コロコロのアート 見て歩記&調べ歩記

美術鑑賞を通して感じたこと、考えたこと、調べたことを、過去と繋げて追記したりして変化を楽しむブログ 一枚の絵を深堀したり・・・ 

■箱根「岡田美術館」利用について(入館料・割引・ランチ・アクセス・足湯・備品等)

数年前から『岡田美術館』の名が、耳に届くようになりました。2800円という高い入館料に尻込みしていましたが、やっと行ってきました! 「割引情報」「裏技アクセス」「ランチ」「足湯」「備品」の準備状況、噂の「セキュリティー情報など紹介します。

 

↑ 岡田美術館エントランス (※)

 

どうせ行くなら、どうしても「見たい企画」で「講演会」が行われる時に・・・と思って狙っていました。小林館長のお話、春草の講演会、若冲「孔雀鳳凰図」展示があった、若冲と蕪村 江戸時代の画家たち など何度か試みてきたのですが、聞きたい講演と展示内容が合わなかったり、予定があわずに断念したり・・・ やっと訪れることができました。

 

今回、たまたま、東京都立美術館に置かれていたチラシで 魅惑のガラス、ガレ ドーム展 が行われることを知りました。そしてガレ研究の第一人者とも言われる鈴木潔先生講演会とギャラリートークがあるということもわかり、これは好機とでかけました。(ガラス展、鈴木先生の講演・ギャラリートークについてはこちら鈴木先生のギャラリートーク ) 

 

このチラシ、都美以外の美術館で見ることはなく、そこで目にしなかったら、知ることがなかったかもしれません。あまり認知されて居ないのでは? とちょっと心配。素晴らしい作品がありますので、ガレ好きはお見逃しなく!

 

 ↑ 魅惑のガラス ガレドーム展 フライヤー (※)

 

以下、岡田美術館についての利用法や感想、事業と美術館情報などをまとめました。

 

  

 

■岡田美術館の噂の数々

岡田美術館に関してはいろいろな噂を耳にしていました。

よくささやかれるのが、MOA美術館と同じ系列? あの創業者、岡田茂吉氏の関係の美術館では? しかしそれは関係がないとのこと。パチンコ関係の事業者だと耳にしました。パチンコの儲けで作った美術館なのか・・・ それなのにあの高い入館料・・・

 

そして入館にあたっては、厳しい空港並みの荷物チェックがあると言います。持ち物の制限があって、メモすらも取れないという話も聞きました。今回、講演会に参加するのですが、講演会に参加してメモもできないということなのでしょうか? さすがにそれはありえないと思い、事前に確認しました。講演会のメモは可能とのことでしたが、問い合わせでは、やはり館内のメモはできないと言われました。しかし、訪れると館内のメモはOKでした。しかし鉛筆の貸し出しはありません。

 

開館前後の岡田美術館についてはいろいろに語られています。

 

 

 

建設前は何が建てられているのかわからず、周辺でいろいろな憶測が立っていたと言います。私が岡田美術館を知るようになったのは、数年前のことでした。箱根には毎年のように行っていたのですが、岡田美術館について耳にすることはありませんでした。

 

 

■岡田美術館 開館4年の認知度

2013年オープン。今年で4年目です。が、ここ数年で、急速にその名が耳に届くようになりました。開館当初から知る人ぞ知る美術館だったようで、美術好きの間では話題になっていたようです。

 

zaikabou.hatenablog.com

 

この美術館が広く知れ渡ることになった一番の立役者は、館長の小林忠氏の存在ではないかと思っています。(⇒[ときの人] 小林忠さん 岡田美術館館長 | Art Annual online

若冲展の際に「鳥獣花木図屏風」に価値を見出した人として日曜美術館で紹介され、注目が集まりました。また、「國華」で掲載されたあと行方不明になっていた若冲の「孔雀鳳凰図」が発見されました。その作品が、今「國華」の主幹である小林先生が館長を勤める岡田美術館のもとに収蔵された・・・という因縁(?)めいたものもあります。そうしたエピソードなどもあって美術館の名前を目にするようになってきました。

個人的には2015年の琳派展あたりにその存在を知ったのですが、それまで耳に届かなかった美術館が、急に目にしたり耳にしたりするようになって、何か不自然というか、違和感があったのでした。 

 

スイーツブームが何かの仕掛けによって作られるのと同じように、この美術館も何か、そういう力が働いているのではないかと(笑)

 

 

 

■箱根で2800円という高い入館料はいかに?

