コロコロのアート 見て歩記&調べ歩記

美術鑑賞を通して感じたこと、考えたこと、調べたことを、過去と繋げて追記したりして変化を楽しむブログ 一枚の絵を深堀したり・・・ 

■国宝展:3期始まる! 2期とは違う人の流れの変化をつかんで混雑を回避

国宝展、2期と3期を見てきました。2期最終日(29日)に出発。2泊3日ででかければ、一粒で2度おいしいことに気づきました。翌日、展示替えの休館日(30日)は、建仁寺大徳寺など展示関連施設を見学。出会った人たちから情報を得ながら充実の3日間。鑑賞のポイントなど紹介します。

 

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■国宝展の旅計画 

今年の国宝展、やっぱり行こう! と決めたのは9月。見たいものは決まっていて風神雷神図屏風》と《松林図屏風》狙い。これらの展示は、2期と3期にまたがってしまいます。両方見たい! でも旅費が・・・・ いついけるかな? 宿泊をしようか? 日帰りで決行するか?  あれこれ考えていたら‥‥‥

 

2期の最終日が10月29日。3期開始は10月31日。中1日で展示替えなんです。

ということは、1泊増やすだけで2期と3期の展示を見ることができてしまうのでした。

 

ということは、次は3期 4期の切り替え、11/12~11/14がねらい目?

 

 

〇国宝展に向けての準備

京博の問い合わせのついでに混雑の予測情報などを聞いていました。すると作品リスト、送りましょうか? と言っていただけて、そんなことまで京博はしているの?! とびっくり。送られてきたシートの、2期と3期に見ることができる作品。重なっているものをチェック。するとほとんど展示替えで入れ替わることがわかりました。

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こちらは館内でもらったリスト 

 

作品名を見ただけではわからなので、事前に東博で図録販売がないかチェックしました。会期が終わってからあまれば販売されるとのこと。事前ゲットはできませんでした。

 

「ニッポンの国宝100」を買って、その他にも国宝からみの書籍を物色。いろいろありますが、自分が行く「時期」と「出展作品」の関係がわかりにくいのです。

ところがブルータスの「国宝」はいつ行くか・・・・によって何を見ることができるかが、わかりやすい編集になっていたのでこちらを購入することに。

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ところが買って満足しているだけで見てはいませんでした。 

行きの新幹線内で2期、3期に見ることができるものをマーカーで色分け。今回、格安ツアーのため、新幹線は「ひかり」 所要時間がかなりあるので、予習にあてることができました。こちらはミニブックがあるので携帯にも便利です。

 

ミニブックの解説はこんなに丁寧 2期、3期の展示の違いも明確

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こちらは本誌

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2期をブルー 3期を黄色 共通で見ることができるものは青と黄色で分けて、一目できる状態に。 コーナーごとに分かれているので、ここで今、見るべきものは…とチェックができます。(実際は、そんなことしてられませんでした。休憩時に見逃しないか冊子を見てチェックする感じ)

 

 

大徳寺曜変天目茶碗が展示の吉報

さらに吉報が! 大徳寺曜変天目が出品されるという情報が入ってきました。! それはいつなの?(2期、3期であってほしい!) という思いが通じたのか2期に展示とのことでした。

 

 

■混雑を避けるための対策

混雑を知らせるtwitterはこちら ⇒ 京都国立博物館 (@kyohaku_gallery) | Twitter

〇3期が始まって混雑状況が変化

混雑の状況を伝えるtwitterからは、朝からかなり、並んでいることがわかります。

同じ時間を並ぶなら、開館前に並んで、人の少ない館内を見ることができるのを選ぶか・・・ あるいは、年寄は朝が早いから・・・なんて言う人も(笑) 

一方、人は多いけども、午後になれば少し並びは緩和されます。午後を狙うか・・・ これは混雑している企画展の鑑賞セオリーのようになってきています。

 

◎2期最終日(10/29)(日) 雨天の並び

10:00・・・・・80分
10:31・・・・・70 分
12:30・・・・・70分
13:05・・・・・50分
13:55・・・・・30分
15:07・・・・・20分
15:42・・・・・30分
15:47・・・・・0分

 

この日は、土砂降りの雨でした。最近の傾向は雨でも人は減らない。雨だから空いてるかも‥‥と繰り出す人も多いようで返って混雑したり。ましてこの日は、最終日で日曜。これまで公開されたことのない大徳寺曜変天目の展示の最終日です。雨なんて関係がないのです。

 

12:10頃 雨の中長蛇の列

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中もこんな状態

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館内に入るあたり    

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14:20頃              16:20頃   

 

 

◎3期開始(10/31)火

10:00・・・・・70分
10:28・・・・・50 分
11:00・・・・・40分
12:00・・・・・50分
12:15・・・・・30分
13:10・・・・・50分
13:55・・・・・20分
13:30・・・・・10分
14:47・・・・・0分

 

朝の並びは同じ状況、昼に向けて少なくなっていくのも同じ。ところが、13:30になると10分! これってどうことなんでしょう?

 

 

〇朝の混雑回避案

待ち時間は、twitterで逐一、情報が入ってきます。(⇒京都国立博物館 (@kyohaku_gallery) | Twitter)待ち時間がが変化するとアップされるようなので、アップがなければ同じ状況と考えてよさそうです。

 

私の計画は、午前中は、三十三間堂の見学、宗達が参考にしたと言われる、風神雷神像を見る。そしてこの旅行の途中で教えていただいた、知積院に等伯の障壁画があるということで、そちらも様子を見て訪問することに。

 

29日は激しい雨だったのでしかたなく70分並びました。30日は、8:00から拝観が可能なので三十三間堂・・・・  開館前の京博の並びの様子をチェックしてみると・・・

 

3期初日(10/30) 開館前の行列 8:10頃

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8:10 開館(9:30)の1時間半前でこんな感じです。

 

三十三間堂

私はこの列を横目に三十三間堂へ向かいます。 

 

見学中は携帯を出せないので情報確認はできません。見学を終えて確認すると、11:00には40分になったので、12:00には空くだろうと思っていました。ところが50分に! 

