まりました。

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クジラにも腸間膜があるんだ! 腸間膜があるのは哺乳類の特徴かと思っていたのですが、クジラは魚のイメージがあったので、腸間膜があることに驚きました。人と同じ哺乳類の仲間、消化管を持っているから、腸間膜もあると理解したのですが・・・  

よくよく考えると、魚も口から肛門まで一本の管の構造です。ということは、腸間膜があってもおかしくない・・・・と思って調べてみると、魚にも腸間膜があることがわかりました。クジラも魚も、人間と同じ「ちくわ構造」だったのでした。

そうなると、腸間膜がある動物は、ちくわ型なのか・・・・  ちくわ型なら腸間膜が存在するのか? と新たな疑問が・・・・ ちくわ型とツボ型の動物の進化。

自由に連想したら、生き物の発生になりました。

 

 

【独学】腸間膜(腹膜)の復習

ちょっと腸間膜について復習・・・・

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(左図)は、よく目にする、小腸と大腸の図です。この腸を取り外すとその下は・・・・(右図)背後には、ヒダヒダがあり、それは背中側とつながっています。これが腸間膜です。この腸間膜に小腸がつながっていて支えられています

 

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小腸の上は、どうなっているかというと「大網」と呼ばれる腹膜で覆われています。腸とお腹の間には、このような膜が存在して守っています。

このように、人体を表面からいくつかの階層でスライスしたような解剖図により、臓器の配置や構成を、段階的に理解します。

平面図を組み合わせて立体をイメージして作り上げる感覚。これは、作品の平面写真を何枚か組み合わせて、作品全体のイメージをつかむのと似ていると思いました。

平面で理解したものを、解剖実習で実際に3D状態で確認していきます。今回は、事前に平面の写真を見て想像したことを、実際の作品を見て確認します。同じプロセスをたどっていると思いました。

 

大網について、こんなにユニークな解説もありました。

ameblo.jp

大網が、実際に、どこがどうつながっているのかを理解しようとすると、非常に難しいのですが、概念図として簡略的に示されていてわかりやすいと思いました。人体をちくわに例えるのと似ていると思います。

 

〇主題ではなく脇役に着目

作品を見る時、主題ではなく、その回りの空間に着目することが多いと感じていました。この作品も、主題のウレタンクッションではなく、それを支えるロープに注目しました。

彫刻を形づくるのは、作品の部分の他に、その回りの空間がどう構成するかにもよると聞いたことがあります。主よりも従の方に目が向きやすいものの見方をしているようです。(そのため、絵画が意図する視線誘導に反した見方をしていることが多い)

 

 

さらに別の方向に連想を膨らませてみると・・・・ 

■レンサ球菌(2020.06.30)

作品の写真を拡大して見ていたら、クッションの連なりがレンサ球菌に見えてきました。写真はレンサ球菌の中の化膿レンサ球菌です。

Streptococcus pyogenes.jpg
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〇通常は無害、急激に毒に組織を壊死

上記の、化膿レンサ球菌は、咽頭、消化器、表皮に生息する常在菌で、一般的な細菌です。しかし、状況によっては、壊死性腹膜炎などをおこし、人食いバクテリアと称されることもある細菌です。

natgeo.nikkeibp.co.jp

 

〇免疫力が落ちると起きる病気・・・蜂窩織炎

あまり耳慣れない病名ですが、蜂窩織炎の原因菌にもなります。肌に常在するレンサ球菌やブドウ球菌が、傷があると侵入して炎症を起こします。免疫力の低下などが原因。ひどくなると下記のような状態が、太ももまで広がり、入院、点滴が必要になることもあります。

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引用:蜂窩織炎 - 14. 皮膚疾患 - MSDマニュアル プロフェッショナル版

*ルソーが蜂窩織炎で亡くなったという話があります。

 

日和見感染

学生時代、蜂窩織炎は、重篤患者の日和見感染という認識でした。日和見感染とは、健康な時は感染症を起こさない病原体が原因で、発症する感染症のことです。

この状態は、毒との共生にたとえられます。単独の病気というよりは、重篤患者が併発する病気で、症状もかなりひどい状態を、典型的な症例として教科書的に見ていました。

これまで、自分がかかるような病気とは思わずに・・・・

 

〇新型コロナ自粛中の罹患

新型コロナで自粛をしていた時、足首の上あたりに腫れと痛みと熱感、浮腫がみられました。出歩いていないので、どこかにぶつけた記憶もありません。虫にさされた記憶も・・・・ 少し様子を見れば、腫れは引くだろうとたかをくくっていました。それにこの時期、こんなことで医者に行くのはと憚られました。