箱根は、美術館が林立しています。ポーラ美術館を初めてとして、どの美術館も高い入館料を徴収されます。美術館だけでなく箱根価格と言われるものがあって、飲食店や他の施設なども東京からの立地の良さを盾に足元を見ているという印象を持ってしまう地域です。「観光地価格」とはよく言われることですが、箱根はそれに輪をかけて高い価格設定がされているという印象を抱かされます。

 

そんな中で2800円という価格設定をするというのは、何を根拠にこの金額設定をしたのか・・・それだけのものを見せてくれるということなのか。そんなことを自分で見極めたいと思っていました。

 

〇近隣美術館の価格

ちなみに、ポーラ美術館は1800円と高い価格です。車で行くとさらに駐車料金500円がかります。でも、作品の充実度に満足して帰ってくることができます。

ラリック美術館は1500円で、駐車場は以前、有料(第一駐車場)でしたが、今、確認すると無料になっているようです。(おそらく大涌谷の噴火の時に無料にしてそのままになったと思われます)またルトランというオリエンタル急行の体験型展示は2100円かかります。両方体験したら3600円という金額です。それでもその金額に見合う満足感を得ることができました。

 

しかし同じ箱根でも、この美術館は・・・と思ってしまうような個人趣味的なところもあります。あるいは、夏休みの期間限定で出展していたのか、恐竜館とかいう掘っ立て小屋のようなところで、しょうもない展示をしていて、1500円(1100円でした)とられて悔しい思いをしたこともありました。

 

  この展示について書いている方がいらっしゃいました。

   

    出典:箱根3Dの恐怖より

     ⇒箱根3D宇宙恐竜ワールド: ナンバー921の叫び

 

何でこんなところ、入っちゃったんだろう・・・・と思ったら、外からは見えないようになっていたようです。初の箱根旅行。御殿場から箱根に入って、最初に入ったのはここ。箱根というのはこういう場所だと植え付けられてしまった施設でした。そのため、その後に入ったポーラ、ラリックがえらく素晴らしい美術館に思えたのでした。
    

そうした悲喜こもごもの箱根の美術館や施設の中で、2800円という価格設定。どのような展示なんだろうという興味はとてもありました。しかしエンターテイメント業界が作った美術館・・・ということにこの悪夢がどこかで影響していたのかもしれません。そのためなかなかよし、行こう! という思いにはなれなかったのかもしれません。

 

 

〇優雅な生活をしている人でも高いと思ってしまう金額

施設巡りバスでご一緒になったマダム。箱根にマンションを持ち、月2回ほど箱根で過ごすという方でしたが、「岡田美術館は高くて行ったことがない」とおっしゃっていました。しかし、ポーラやラリックには行かれるそうです。ラリックはレストランに朝食を食べにわざわざでかけたりするとおっしゃっていました。

 

岡田美術館の基本理念に、「地域文化への寄与」ということが掲げられ、地域と連携し、地域文化の向上に資すると記されています。しかし、この価格では気軽に利用もできないと思われます。箱根の地をセカンドライフとして過ごされている方が、「他の美術館には行くけども、岡田美術館には行けない」と言われてしまう価格というのはいかがなものなのかな? と思わされました。

  

 

■入館料関連(割引券・庭園・駐車料金) 

〇割引券

割引券は、何年か前に確か、ラリック美術館で入手していました。いつか行きたいと思っていたので、それをずっと温めていました。パンフレットの中に割引券がホチキス止めされて、観光チラシのラックの中に置かれていました。200円の引き券です。

宮ノ下の観光案内所や、湯本の富士屋ホテル小涌谷の駅にあるという情報を見ました。

▲割引券 (※)

 

その他には下記のようなクーポンもあるようです。

(登録料が必要なところが多いです)

 

せっかく長きに渡り、いつか使う日が来ると思って温めていた割引券。持参していたにもかかわらず、ギャラリートークの時間が始まっていたため、焦っていて、すかさずカードを出して決済。そのあとに割引券を持ってきたことを思い出しました。ダメ元で、提示すると快く、支払いのキャンセルをしたあと、再決済していただくことができました。

 

〇庭園は別途料金

庭園が併設されていますが、当然、入館料には含まれているのかと思っていましたが、別料金300円が必要です。館内で「庭園もとてもいいらしいわよ」という会話がささやかれていました。時間がなく断念しましたが、2800円という料金をとって、さらに庭園散策は別途というのは、ちょっと考えてしまいます。 

以前は入館者は無料だったらしいことが書かれているブログを目にしました。途中から変更されたのでしょうか? 入館者には解放して欲しいと思ってしまいます。

 

改めてマップや写真を見るとかなり広く、充実した庭園であることがわかりました。⇒美術館マップ | 施設案内 | 岡田美術館

 

