コロコロのアート 見て歩記&調べ歩記

美術鑑賞を通して感じたこと、考えたこと、調べたことを、過去と繋げて追記したりして変化を楽しむブログ 一枚の絵を深堀したり・・・ 

■フェルメール展2018:混雑状況は? 回避対策は? レポートしました

■追記:2018.10.10 ←追記しました(クリックで見ることができます)
■関連情報             ←実際に行った人の情報のリスト

 

 

 

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■1回の予約は何人? 

今回の「日時指定入場」。時間通りに行くと、長い行列ができており結構、待つことになります。どれくらいの人数を予約として入れているのでしょうか?

スタッフの方に伺ってみました。人数は知らされていないのだそうです。どうやら公開されていないようなのです。 

 

 

 

■予約は目的の時間を前倒しで

もし「15:00~」の回に予約したいと思ったら、その前の回「13:00~14:30」の回で予約します。15:00~の回に行くつもりなのですが、30分早めの到着を心がけます。そんな感じで行くと、空いた状態で多分入館できるはず。

ただし、この場合は、30分早めに到着することが厳守となります。いつも、時間より早めに行動する習慣のある方にはおすすめ。ギリギリにならないと行動しない人はちょっと危険かもしれません。

 

 

■停滞時間はどれくらい?

入館時間は決まっていますが、退館時間は決められていません。だったら、午前中に入って、粘りに粘って閉館までいた方がお得と思ってしまいます。予約も午前中に集中したしまうのでは?と当初、思っていました。

大体、どれくらいでみなさん出てくるのでしょうか?(私の場合は、もったいない病が出てしまうので、午前中に入って閉館までいるというのはよくあります。自分の感覚では、一般的な鑑賞時間というのがよくわかりません。)

デュシャン展の講演会の入館で一緒に並んでいた方が、フェルメール展に前日行ったとのことでした。あれこれお話を伺いました。

50点しかないので、1時間もあれば見れてしまうとのこと。どんなに長くいたとしても、会場が狭く、点数も点数なので、長居できる展示ではないとのことでした。個人差もあるでしょうか長くて2時間ぐらいでしょうか?

 

■人の流れの波があるのでそれをとらえる

ほぼ一日、美術館にいることが多いので、全体の流れを見ていると、どんなに混雑していても、人の流れというのは緩和されるタイミングがあります。混雑している場所は、そこは避け、他を見て、ちょっと様子を見に戻る。ダメならまた別の場所。それを繰り返していたら、必ず空くタイミングというのがあるものです。そこをうまくキャッチすれば、比較的、よい状況で見ることができます。

 

 

■立ち止まって列を流す

2列、3列に囲いができたら、じっと後ろで待ってます。前方の列は少しずつですが流れていきます。この流れは、途中、必ず間隙ができます。そしたらそこに入れば、次第に前列に進むことができます。この時、すかさず動かないこと。ゆっくりさりげなく(笑)周りの人に、横入りしたと思われないような自然な動きで・・・・

 

順番に見る必要はないと言われているので、これは横入りではないはず。しかし順番に並ぶことが染みついている日本人。これを快く思わない方が、アンケートをとると結構、いらっしゃいます。

逆順に見ることも、NGではないのですが、逆走する人がいる。と顰蹙行為に感じている方も比較的多いようです。目立つ動きをしないようにしながら見ることも大事かも。

 

 

■鑑賞のシステムと人の流れを想像して裏をかく

攻略法は、一気に広がります。広がってしまうとそれは攻略ではなくります。そんなわけで、システムを理解し、それを元に人が考えそうなことを想像。その上で裏をかくことがポイントではないでしょうか?

また、自分が考えるようなことは、ちょっと考える人なら、だれでも思いつくことです。その裏まで読もうとすると、どうすればいいのかわからなくなってしまうのですが…

(今回は予約なので天気などはそれほど関係がありませんが、雨が降れば空いてるはずと考えるのは、誰でも同じ。そのため、逆に混んでしまうということもありました。)

 

 

 

■鑑賞法について

以下は鑑賞方法について、こんなふうに見たらどうでしょうか?という紹介です。

 

〇音声ガイド嫌いの方も

音声ガイドがあると、見方を制限されるのでいつもは聞かないという方もいらっしゃいます。今回はもれなくついてくるので、とりあえず借りておいてもいいのではないでしょうか?最初は聞かずに見ればいいわけですから。もう一度、音声ガイドを聞きながら一巡してみます。

もしかしたら、「へ~」と思うことがあるかもしれません。やっぱり耳障りと思ったら、やめてしまえばいいので。いずれにしても、借りておいてもいいのではないでしょうか?