たまたま、かかりつけ医の受診があり、症状を伝え、着衣の上から触診。患部を見ていないのに蜂窩織炎の可能性があるので、皮膚科の受診を進められました。症状は、下記の写真よりも、もっと軽い状況でした。早い処置をすれば、抗生物質ですぐに治ります。放置したら足全体に回ることもあると言われました。

f:id:korokoroblog:20200630193701p:plain婦人科医の方がかかって再発した蜂窩織炎 

引用:蜂窩織炎の再発: 河野美代子のいろいろダイアリー 

 

〇毒との付き合い方

新型コロナの患者が増加していた時期、軽度の状況で病院に行くのは医療の負担になると言われていた時です。病院に電話することさえも、遠慮してしまう状況でした。

かかりつけ医から、問い合わせて受診すればという言葉に、電話をかけることを許されたという思いで、皮膚科に問い合わせました。「そんなことで遠慮をする必要はありませんと!」とぴしゃりと言われました。

常在菌であっても、体調によって悪さをします。私たちは、常に毒と共存していることを、この時、身をもって実感しました。毒に変わったとしても、初期であれば、すぐにリカバリーが可能です。幸い1日で腫れはひきました。

 

〇経験、知識と行動が大事

経験や知識と的確な判断を享受できたこと。そしてせっかくの的確なアドバスも、それを阻む環境要因を優先してしまうと、せっかくの機会を失ってしまいます。病院へ行くことが「悪」、あるいは「危険」という風潮の中で、選択するべきことの判断の重要性を感じました。

今、何が大切であるかを見極めて行動に移すこと。私たちは見えない毒と常に共にしており、その付き合い方をコロナ蔓延の時に学びました。

通常なら問題のない病原体。体のバランスが崩れた時、悪さをして毒となる菌は、ほかにもいろいろです。一方、同じレンサ球菌には、乳酸菌など、腸内環境を整えてケアしてくれるものもあります。

〇脊髄に潜んでいた水疱瘡ウィルスが暴れ出す

子供の頃にかかった水疱瘡。このウィルスは、脊髄の神経節に潜みついて、じっと静かにしています。そして、体の抵抗力が落ちると、帯状疱疹として発症します。

元気な時は問題はないのですが、ストレスや免疫力が低下すると発症します。水疱瘡は終生免疫なので一度かかると、2度とかかりません。ところが、帯状疱疹は、何度も発症するので、一度かかったからと安心はできません。私は2度、かかりました。

一度、かかると、症状の経験があるので、2度目の発見は早いと考えられます。ところが、全く発症パターンが異なり、気づけませんでした。

足の付け根に刺すような痛みがありました。虫に刺されたのとはどうも違う・・・・何かおかしい・・・・という直観的なものはありました。

今、思えば、帯状疱疹の痛みに共通する、刺すような痛みだったのですが、神経に沿って帯状に広がる。という知識が邪魔をしていました。こんなところにできるわけがない。しかも一か所だけです。(帯状疱疹の疑いも持ってません)

ところが、新たな発疹が別の場所にとびひしました。これは何かの感染症の可能性があると疑い、皮膚科へ・・・・ かゆみの質の違いも気になるところでした。診断は帯状疱疹でした。

 

〇いつもと違う感覚には要注意

帯状疱疹蜂窩織炎、いずれも、ごく初期の状態で発見でき、翌日には改善しました。知識があっても、それを邪魔をすることもあります。しかしいつもと違う痛みや、症状に気づけること。そして、その時に速やかに対処すること。毒との付き合い方の教訓です。

知識と経験と学びの積み重ねは、毒によるダメージを最小限におさえてくれます。共存を可能です。ただし、どんなに知識や経験値があっても、寄る年波には逆らえないという不可抗力が存在することを感じさせられました。

 

 

【独学】「連鎖球菌」は「レンサ球菌」に表記変化

〇レンサ球菌:直鎖状に配列して増殖 「連なった鎖」のように見える
ブドウ球菌:ブドウの房状の配列 G+球菌
〇語源: Streptococcus  ⇒ streptos+coccus
 στρέφω ⇒「よじる」ギリシャ語 ⇒ στρεπτός (streptos: 曲げやすい、柔軟な)
 coccus ⇒「球菌」元は「(穀物の)粒」「木の実」の意味のラテン語 まがりやすい紐の意味
〇表記:「連鎖球菌」から2005年現在「レンサ球菌」(微生物学・医学分野で優勢)    

 