維持費も大変なのだろうと思うのですが・・・・・

 

 

〇特別割引

・シルバー割引:ありません。

 

障碍者割引:こちらも高め

  本人:1800円

  付き添い2人:2800円  

 

・子供:1800円

 

・学割などもなし

 

〇駐車料金

駐車料金は、入館すれば無料です。

庭園・足湯のみの利用は1時間まで無料 以後、1時間につき500円 

 

 

 

■セキュリティーチェック

〇「空港並み」でなく空港と同じX線チェック

噂で空港並みのセキュリティーチェックだと聞いていたので、バックの中を目視で見られるのだろうと思っていました。ところがそういうことではないことをエントランスに入って知りました。空港並みなのではなく、空港と同じX線検査と金属探知機のゲートがあったことに、びっくり!  

 

しかし、疑い深い私は、これダミーだったりして? よくあるなんちゃって防犯カメラと同じで、形状はそれらしいけど、「厳重チェックしてますよというアピール」をしているだけとか・・・(曝) X線検査のチェックをするモニターってあったかな? と記憶をたどっているのですが、目にはしませんでした。見えないところにあったのでしょうか?

 

〇ブザーが鳴るとどうなる?

ただ、何度か出入りして、寒くなりコートを着て入った時にブザー音が鳴りました。おそらくファスナーに反応したと思われます。ああ・・・・ちゃんとチェックされているんだ・・・って(笑) でも、ブザーが鳴ったのに、再度、ゲートを通るように促されたり、ボディーチェックはされませんでした。

 

 

〇厳しいチェックにより監視員はいなくなる !

カメラ、携帯、飲み物、食べ物は、ロッカーに預けます。持ち込みは禁止です。これだけ完璧ともいえる事前チェックが行われることで、館内に監視員を置かなくてもよいというメリットが生まれます。でも・・・

 

〇世界標準のセキュリティー

X線検査の機械に金属探知機導入にかかるコスト・・・ そこまでする意味は? その設備投資が入館料に反映されているとか・・・・と思ったり、それによって人件費のカットになってるわけね・・・とか。 基本理念を見ると「世界へ発信」ということが掲げられています。諸外国では文化財への攻撃などが行われるご時世です。世界標準の危機管理を国内の美術館のどこよりも先駆けて取り入れたということでしょうか・・・・

 

 

〇館内の扉も厳重

館内の各階の扉も、人を拒絶するかのような重厚な扉で、ここが入口とは思えないような扉でした。来場者も「なんだか非常口みたいで、入っていいのかどうか迷うのよね」という会話が聞こえてきました。扉には鍵がかかるようになっています。「これ、だれかがガリャリと施錠でもしたら閉じ込められちゃうのかなぁ・・・」とか、盗難にも完璧に備えられていて、セコムのような警備会社にも依頼されているんだろうな・・・とか、鑑賞とは別の部分であれこれ考えてしまいました

 

〇監視員がいなくても、きっと***があるはず?

監視の目はないのですが、おそらく監視カメラが、要所要所に設置されているのだろうと思われました。つい最近、とある美術館でも、監視員がいなかったのですが、帰りに受付のデスクの下に、監視カメラのモニターがあるのを目にしてしまいました。監視の目がなくてゆっくり、見ることができていいな・・・と思っていたのですが、その画面を目にしてしまうと、ここでずっと見られていたんだ・・・ 館内は人がいなかったので、ちょっと複雑な気分で帰ってきたばかりだったのです。これだけのセキュリティーを施している岡田美術館ですから、監視の目はなくても、モニターは設置されているのだろうと思いながら見ていました。

最近の顔認証は、精度も高まっていて、怪しい動きをするとチェックされたり、過去に怪しい行動をとったりすると、要注意人物としてマークをされるなんて話も聞きます。そんなことばかり考えてしまいました(笑) 近くの宿、翠松園でも車をエントランスに入庫するとすかさずスタッフの方が出迎えられるので、当初は感心していたのですが、スタッフルームにカメラのモニタ―があることを知り、なーんだ・・・と思わされたこともあります。知らないところで監視されている社会。美術館においても例外ではないかもしれません。

 

■貸出備品について(鉛筆・ブランケット)

〇メモはできる? できない?  鉛筆の貸し出しはあるの? ないの? 