  

〇全てがフェルメール作品だと思って見る

今回、現存する35点のフェルメール作品のうちの8点が展示されています。フェルメールルームという最後のブースです。この部屋に展示された作品の他の章の作品、これらも全てがフェルメールの作品だと思いながら鑑賞すると、意外と楽しめました。

こんな絵も描いたんだ・・・・ この人物画はどうも、ぽくない。上手じゃない。でも、フェルメールはこんな表現もあえてしていたんだ・・・・ みたいに。

 

実はこれ、何を勘違いしたのか、フェルメールルーム以外の作品も、フェルメール作品だと思ってしまったんです。観ながらおかしいな・・・・ 作品は35点のはずなのになんでこんなにあるんだろう。35点っていうのは、何か条件付きの35点ってことを見逃してしまったんだ。それはなんだったんだろうと、あれこれ想像を巡らせていたのでした。

 

美術の鑑賞法として、以前、上野の森美術館では、怖い絵展で、知識があるとより理解ができるし楽しめるという展示がありました。今回、同じ場所で、知識がないために、妙な勘違いがおき、それによって面白い想像をしながら鑑賞するという体験をしたのでした。

 

フェルメールの現存作品は少ないことは知っているのです。そして「〇〇展」と銘打っても、その作品は数点しかないことが多いということも認識しているはずなのに、なんでそんな勘違いをしてしまったのかなぁ‥‥と考えていました。

 

理由がわかりました。「藤田嗣治」展で、生涯の画業を縦断して見ました。そしてデュシャン展でも、若い時から晩年の作品を通観しました。その流れのあとだったため、なぜかフェルメールも、全点フェルメール作品だという錯覚にな陥ってしまったようです。

 

レンブランドみたいな絵をフェルメールは描いていたんだ…

・こんな風景画も描いた・・・・

・洗礼者ヨハネの首も描いてる! 
 宗教画は初期に練習で描いたというからこれは初期の作品?

・ゴシックのドーム建築、幾何学的な絵も描いている。

・うさぎのモフモフ表現すご~い  毛描みたい 細密描写もしていたんだ

・この少女の顔、フェル―メールが描いたの?
 こういう描き方もあえてするわけね

・いわゆるフェルメールの構図で人物配置の絵が展示されています。
 なのに、この2作品は、フェルメールルームに入れてもらえません。
 何か理由があるのでしょうか? まだ認定されていないとか?

 

次第に、さすがにこれはなんかへんだぞ・・・・って思いだしたのでした。

 

予備知識がないと、こんな楽しみ方も生まれます(笑)

  

〇リコーの複製画も要チェック

ミュージアムショップにある《牛乳を注ぐ女》 こちらも必見。触ることができるので女性がまとった青い布や、クロスのひび割れ状態が手にとるようにわかります。そしてミルク色の壁のつるつるさ。

 

「さわれる複製画」として登場。この色の盛り上がりは、日本画胡粉の盛り上げのように、インクを使っています。それはカラーインクではなく盛り上げ用のインクで、その上から彩色をしているのだそう。

もし、これがあの展示室の中に飾られていたとしたら、自分は複製画であることを見抜けるか?そんな視点で見てみるのも面白いと思います。

画像をスキャンするのに確か2時間、印刷するのに3日かかったそう(ちょっと不確かですが…)通常は20万円以上、するらしいですが、今回、特別価格、10万を切って販売されるそうです。

 

ぜひ、帰りに、ひと撫でして《牛乳を注ぐ女》の感触も体感してみて下さい。

 

ミュージアムショップにはマグネットなど各種ありますが、「前売日時指定券」を10月14日までに購入すると、特製マグネット付ブックマーク(栞のようなもの)がついているのだそう。しかし栞にしてはサイズが微妙で、マグネットはどのように使ったらいいのかよくわからない。他に使い方があるのかしら?とゲットされた方が話されていました。

 

