国内の化粧品の老舗メーカーでありトップメーカーでもある資生堂が創業したのは1872年(明治5年) 以来、時代の変化に伴う女性の価値観や役割とともにある「美」を追求してきた145年の歴史があります。
一方、1919年(大正8年)、資生堂は銀座にギャラリーを開設しました。追及する美の方向は、「若手作家たちの応援」という形で「新しい美の発見と創造」にも目が向けられていました。かつてメセナともてはやされた企業による、芸術文化の援護活動が活発に行われたことがありました。そんな一時的なメセナとは違い、2年後の2019年には100年を迎えます。こうした活動は、新進気鋭のアーティストの応援という意味だけでなく、あらゆる角度から美を追求しみつめていくという社風にも繋がっていると聞きます。
創業の強い信念があってのこと。ぶれない信念が貫かれていてしっかり受け継がれているからこそ成し得ているのだと思われます。
その一環でもある、新進アーティストの活動を応援する公募
「美術」という言葉は明治初期に作られたもので、英語のfine artを直訳したもの。美の表現を目的とする芸術を意味するとされています。「美術」という言葉もまだ新しい概念だと言えます。その言葉の中にある「美」について、一度、立ち止まって考える機会になると思いました。
「美」とは何か。
それは、時代が作り出すもの。変化し続けるもの。永遠の課題・・・ 今というこの瞬間に生み落とされる新たな「美」の現場に立ち会えるというのは、とても興味深いと思いました。10回の節目から、新たにスタートする美の創出。その瞬間を一般の聴講者としても体験できる機会を通して、自分のとらえる「美」についても考えてみたいと思います。
「新しい芸術文化の未来」 個人的には、新な時代が生み出していく科学やテクノロジー。それらと芸術がどう融合し新しい世界をつくりあげていくのかということに興味を持っています。こんなことも、芸術? こういう美のとらえ方もあるんだ・・・という全く新しい価値観が、これまでになかった科学という力を得て生まれてくる未来像に関心があります。
その一方で、写真がフィルムからデジタルに変わったことで、写真の世界はガラリと変化しました。しかしデジタルが行きわたると、フイルム時代を知らない新しい人たちによってフイルムが見直されています。そんな揺り戻しもおきるのではないかと想像しながら、芸術の新しい未来を想像しております。
■参考
〇開催中の展覧会 | SHISEIDO GALLERY | 資生堂グループ企業情報サイト
〇ギャラリーのご紹介 | SHISEIDO GALLERY | 資生堂グループ企業情報サイト
〇「第11回 shiseido art egg」展で見る3人の新進アーティストのいま|美術手帖
〇美術館巡りを愉しむ:Vol.14 資生堂ギャラリー ・ INAXギャラリー - TONTON club
■入賞者インタビュー(美術手帖)
〇写真で写真を超える。「第11回shiseido art egg」吉田志穂インタビュー
〇時を超えて混ざり合う布と糸。「第11回shiseido art egg」沖潤子インタビュー
〇ホワイトキューブは問いかける。 「第11回shiseido art egg」 菅亮平インタビュー
〇資生堂ギャラリー (@ShiseidoGallery) | Twitter
〇#資生堂アートエッグ - Instagram(インスタグラム)の画像・動画