いろいろ規制があるため、メモもすることができない・・・・ なんて噂が立ってしまうようですが、そんなことはありませんでした。メモはできますしかし、鉛筆の貸し出しはないので、持参する必要があります⇒(基本的には行っていないようですが)言えば貸してもらえるそうです。 

鉛筆の貸し出しは、ほとんどの美術館で行われていますし、交換も近くのスタッフさんにいえば可能です。こちらの場合は、常駐スタッフがいないので、途中で鉛筆の交換をしたい場合は、受付までいかなければなりません。受付に鉛筆削りの用意がありました。持参した場合は、それを借りることができます。

 

〇メモ用紙、バインダーの貸し出しについて

SOGO美術館では、メモ用紙とバインダー、筆記用具がセットになって常備されています。美術館によっては、バインダーを貸し出してくれるところもあります。これらは、美術館のサービスとして行われているようです。

入館料がこの金額となると、そうした細やかなサービスを望みたいところですが、鉛筆に関しても、基本は持参・・・という方針が見え隠れしているようで、いかがなものかなという印象を抱いてしまいました。

 

〇問い合わせの解答があいまい

今回は講演会の参加が目的でもあったので、メモは「ペンも可能か」を事前に伺いました。「受付に聞かないとわからない」というお返事で、それ以上、調べてお答えいただくことはできませんでした。「念のため鉛筆を持参して、入館の時に受付でご確認下さい」とのことでした。また、この時に、講演会のメモはしてもいいけども、展示室内はNGというお話でした。実際に行ってみると、メモはできることがわかりました。

 

簡単な問い合わせに対して、正しいお答えがいただけなかったり、確認して答えるという基本的なことが徹底されていないように感じられました。

 

後日、「鉛筆の貸し出しはしていない」と聞いていたのですが、言えば貸していただけるとのことでした。

 

 

〇ブランケットの貸し出しは?

ブランケットの貸し出しはないそうです。(足湯にはあります)もし寒いようでしたら、受付に申し出れば館内の空調の調整をしていただけるそうです。

 

作品の影響は大丈夫なのかしら? 一人の声が全体の空調を変えてしまうの? と思ったのですが、作品へは影響のない範囲で行われ、フロアごとに調整されるそうです。スタッフも巡回しているので、それらのチェックも鑑みながら調整されるようです。

 

夏などは、ストールを、用意をしていった方がいいかもしれません。

 

 

 

■飲食について【ランチ(開花亭)・カフェ・飲み物・自動販売機】

〇飲み物について(自動販売機・カフェ)

館内に自販機はありません。飲みものは美術館のカフェからオーダーしなければいけません。外で飲食は可能なので、ペットボトルを用意して持ち込むとよいです。ただし、館内に持ち込めませんので、ロッカーに預けることになります。

 

 

ウォーターサーバー

5階ウォーターサーバーがありました。

 

館内での水分補給は、5階にウォーターサーバーが設置されています。「自販機などの飲み物はありませんか?」と伺った時、ウォーターサーバーが設置されているというご案内はしていただけませんでした。ちょっと不親切では? と思ってしまいました。

 

これから夏に向けて水分補給なども必要になってきます。館内のどこかで水分補給のできる場所が欲しいと思います。1階にそのような場所があったので解放していただけるとよいと思ったのですが・・・ 空港と同じセキュリティーを導入していることを考えると、ペットボトルを館内で飲むことは、かなわないということなのかもしれません。

 

そのためのウォーターサーバーでもあると思うので、飲み物の問い合わせに対しては、ご案内を徹底していただけたらと思いました。

 

 

〇ランチについて(開花亭・お弁当・持ち込み)

「開花亭」がお食事どころですが、講演会のある時などは、人数も制限されるため、待ち時間も長くなる可能性があること。お弁当の販売もあるようですが、売り切れも早いようです。再入館は可能なので、外の小涌園ユネッサンなどを利用することもできると伺っていました。しかし、午前中にギャラリートークがあって、午後からまた講演会・・となると、ゆっくり外で食事をする時間もありません。

 

持ち込み可能なのか事前に確認したところ、館内はNGですが、外でならOKだそうです。あらかじめお弁当、おにぎり、パンなどを用意して、外で食べるのも一案です。近くにセブンイレブンなどもありました。

 

お食事は、限定のお弁当などがありおいしそうでした。でもやはり高いです。とにかくなんでもかんでも高い! という印象・・・(笑) 

 

 

■作品リスト・常設展展示替えについて・・・・

〇HPにて公開

作品リストを目にしなかったので、帰りに伺うと、制作していないとのことでした。近々、HPで公開するのでそれを御覧下さいとのこと。う~ん・・・この値段なのに、作品リストを作らないんだ・・・とちょっと不満。 

 

〇企画展のリストはあり

あとで確認をしたところ、リストは用意されていて、自由に持ち帰るようになっていたそうです。それに気づけなかったみたいでした。

 

しかし、「作品リストは?」と伺った時に「制作していない」とお答えが返ってきてしまうのは謎です。

 

