コロコロのアート 見て歩記&調べ歩記

美術鑑賞を通して感じたこと、考えたこと、調べたことを、過去と繋げて追記したりして変化を楽しむブログ 一枚の絵を深堀したり・・・ 

■三菱一号館美術館:三菱の至宝展 

三菱を創業し、初代社長をつとめた岩崎彌太郎に続き、彌之助、久彌、小彌太と4代にわたる社長らが集めた文化財静嘉堂東洋文庫に収蔵された国宝12点、重要文化財31点等、貴重な作品群100点余りを展示。三菱創業150周年記念の展覧会です。

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ブロガー内覧にて *写真は許可の元撮影

 

  • ■国宝の展示について
  • ■作品みどころガイドや国宝年表が便利
  • ■展示構成
    • 第1章 三菱の創業と発展 ―岩崎家4代の肖像
    • 第2章 彌之助― 静嘉堂の創設
    • 第3章 久彌―古典籍愛好から学術貢献へ
      • 〇世界の視覚化 古地図コレクション
      • 〇信仰に宿る美
      • 博物学が生んだ芸術
    • 第4章 小彌太 ―静嘉堂の拡充
  • ■国宝と再会して
  • ■展覧会概要

 

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■静嘉堂文庫美術館:最後の曜変天目 (「旅立ちの美術」にて) 

静嘉堂文庫美術館の「展示ギャラリー」が2022年、丸の内に移転します。移転前、最後の展覧会「旅立ちの美術」が行われました。前期に国宝7点すべてを展示。中でもひときわ輝きを放つ《曜変天目》。世田谷岡本の地では見納めです。

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写真は絵葉書より

 

静嘉堂文庫美術館河野元昭館長は、常々「所蔵品は所蔵館で、地酒はその土地で」とおっしゃっています。美術館への続くアプローチのサインとしても利用されている静嘉堂の至宝《曜変天目茶碗》

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この場所での姿を、最後しっかり目に焼きつけておこうと最終日に訪れました。「旅立ちの美術」で曜変天目を見たのは3回になります。

 

  • 静嘉堂文庫美術館の思い出
  • ■作品の見方や価値感が変わる
    • 〇構造色とは
    • 曜変天目の何を見るか 何を目にやきつけるか
  • ■最後の見納め 曜変天目茶碗 
    • 〇前回の発見が確認できない
    • 〇前回見た場所を特定しもう一度
    • 〇光の当たり方が違う?
    • 〇茶碗各面で強く反射する光彩
    • 曜変天目茶碗の正面はどこ?
  •  ■見る場所、ポイントを絞る(3回目)
    • 〇各面の目につく斑紋、光彩を観察
    • ①正面
    • ➁左側面から
    •  ③右側面
    • ④裏
    • 〇見る場所や角度により七変化
  • ■これは鑑賞?
    • 〇作品を物質としてみてる?
    • 〇見える状態は一方向からの瞬間
  • 曜変天目茶碗の鑑賞
    • 〇飲むことをイメージする
    • 〇初めての人は、全体を知らない
    • 〇展示ケースで見ること 手にして見ること
  •  ■補足 

 

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■神奈川県立歴史博物館「錦絵にみる明治時代」から内国勧業博覧会を見る

神奈川県立歴史博物館で「錦絵にみる明治時代」が前期、後期に分けて開催中です。明治時代の様々な世相が描かれていますが、「内国勧業博覧会」に着目し、錦絵の中ではどのように描かれたかを探ってみました。

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今回の展覧会は、撮影可能です。最近は撮影可能な美術館・博物館が増えています。次第に自分の中に、いくつか撮影テーマが出てきました。その一つが「内国勧業博覧会」です。

 

東博、科博の常設展は、以前から撮影が可能でした。これまで「内国勧業博覧会」に関する展示資料の写真を集め、時折まとめていました。また折々で開催される展覧会の中で「内国勧業博覧会」が取り上げられていると、すり合わせをしました。今回、神奈川県立歴史博物館の「錦絵に見る明治時代」でも、第1回~第3回の「内国勧業博覧会」の錦絵が展示されています。内国勧業博覧会に焦点を絞り、過去に撮影した写真と合わせて並べてみます。

 

下のパネルは、第1回内国勧業博覧会が開催された現上野公園一帯のパネルです。上野駅がリニューアルされる前、公園口あたりの一画に設置されていました。

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*上野公園にて撮影(17.09.12)

さまざまな形で切り取られ描かれた「内国勧業博覧会」。そこに描かれていた場所は、今につながっています。それらを集めて眺めてみたら、何か新な側面が見えてくるのではないかと期待して・・・

*見出しのタイトル「作品名」の数字は作品番号。(後)は後期展示

 

 

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■静嘉堂文庫美術館:岩崎家の歴史と取り巻く自然ともに庭園散策

静嘉堂文庫美術館が丸の内に移転します。 豊かな自然に囲まれた美術館。移転後も庭を見学することは可能だそうです。岩崎家の歴史とともに歩んだ庭、静嘉堂文庫美術館の歴史と合わせてじっくり散策してみてはいかがでしょうか?

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  • ■デッキから望む景色
  • ■美術館横の建物から庭を望む
  • 静嘉堂文庫美術館前の庭
  • ■岩崎家玉川霊廟
  • 静嘉堂緑地の自然
  • 谷戸
  • 静嘉堂文庫美術館へ向かう坂道
  • ■トンボの湿地
  • 静嘉堂緑地への脇道
  • ■丸子川添いの自然
    • 〇バッタの原
    • 〇丸子川親水公園
    • 〇生き物の宝庫
  • ■参考
  • ■脚注・補足

 

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■みらい美術館:究極のガラス芸術 「エミールガレ展」ーフランスの薔薇 大壺ー

みらい美術館で行われている「究極のガラス芸術「エミール・ガレ展」 今回の目玉作品は「フランスの薔薇」大壺です。じっくり見ると様々な魅力が浮かび上がります。学芸員ならではの見どころをじっくり解説していただきました。

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 「フランスの薔薇」大壺 1902年

下記の記事で、エミール・ガレ(以下ガレ)の生前作品や工房作品の見どころをご紹介しました。


今回の展覧会の真打ともいえる「フランスの薔薇」大壺の超絶技巧は、ただ見ているだけでは、その真価はわかりにくいかもしれません。驚愕のテクニック満載です。見れば見るほど、じわじわと魅力が滲み出してきます。展示する側も、いろいろな技を駆使してより魅力を引き出そうとしています。みらい美術館学芸員、野依良之氏に引き続きお話を伺いました。

 

  • ■幻の名作「フランスの薔薇」が横浜に!
  • 学芸員が指南 「フランスの薔薇」の見どころ
    • 〇繊細な蕾 アプリッケ
    • 〇透明度の違うガラスの組み合わせ
    • 〇蕾の表面の加工
    • 〇厚みのあるアップリケ 
    • 〇足の部分の斑紋の妙  
    • 象嵌技法でつけられた葉
    • 〇水滴のような光
    • 〇全面の彫刻 繊細な彫刻 グラビュール
    • 〇マルトレ(ハンマーでたたかれたという意のフランス語)
    • グラビュールの実際の作業
    • 〇ガレ作品の見方が変わる
    • 〇あえて加工しない緩急
  • ■ライティングについて
    • 〇特注ケースを注文
    • 〇目に飛び込んでくるのは、主催者が見せたいところ
    • 〇どんな光で見せる? 自然光を基本
    • 〇ガレの時代の光は?
    • 〇技術を見せる
  • ■ガレの魅力 

 

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