コロコロのアート 見て歩記&調べ歩記

美術鑑賞を通して感じたこと、考えたこと、調べたことを、過去と繋げて追記したりして変化を楽しむブログ 一枚の絵を深堀したり・・・ 

■名刀礼賛:「刀剣の見方」お勉強のための資料

泉屋博古館分館で行われている「名刀礼賛-もののふたちの美学」に再訪。刀剣の見方についてのパネル情報や、東博の本館「刀剣」コーナーの基本情報をここにまとめて、刀の鑑賞の補助データにします。

泉屋博古館の写真は、主催者の了解を得て撮影しています。
 東博の本館写真は、撮影自由)

 【写真差替】2017.07.20 解説パネル拡大写真に  刀剣の刃文写真追加

 

 

■刀剣のみどころ 

下記のようなパネルで解説がありました。

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ポイントは3つ

(1)地肌・・・うち伸ばし何度も折り返すと表面がきめ細やかに 
       回数・方法できめのこまやかさが変化
       鍛目(樹木の肌目に見える)などの肌模様が生じる

(2)姿・・・‥平安・鎌倉時代は細身
       その後、身幅広く厚い。

(3)刃文・・・焼き入れによって刃の形が浮かぶ

 

乱れ刃:波状のうねり

直刃(すぐは):上品で趣深い

 

刃門の境目に見える

沸(にえ):刃文のさかいめに細かな砂を散らしたように見える

匂(におい):かすみ状 

 

 

■刀剣の作り方

〇折り返し鍛錬

下記のサイトが詳しいです

日本刀の出来るまで

日本刀の作り方と鍛え方・・・ 折り返しによる鍛え方

 

 

東博の刀剣コーナー解説

先日、東博で刀剣コーナーの解説を撮影してきたので、ここに掲載して情報にアクセスしやすくしておくことに。(東博、本館の撮影、掲載はOK)

 

〇刃文の種類

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丁子(クローブ)    つぼみ         

クローブ(チョウジ - 丁子) クローブ(チョウジ - 丁子) 出典:クローブ(丁子 – チョウジ)|九州スーパーフード研究会 – 産地食材やスーパーフードの料理をご紹介

 

f:id:korokoroblog:20170710134523p:plain出典:紅丁子とは - 植物図鑑 Weblio辞書

 

以下は、東博の刀剣コーナーにて撮影

▼丁子刃

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▼丁字刃              ▼丁字刃

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▼互の目 丁字刃 板目肌

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▼匂口のうるんだ直刃      ▼精緻な地金 直線的な刃文

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地鉄(じがね)

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出典:東博 本館 刀剣コーナーにて撮影 

 

参考:日本刀の見所・・・板目肌・杢目肌・柾目肌の写真あり

参考:地鉄の働きと科学・・・はたらきの画像と組織

 

 

〇刃中の働き

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〇砂流(すながし)  〇金筋(きんすじ)

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 刃中の働き

 

出典:刀剣を見るための基礎知識:刀剣の姿、地鉄、刃文|武具・甲冑を見る - ひょうご歴史ステーション

 

〇「働き」って?

ここで刃中の「働き」という言葉が使われています。これらの模様が出現すると刀になんらかの「働き」「機能」を与えるという意味の「働き」だと思っていました。この模様がどんな機能を刀にもたらしているのだろう・・・と考えていました。こんなわずかな模様が出現することで、刀の機能に作用するとは・・・・ と思っていたら、「働き」とは、刀に現れる「模様」を意味するのだということがわかりました。

 

英語で 「feauture」=特徴 となっていました。

 

〇沸(にえ)と匂(におい)

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(にえ)の見え方          匂(におい)

  肉眼で見える            霞のように見える   

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出典:薬師寺 沸と匂 | 株式会社ブレストシーブ

 

 

 

〇茎(なかご)