後日談:作品リストがあることがわかったので、送っていただくようお願いしたのですが、送られてきたのはフライヤーでした。「作品リスト」と「チラシの」区別がつかないのかと思ってしまいました。(PDFでHPに掲されると伺ったことも伝えたのですが)このような求人情報をあちこちで目にもしていたので、なかなか人が集まりにくいのかなぁ・・・と思っていました。企画展では作品リストは作成され、入り口に置かれていることがわかりました。ただ、ガレ展の場合、遅れてしまったということのようです。

 

企画展では、作品リストは制作され、HPでも公開されているそうです。今回は、それが間に合わず、現在、用意ができていないということのようでした。

 

〇常設展の展示替えとリスト

常設展については、半年に1回ほどの大きな展示替えがあるそうです。絵の部分は季節に応じて展示替えがされ、陶器は新しいものが入ったりすると入れ替えが行わているそう。作品の情報は、HP上で公開されるとのことでした。

 

 

 

■アクセス

〇電車の場合

小田原、もしくは箱根湯本よりバスで「小涌園前というルートになります。小田原からバスで40分ほどかかります。

 

友人が帰りは、小田原まで行くと、バスルートは混雑するかと思い、箱根湯本で乗り換えをしようとしたそうです。すると「バスの運転手さんに、小田原までなら、この時間、バスの方が早いですよ」と教えていただき、とても早く着いたと言っていました。

 

箱根のバスは総じて、バスの運転手さんの案内がとても細やかです。外国の方にも、短い時間で運行に妨げにならないよう適格にご案内されています。乗車するときに、必ず行先に行くバスかどうかの確認をすると、丁寧に教えていただけます。

 

〇バスルート ・・・ちょっと穴場ルート

・新宿バスタから高速バスを利用する方法です。

   箱根線(新宿-御殿場・箱根)|小田急箱根高速バス を利用。

 

*新宿バスタ ⇒ 仙郷楼前(約2時間)¥1900(小田急バス) 往復割引あり 

*仙郷楼前 ⇒ 小涌園  (約30分)  ¥430(施設めぐりバス )

 

新宿から座席が確保され、バスにゆられてゆったり移動できます。

帰りは、休日だと東名高速はかなり渋滞しますが、一度、バスの乗り換えをすれば、ノンストップで寝ながら新宿まで直行。

仙郷楼⇔小涌園の「施設めぐりバス」も休日でしたが座ることができました。

 

〇施設めぐりバスについて

施設めぐりバスは、小涌園」と「湿性花園」を往復するバスです。帰りは小涌園が起点となります。バス停は、来るときに降りた車線と反対側の車線のバス停になります。

 

(帰りのバスの乗車位置についても、何度聞いても、来るときに降りたバス停と同じ場所同じ車線から乗車とする説明され、腑に落ちませんでした。バスは一方向からしか出ていないという説明だったので、下りたバス停と同じバス停から発着するという説明でした。「施設めぐりバス」なので一方向だけで周回していると理解し、下りたバス停と同じところから乗車をしようと待っていたのですが、反対車線には、同じバス会社のバス停が見えるのです。到着したバスの運転手さんに確認したら、やはり反対車線だったことがわかりました。
 また、示された時刻表が、事前に調べていったものと違っており、私が見間違えたのだと思い、提示された時間に合わせて館をでました。すると提示された時刻表が違っていたことがわかりました)

 

 

■足湯について

〇利用料

足湯は入館者は無料で利用できます。足湯のみは500円です。

 

〇タオル 利用のワンポイント

足湯を利用する場合は、タオルの用意がないので(販売しているという話もあります)、持参する必要があります。また女性の場合は、ストッキングを着用していると利用できないので、注意が必要です。スパッツやレギンスで・・・・

 

訪れた日は寒かったのスパッツを・・・と思ったのですがみあたらず断念しました。友人は、ストッキング切って着用し、足湯を利用していました。寒い日は、足の保温で体があたたまりますが、真冬は寒くて、足湯につかっていられないようです。(ブランケットの貸し出しはあるそうです。)逆に真夏も暑くて厳しいかもしれません。これからの季節は、紫外線対策も必要かな?