「レンサ球菌」・・・細菌発見当時の形態配列による分類 分類未整理の時代
 ⇒腸球菌 (Enterococcus) が独立した科 (Enterococcaceae) として分類
 ⇒肺炎球菌 (S. pneumoniae) のように連鎖状を示さない双球菌

 

 

■人体に優しいウレタンスポンジ

〇「きもちいい」と感じさせるウレタンスポンジ

気持ちいいと感じる感覚にも、合う合わないあります。最近、注目の低反発寝具。枕や布団などについて調べていてわかったこと。

低反発、高反発など、いろいろ種類ありますが、高反発製品は、体に、クッションから受ける反発を支える筋力がないと、逆に腰痛をおこすこともあると聞きました。

よくアスリートが、マットの利用者として登場しますが、彼らには、十分な筋力があるので、マットの反発力には負けません。しかし筋力の弱い人が使うと、マイナスになることもあると言います。

ここにも毒とケアの両面があるように感じられます。

 

〇フィット感がマイナスに

足の形にぴったりフィットする履きごちがよいと評判のサンダル(ホー〇ンズ)売り文句のとおり、足の形に添ってぴったりです。ところが、フィットしすぎは、風通しが悪くなり、特に夏は、ムレを感じて、長時間の使用には向かなかった経験があります。これもまた一種の毒ではないでしょうか?

この経験があるため、枕や寝具の低反発タイプでフィットを謳う製品については、自分には合わないと判断していました。低反発のマットに体がぴったり沿うような状態を想像すると、夏は寝苦しくて安眠はできないと思われます。

サンダルでの経験が、寝具を選ぶ際の予測に活かされ、失敗を避けられた例ではないかと思っています。経験を通して自分にとっての「毒」を事前に避けられたのだと思いました。

いずれのマットにもメリット、デメリットがあります。そして使う人の好みも影響します。せっかく安眠(ケア)のためのアイテムが、になってしまうこともあるので注意が必要です。

 

〇情報の判断

ホー〇キングの口コミ評価

【楽天市場】【HAWKINS】ホーキンス サンダル ISEO 2 HS40041 SM15 SL/DK.BROWN(ABC-MART楽天市場店) | みんなのレビュー・口コミ

8人中8人が5点・・・・

 

〇寝具メーカーの実験データ

データを見る時の注意

・実験のサンプル数チェック
・縦軸の単位、メモリのピッチ 波線のカット
・グラフの見せ方 
・どんな実験を行っているか

きもちいいに隠されている毒があるかも・・・・

 

 

■クッションのボツボツは何?

ウレタン部分を拡大してみると、白いウレタン部分に、ポツポツが確認できます。おそらく中のクッションの凹凸が表面に現れたものかと思われます。このポツポツ感が、どこかで見た印象があるのですが、思い出せません。

ふと、思い浮かびました。鶏肉の皮にあるボツボツでした。

鳥の毛をとった状態・・・と考えると、クッションは覆われているものがあって、守られていたと考えることができます。小腸も漿膜という薄い皮膜で守られています。

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インゲンマメ

最初に見えたインゲンマメですが、それ以上、連想することはできませんでした。

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インゲンマメとは - コトバンク

 

思考が発展して広がらないのはインゲンマメに関する知識がないからです。連想できる要素がありません。そこでインゲンマメについて調べみました。

インゲンマメの主成分は炭水化物とたんぱく質で、種皮には大量の食物繊維を含んでいます。
 食物繊維は、腸内の有害物質を吸着して体外へ排出する働きやコレステロールの吸収を阻害する働きをするので、便秘(べんぴ)解消や大腸がん予防、動脈硬化を予防するといった効果が期待できます。  

インゲンマメは、腸内細菌の有害物質を吸着して体外に排出するとのこと。インゲンマメがというより、食物繊維がその役目をはたしていると考えられます。

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大腸では、腸内細菌のエサとなるのが食物繊維が必要です。善玉菌の腸内細菌を増やすためには、水溶性の食物繊維が必要。

インゲンマメと大腸の形が似ていて、腸内細菌にかかわっていたというのは、偶然のことなのか・・・・

 

 

 

■思いつくままに連想

作品を見る前に、連想したこと。そこから、思いつくまま、自由に発想してみました。思い浮かんだことを並べてみてわかるのは、体に関する知識とつなげているということでした。どんなに考えても、自分が知っていること以上のことは連想ができないということです。

ヨコトリで展示される作品は、全く同じではないと思われます。形、色などどう変化するのでしょうか。実物を目にしたら、着想できることはまた変わるでしょうか?楽しみにしたいと思います。