 

■おすすめミュージアムグッズ

様々なオリジナルグッズも取り揃えられておりますが、会場で伺ったおすすめは、牛乳パック型のパッケージに入った「ミルクキャンディー」。そして、ゴンチャロフのチョコレート。横長のカンに入っています。ゴンチャロフは、神戸異人館のある北野町にチョコレート工房を大正時代に開業したお店です。

 

 

■追記:2018.10.10

〇 1回の人数聞いてみました

1回につき、何人かは日によって、時間によって調整されているとのこと。悪天候で予約をキャンセルする人が多くなったりすると、当日枠が増えたりとかするのかもしれません。

 

〇午前から閉館まで滞在可能? お昼は?

午前から入館し、しっかり午後まで居座るぞ!と思った時、ランチはどうなるのでしょうか?当然、外に出たら入館はできません。美術館内のカフェがあるから… と思ったら、フェルメール期間中のカフェはクローズなのだそう。

自前で持って行って食べるところはありません。朝から空腹を押して居続けることができる人はそう多くはいないはず。必然的に、回転するようになっているみたいです。

 

ミュージアムショップから館内には入れません

一度、会場からミュージアムショップに出てしまうと戻ることができないので注意が必要です。比較的、戻ることができる美術館が多いのでご注意あれ。出口のところに、インフォメーションはされているそうですが、見逃さないように。

 

〇逆回りはマナー違反ではありません

鑑賞のコツに、空いているところから見る。逆回りで見るということが言われます。ところが、順番に並んで見ることが常識と考える方も多く、そのような見方をマナー違反ととらえている声を会場で耳にしたり、ブログやtwitterで見かけることもあります。

美術館に問い合わせてみました。決してマナー違反ではないとおっしゃっていました。空いているところから、自由にご覧になって下さいとのこと。

ということで、大手を振って逆回りはしてもよいわけです。ただ、それを快く思っていない人もいるということは頭の隅に置いて、行動しておいた方がよさそです。

 

〇2500円の入館料は高い?

待たずに鑑賞できる(らしい)という保証が2500円。これを高いと見るか安いと見るかは、それぞれの価値観になります。35点のフェルメール作品の8点を、海外に行かずにこの場所で見ることができる。と考えたら、2500円なんて安い、安いという考え方もあるようです。

またこの中に音声ガイドが含まれていると考えたら… 音声ガイドの料金は、最近はたいてい540円。中には600円というところもあります。今回は特別なフェルメール展の音声ガイドなので、600円と想定すると、入館料は1900円です。ポーラ美術館の入館料は1800円。最近はちょっと気合の入った美術展となると1800円という価格はよくありがちです。

ということは、100~200円が、並ばずにすむたための上乗せ価格と考えたら、そんなにバカ高い入館料というわけでもないように感じられてきます。

 

 

〇見る人によって見出す価値が違うフェルメール

「見ることに意義ある」と思える方には、8/35の作品を、目にできるだけで大きな意味を持つ作品展となるでしょう。混雑緩和対策がいろいろなされていますが、まだ少し混乱もあるようです。しかし、もうしばらくすればおちついてくるのではないでしょうか?

並ぶこともイベント。フェルメールを苦労して見たというのも、のちのちの思い出となって、記憶に深く焼き付いてくれるのではないでしょうか? 

もれなくついてくる音声ガイドも、石原さとみさんのファンだったら垂涎ものでしょう。一方、自分のぺースで見たいから邪魔という人もいるかもしれません。音声ガイドも、ハンドブックも私はうれしい配慮と思いました。(会場ではハンドブックを見る余裕がなく見れませんでしたがあとから思いだすのに便利)

しかし、これを作品の前で読む人が多くなると、余計に停滞すると感じている方もいらっしゃるようです。

ハンドブックは目の前で読まなくてもいいわけです。作品とは別の場所で文字だけ見て、自分でイメージしてから作品と向き合ってもいいですし、その逆に、まずは自分で見てから、作品から離れて解説を読んでもいいわけです。それぞれに、工夫しながら、マイナスもプラスに変換して、いろんなフェルメールとの向き合い方を見つけて、楽しんじゃうのがいいですよね。

 

■関連情報

*開催前の予測情報でなく、実際に購入したり、開催後行った方の情報

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