 

〇飲食

カフェを頼むことはできるようですが、ここでの飲食は禁止のようです。

 

 

 

■作品について(企画展:魅惑のガラス ガレドーム展)

今回、ガレとドームの作品展でしたが、その収蔵品の質たるや・・・・

しかも、これらの作品は個人で楽しんでいたものだというのですから驚きです。 

 

国賓の贈答品レベルの作品

フランスの国王に渡すために作られたという《麦穂文花器》 国賓へのお土産レベルという作品。鈴木先生が、「これまで文献で見て、このようなものがあるとは知っていたけども、それがどこにあるかはあるかわからなかった。まさかここでお目にかかるとは!」そんな驚きの作品が何点もあったと言います。

 

 

〇工房作品も一級品

ガレの死後の工房作品は、生前のものと比べて技術的に劣ってしまいます。しかし、岡田美術館に揃えられているものは、その中の一級品ばかりが揃えられています。私が見ても、これまで見てきた工房作品とは一線を画すものであることがはっきりわかりました。一般的にデパートの上顧客向けに流通する作品とも一線を画すものでした。

 

〇ドームも一級品 

ガレとドームは並び称されますが、女性に人気があるのはドームと言われています。個人的には、ガレの方が好きで、ドームはガレの二番煎じ・・・・のように感じていました。ところがここに集められたドームは、一目の作品ばかりでした。ドームに対して失礼ですが、こんな作品も作ることができたのね・・・・と思ってしまうほどのものが集まっています。

 

 

〇お宝ザクザクの個人コレクションのすばらしさ 

岡田氏が個人的に楽しむために集めたガレのコレクションは、気づけば120点。他にシャガールなども集めていらっしゃるそうです。小林館長のお話によると、それらも展示したいということを、ずっと言われてきたそうです。しかし、岡田美術館は、あくまで東洋の美術館というコンセプトなのでOKがでなかったそうです。今回、やっと展示できることになったと言います。

 

〇ガレの第一人者 鈴木先生もうなるラインナップ

これらの作品を、個人で楽しんでいたということに驚きを隠せません。岡田美術館の学芸員は専門が違うので、作品の評価はガレの専門家、鈴木先生に鑑定も含め依頼。展示は照明に凝り、作品の傾向、技術などの監修をいただいたとのこと。

 

ガレを扱う美術館の作品のほぼすべてを御覧になり把握されていらっしゃるとおっしゃる鈴木先生。その鈴木先生をしても、驚いたという作品群が、個人所有というのですから・・・・ 講演会に申し込んだ時は、先生によるギャラリートークの案内はありませんでした。急きょ、決まったようです。

おそらく、作品のすばらしさに当てられた先生が、ぜひとも、そのすばらしさを見る人に伝えたいという思いで、申し出られたのでは? と推測しております。それくらい、熱のこもったトークで、次から次に紹介される作品は、一つでも多くの作品のよさを伝えたいという思いの現れだったように感じられました。

しかし、日本にはこうした表に現れない、個人コレクターの作品がかなりあるのだそうです。この岡田美術館にも、ガレに限らないその他のお宝が、どれだけ眠っているのか? と想像させられるお話です。

 

〇マニラに美術館建設?

そんなお宝のガレ作品は、マニラに作る美術館に行ってしまうとのこと。重ね重ね残念です。鈴木先生も非常に惜しまれていました。しかし、今、ここで、見ることができたのは、不幸中の幸いだったかもしれません(笑)

 

きっとまた、節目の時などは、マニラの美術館から貸し出がされて、再会できることに期待したいと思います。

 

ガレ好きの方は、この機会をぜひ見逃さずに御覧になることをお勧めします。

 

 

■オーナー岡田和生氏について

そんなオーナーの岡田和夫氏とはいかなる人物なのか・・・ wikipedhiaには情報がありません。

spysee.jp

 

 

〇真贋の目はどこから?

これまでもガレ展は、何度となく見ていて、それぞれに驚いたり感心したりしてきました。しかし、ここにはそれ以上の作品が、個人の楽しみとして所有されていたのです。購入するにあたり、誰も知らない、認めていない、評価をしていない作品です。また、本物かどうかもわからない価値をどうやって判断し、手に入れる決断をしたのかが気になっていました。きっと、ブレインになる方もいらっしゃるとは思うのですが・・・・

 

鈴木先生の開催のあいさつに次のように書かれていました。

いかにもアールヌーボーらしい艶美な作品ばかりでなく、一見地味ながら光のあてかたによってガラス地の変化に富んだ色あいが浮かびあがるという技巧の粋をこらした作品を含んでおり、エンジニアとして大企業を育て上げてきた岡田氏ならではの玄人的とも言える審美眼。フランス元首への献上品として別格のステータスが認められ、美術的、歴史的にも高く評価される逸品が含まれる蒐集家としての目の高さがが伺えると・・・ 

 

 この解説によると「岡田氏=エンジニア」となっています。パチンコ業界の方・・・ と思っていたのですが、改めて調べてみると、会社は「パチンコ・スロット機器製造」を手掛ける会社の会長だそう。パチンコ店の経営側かと思っていたのですが、どうやら技術開発をする会社らしいことがわかりました。

