落合さんの写真展、「質量への憧憬 ~前計算機自然のパースペクティブ~」 パースペクティブって? 美術の世界では「遠近法」と捉えられているようです。展示された写真から感じ取った「パースペクティブ」を集めてみました。
■パースペクティブって?
一点消失法の構図で撮影された路地。遠近法による構図の写真を集めた展示。サブテーマ「前計算機自然のパースペクティブ」を象徴するような写真だと思いながら眺めていました。
〇パースペクティブは一般用語?
ところで「パースペクティブ」という言葉は、一般的なワードなのでしょうか? パースという表現方法を知ったのは、20年ほど前のこと。私が過ごしてきた医療の世界に「パース」という言葉はありませんでした。
そして「パース」遠近表現のことを、「パースペクティブ」とも言われることを知ったのが、この1年ほどの話。最近は、中学の美術でパースを学ぶと聞き、一般用語として世間には通用しているのでしょうか?
〇西洋の遠近法に対し、日本の平面的な表現
西洋の遠近法にのっとって描かれるのに対して、日本画は平面的で遠近がないと言われています。ところが浮世絵を見ていると、パースペクティブな遠近法が使われています。さらに時代を遡っても、遠近法が使われているのを見かけます。どういうこと? 平面だけじゃないじゃない・・・・
そんな疑問から、「遠近法」「パースペクティブ」というワードは、ちょっと気になっていました。
今回の展示は、デジタルネーチャーとパースペクティブがテーマです。
〇西洋の遠近と日本の遠近のコラボ
一点透視図のお隣の写真。一部が西洋の遠近法。しかし・・・
日本の平面的な遠近法と混在させているのでしょうか?
中央の列は、画面が水平方向に分割され、前後で遠近を表現する日本的な構図。
こちらの列は西洋の遠近法。片側だけの一点消失。
中央の写真は?
これだって、水道の配列が遠近を表現されてます。
これは、日本画の木立のような並び…
影の方向が、水面を揺らす風で乱されています。一方向からの光ではない影となって投影・・・
手前に金網。奥にぼんやりとした西洋的遠近法。もしかしたらこの構図、初めてみるかも・・・・
この連作コーナー「パースペクティブ」をテーマにした展示であることを確信して見ていました。全ての展示を見たあと、タイトル、キャプションを確認したら・・・・
ということでした
■画面奥方向への遠近
構図、テイストが変化した写真。ここからも遠近を感じました。
地中方向への遠近。画面を手前から壁側に向かって貫く遠近。散った赤い花びら。その下の枯れた葉。さらにその下にある地面。その奥の世界に潜む小さな生物が生きる世界。奥へ、奥へと引き込まれる遠近、パースペクティブを感じさせられます。
この写真も奥へ広がるパースペクティブが・・・・
うっそうとした緑。その中に浮かびあがるような、奥の建物の壁の色。インパクトある色のコントラストだけで遠近を感じさせます。今、写真を見たら、手前の駐車場。そして看板、電柱などが、奥に向かう遠近をつなぎながら、濃い緑、うっそうとした影へと引き込まれていました。
タイトル、キャプションは・・・・
■パースペクティブに並べたり撮影してみた
私がとらえたテーマは違ってましたが、自分で感じたテーマに合わせて撮影
ペーパーが 広がるテーブルを一点消失で壁の写真につなげようとしたのですが‥‥
ということで、自分の見る視点を「パースペクティブ」を中心におくと、据えたテーマが違っていても、関連付けてみるこができてしまうのでした。
ところで、「パースペクティブ」を遠近法と理解したのですが、いろんな意味があるようです。
言葉の意味を広げると、また新たな見方がひろがるかも・・・・