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■ビデオ解説 

ブロガー内覧会では、時間がなくビデオ解説を見る余裕がありませんでした。これを見れば、理解できるものと思い、予習はせずにでかけたのですが・・・・ 図と名称だけだなのでとよくわかりませんでした。言葉の補足が欲しいと思いました。

 

また地金の解説で、「板目肌」「杢目肌」「柾目肌」がありますが、それがどんな木目なのかの図解がないとわからないです。「板目」「柾目」を知っていても、それが刀剣のどこにどう表れるのか、わかりませんでした。

 

詳しそうな2人づれの方がいらして、柾目について語っていたので、声をかけて説明していただき、やっと理解ができました。刀剣の解説の随所に「柾目肌」「杢目肌」という言葉が現れるのですが、それをビデオで見ても図がなく、理解するのが難儀でした。

 

刀剣の実写拡大写真に引き出し線で示した解説が欲しいと思いました。といった上げ膳据え膳の展示がいいのかどうかわかりませんが・・・・

 

以前、静嘉堂文庫美術館でも刀剣の展示が行われた時に、「初心者でもわかる」をコンセプトに詳しい資料が配布されたと聞いているので、それを探してみました。

 

  ⇒静嘉堂文庫美術館 「超・日本刀入門」 - 光と影のつづれ織り

     こちらに刀の見方につての資料が掲載されていました。

 

 

■刃文とはたらきについて

『所蔵品選集 刀剣』(p102)より
刀剣は鉄に炭素を含む鋼によって作られる(0.03~1.7%)
常温では下記の組織からなるが、そのまま形にしただけでは切れ味を発揮しない。
加熱したあと(800°c)急冷(550℃)することで硬い組織に変わる。(←焼入れ)
さらに硬くてもろい組織に粘りを出すため、700℃以下で「焼き戻し」
以上の 行程におけるで鉄の組織に変化を下記に示しました。

 

 

〇温度と鋼の組織の変化・刀剣の部位と組織

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鉄の組織と言われてもよくわからないので、温度、組成、冷却による変化の参考資料を下記に示しました。  

 

 

■参考資料:鉄の組成 火入れ 冷却による組織状態

〇加熱及び冷却の程度に関係する鋼の組織状態 

参考:将校用軍刀の研究(5) 第四報

 

ー金属材料の概要編ー

出典:滋賀県東北部工業技術センター :: 金属のいろは(1)ー金属材料の概要編ー

 

 

〇金属組織と温度と炭素の関係

炭素鋼を徐冷する際の組織の形成過程出典: 金属概論・鉄鋼の微細構造|技術情報館「SEKIGIN」(セキジン)|鉄鋼材料の性質を支配する重要なパラメータの一つである金属組織を温度と炭素量の関係(相変態)で紹介

 

〇 機械構造用鋼における加熱・冷却操作と、熱処理法・金属組織の名称

参考: 日本刀の折り返し鍛錬と強度の関係 

 

上記に様々なデータがとられていて、従来の日本刀の常識を問うといった内容まで。すべては理解できませんが、折々で見返しながら、少しずつ理解の参考に・・・

 

 

 

■参考

#名刀礼賛 hashtag on Twitter

#泉屋博古館 hashtag on Twitter

 

 

■関連

■名刀礼賛:「刀剣の見方」お勉強のための資料 

 

【追記】(2017.07.20)刀の基本について

東博のミュージアムで刀剣の関連本を見てきました。刀の作り方がイラストで示されており、わからなかった部分がやっと解明しました。縦横の筋目の入れ方、折る方向・・・など。茶の湯の時もそうでしたが、東博に置かれている書籍は、基本の概要を理解するのに役に立ちます。

 

また、「刀の基礎」という本が何冊かあったのですが、自分が思う基礎と、編集された本が提示する基礎が違っていました。一口に「基礎」「基本」と言っても何を「基本」ととらえるかというところが、本によっても違うし、自分が思う基礎と違うことがわかったのは面白かった。私の場合は、ここでも伝来は二の次・・・・(笑)