 

〇ユニバーサルエンターテイメント(wikipedhiaより)

エンターテイメント業界自体にも強みがあり、映画・格闘技などのイベント主催・協賛などを数多く行っているとのこと。機械技術畑の方・・・ということでエンジニアだったのだということが分かっていろいろなことが理解できた気がしました。あのセキュリティーチェックや、各フロアの厳重な扉。それらは、技術屋さんのた血だったのかも・・・なんて思いながら、さらに真空管エンジニアだったこともわかりました。

 

これでやっとつながった気がしました。人のベースがどこにあるかによって、人の思考や嗜好が形成されると思っていたのですが、パチンコと美術がどうつながっているのかが、これまでよくわかりませんでした。技術者の目が美術をとらえた・・・・と考えるたらわかる気がしました。

 

〇技術者の目

 自然科学を学んだ人は、美術作品を見る時に、物質の性質組成や構造というところに着目するのだと思いました。エンジニアだった岡田氏も、作品を見る上で、それが何でできていて、どのように作られたのか・・・というところに着目されていたのではないかと想像しました。そうした見方によって、本物を見極めることができる真贋の目を養うことができたのではないかと・・・ 何でできているのか、どう作られているのか・・・を見ていくと、他とは違う何かをこの作品は持っている。そんなふうにモノを見ることができたのではないでしょうか?

 

 

■マニラに美術館を建設!?

〇なぜマニラに美術館?

ガレの作品がマニラに作る美術館へ・・・・ それはなぜゆえに? と思いながら聞いていたのですが、調べてみると、なるほど・・・・とつながっていきます。

パチンコ業界だけでなく、カジノにも事業を広めているそうです。日本での実現が難しいということで、マニラで事業展開をするという情報がありました。その参入するにあたっての、プラスαの信頼なども必要だったのかな? とか・・・・ 海外では、経営や研究など、美術的な素養があるかどうかで、成功につながるということがあると聞きます。

 

美術展を見ていたらそこから、経済や国家間の駆け引きまで見えてしまうといのは面白いと思いました。下記にいろいろ情報があります。

 

 

〇関連情報

 ◎朝日新聞「驚きの敗訴」で見えたカジノビジネスの「光と闇」(北島 純) | 現代ビジネス | 講談社(1/5)

【フィリピン政府関係者に対する「接待」と不明朗な「巨額送金」が行われたのではないか】と報じた朝日新聞が、まさかの裁判に負けました。その裏には日米のカジノ紛争があったと・・・・

 

日本のパチンコ王がフィリピンで巨大カジノ建設に挑戦したら、大変なことになってしまった。英紙の独占インタビュー! | クーリエ・ジャポン

>大のマスコミ嫌いとして知られるこの人物が、珍しく英紙「フィナンシャル・タイムス」の取材に答えた。

   ⇒情報があまりないのは、そのせいなのかと・・・

 

日米カジノ王の「離婚劇」、泥沼化の顛末 

こちらの記事に「元真空管エンジニア」であることが記載
この情報、「消息筋によると・・・」ばかりで大丈夫か?(笑)って思うもの、真空管エンジニアだったという話は、他ではみかけない話でした。

 

「パチンコ王・岡田」の美術館を覗きにいった:日経ビジネスDigital

 

〇美術館から世界が見える? 

その世界では有名な人物・・・

長者番付でトップになったこともある。米誌『フォーブス』にも紹介された。それなのに私たちは、その名前を知らない・・・・ wikipedhiaにも名が掲載されていないという謎。マスコミ嫌いだから情報が集まらないということなのでしょうか?

 

いずれにしても、今の社会で芸術品をコレクトして維持できる人、企業が少ないことを考えたら一つの社会貢献と捉えることもできます。

 

 

■感想

〇作品とサービスのギャップ

作品については、ガラス作品だけでなく他の作品も見ごたえがありました。その部分では2800円の価値はあると思われます。作品の状態もとてもよく、それらを維持管理することへのコストとも考えられます。作品の部分では、とても満足できました。

(ただ、この値段をとるわけですから、そんなことは、当たり前と言ってもいいような気もしてきました。価格の価値は、そこにどんな付加価値があるか・・・・)

と考えると、美術館利用の基本的な案内が、「全く徹底されていない」といわざる得ないことが、その後も、ぽろぽろ出てきてしまいました。特別なことを聞いているのではなく、通常利用にかかわる問い合わせに対して、二転三転のお答えが出てきてしまうことについて、唖然とさせられてしまいました。基本情報に対する案内の徹底を望むとともに、設備や備品についても、通常の美術館が行っているサービスについては、最低限、検討していただきたいと思います。時刻表などもプリントしている美術館もあります。シートで見せるだけでなく、プリントしたものを手元で見ることができるようにを用意していただきたいと思いました。

館内で携帯が使えないため、帰りのバスの時刻など調べることができません。そのようなことをふまえたサービスのフォローをお願いしたいと思うのでした。

 

 

〇リゾート開発業者の共通した傾向?

作品は充実しているので、満足はできても、サービス面でいろいろ思うところがあると、十分な満足感にはつながりません。入館料、2800円は果たして高いのかどうか・・・・ 作品は満足できるけども、それに付随する基本のサービスが伴っていないと感じさせられます。

こことよく似た印象を受けた場所があったなぁ・・・と思っていたのですが、星野リゾートと同じだと思いました。基本料金が高いうえに、全てが追加、追加で、トータルするとかなりの出費になります。ホスピタリティーをうたってはいるのですが、現場がそれに追いつけているとは思えない対応です。またターゲットが、世界の富裕層に向けているというのも同じでは?と思いました。

岡田美術館の「世界への発信」という基本理念。それは、世界の「富裕層」への発信ということのように感じさせられました。解説パネルも、4か国が用意されています。高い、高いと騒ぐ日本人は、置いといて・・・・ この価格にあれこれ言う利用者は相手にしてないような・・・(笑)

 

 

〇利用者の満足は・・・

ラリック美術館のように全体としては、高額になったとしも、トータルな満足が得られるならそれも厭いません。不満を感じてしまったのは、美術館としてどこも行っているサービスをカットしてしまっているのは、いかに経費を削減するかを考えた結果のように見えてしまいます。

 

それでも私は、また、「聞きたい講演」「興味のある展示」が重なれば行きたいと思っています。しかし友人は、もう二度と行かない・・・とまでいうほど、対応に落胆していました。せっかくの優れた作品があるのに接客が台無しにしている・・・ しかも、オーナーの作品に対する愛情を感じられない。お金に糸目をつけず、いいものがあれば購入して集まっただけに感じる。とかなり手厳しい評価でした。

 

 

〇エンジニアの感性に期待

私は、岡田氏がパチンコ業界の方で、ちまたではいろいろに言われてはいるけども、根の部分では技術屋さん、エンジニアだったというところで、どこか、共感するものを感じていました。

ガレの作品について、私は作品の造形が好きなわけでなく、その技法に興味を持ちました。美術作品がどうやって作られるのか・・・・ に着目した時、そこに化学の要素が見つかると、関心はより高ります。化学反応をこのような造形に作りあげ芸術作品にできてしまうこと。その出来上がったものが好きか嫌いかは別として、化学の反応をそういうものに昇華してしまったことに、畏敬の念を抱きます。

 

東洋美術を中心に蒐集していた岡田氏が「なぜ、ガラス?」「ガレ?」と思ってしまうのですが、氏が作品を見た時に、元来流れているエンジニアの血に火がついたのではないかと想像していました。

そうして他のジャンルのものを見る目が、ジャンルの枠を超えた蒐集になったのだと理解していたのです。

 

 

〇今後の期待

しかし、これだけの広範の蒐集は、一貫性がなくオーナーの趣味性、嗜好が全く感じられず、金にものを言わせて購入したものという声もあるようです。また節税対策では? といった声も・・・・ 「多岐に渡る造形の深さ」と理解するにはあまりに広すぎると言えるかもしれません。掘り出し物、珍しいもの、希少価値があるものであれば、何でも手に入れてしまった結果なのか・・・・・

 

そんなことも含めて、機会があればまた訪れてみたいと思うのでした。

過去の岡田美術館の様子を見るといろいろ、改善されたり、変わったりしている部分もいっぱいあるようです。せめてどこの美術館でも行っている基本的のサービスは、取り入れていただきたいと思うのでした。寒さ対策のブランケットのご用意などはあるのでしょうか? この状況から考えるとなさそうな気がしてしまいます。(やはりないことがわかりました)

 

ターゲットが世界の富裕層だとしても、最低限の日本のおもてなしの心は大事? (笑)

 

 

ただ手広く海外に向けて事業を展開。いろいろ摩擦もあり、危機管理意識も日本のそれとは違うのかもしれません。今は、オーバースペックに感じられるかもしれませんが、想定外の事態に備えておくという意味では、一歩進んだ美術館と言えるのかもしれないと思えてきました。安全確保は最大のおもてなしともいえるかもしれません。

 

 

 

注:写真の(※)については自分で撮影したものです。