 

◎知積院へ

だったら13:00台の少なくなる時間を狙おうと思って、知積院に向かいました。そこで出会った方が図録を持っていらしたので、京博の様子を伺いつつ情報交換。ちょっと話込み、知積院をあとにしたのは13:00すぎでした。

 

◎清水一芳園で様子見

待ち時間は、さらに伸びていて50分! これはもう少し時間調整が必要と、以前から訪れたかった、清水一芳園でパフェを食べながら様子を見ることにしました。

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京都一のパフェを目ざすというだけあって、素材の一つ一つが吟味されていておいしい! これから国宝展に行くことを一瞬忘れさせられます。 

 

 

◎10分待ち!?

するといきなり・・・・

 

   13:30・・・・・10分

 

10分? どういうこと?  何がおきたの?  これまでのtwitterの待ち時間をざっと見ていますが10分なんてありえませんでした。それいけ! と京博に向かいました。

 

 

 

〇総入れ替わり時間を狙え!

人の整理をしている係の方に聞いてみました。どうして10分になったんですか? 「これまでもお昼になると空く傾向はありました。」「でも、10分なんて時間はなかったと思うんですけど‥‥」「おそらく、開館前から並んでいた方が、お昼になって一気に出てきて、総入れ替え状態となったためと思われます」

 

なるほど・・・・  そういうことだったのですね。今後はどのような動きになるのか・・・ 翌日は10分という時間まで短くはなっていないようでしたが、昼頃に空くという傾向は同じようです。また、祝日などがあるとどんな動きになるかわかりませんが、人の動向を読みながら、効率のよい見学を!

 

 

〇ポイント

〇開館前に1時間~1時間半並んで、第一陣のグループで見学をするか

〇近くの三十三間堂」「知積院」を見学しながら空くの待つか

清水一芳園でお茶して調整

 

 

 

■現地で得た知っ得情報

〇開館前に並ぶ派は

知積院で出会った方は、朝、8:00から並んで鑑賞したそう。70分、80分並ぶなら、朝イチの90分前に来て、まだ入館していないところで見た方がいいと思って… 人数が増えてくると早く開館してくれて、先頭のグループに位置できれば、館内でオープンまで待つことができるのだそう。寒くなってくると助かるとおっしゃっていました。開館後、比較的スムーズに見れたとのことでした。同じ時間、並ぶならどっちを選ぶか考えたら早く並んだ方がいいかなと…

 

〇国が返してくれない国宝がある!?

友人が学芸員をされているそうで、そこから得たレア情報。今回、出品されている三島大社の絵手箱。これ、三島大社が国から貸して欲しいと言われて貸したところ、戻ってこなくなってしまった代物らしいのです。それを今回の国宝展で展示されるそう。そのあとやはり国に行ってしまうのでしょうか? 貸し出しにあたりどのような手続きがされたのか興味があります。

 

〇知積院に等伯の障壁画がある

前日の和久傳のお食事では、東博の横に等伯の作品が展示されている知積院があるという話を聞き、現在、長谷川久蔵の作品は展示されていますが、父、等伯の楓図壁貼付は、こちらのお寺に展示されていることがわかりました。合わせて見ることができます。

 

正倉院展は月曜日が穴場

2泊で関東方面から来られた方は、翌日月曜日は、正倉院展へ行くと話されていました。通常、博物館は月曜休館。そのため開館していることを知らな人が多く穴場だと。ちょっとそそられましたが、私は建仁寺大徳寺に行く予定だったので‥‥ でもこれはφ(..)メモメモ

 

〇一人で動いている人には情報や見方のノウハウを持っている

 一人で鑑賞している人というのは、本当に好きなんだなと感じさせられました。ちょっと話をするといろいろなノウハウや情報を持っていることがわかりました。

 

カウンターでの食事の横に、「ニッポンの国宝100」を置きながら食事をしていたらお隣の方と、それをきっかけに美術鑑賞の話になったり。これ見てきたんです… という話から、じゃあ、あれを見てくるといいわよという話になったり‥‥ この冊子を間にはさんで会話の糸口になりました。

 

返してくれない国宝の話を伺った方は、これから三十三間堂に行くと言われていたので、宗達風神雷神像があるから、この冊子の風神雷神を目に焼きつけて、像を見るとその違いが面白い。なんて話をしていました。国宝展の図録をお持ちだったので、その風神雷神と比べるいい・・・なんて話をしていました。

 

 

■鑑賞のコツや付随情報

〇金印見学のコツ

金印を見るためには並びます。曜変天目と同様、近くで見る列回りで見る列に分かれています。入場の待ち時間が10分となって、総入れ替えとなった状態で、みなさん、金印を見に殺到したもよう… 

3階ので展示されていますが、その列は2階まで伸びていました。確か、1時間待ちだったような・・・  入れ替わりで入館した人が一気に金印に向かった結果です。

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そして3階は人でごったがえしています。こんな状況の中、長い時間並んで見るのは非効率的。夕方ぐらいになると空くはずなのでその時間にまた来ます。

 

まずは近くで見たい気持ちをおさえ、あわてず周りからじっくりどんなものかを確認。この時、回りで見る列に並ぶ必要はありません。3階のフロアがすいてきたら、金印の回りの作品を鑑賞します。鑑賞しながら金印の回りで見ている人たちに合流できます。

 

回りで見る時は、同じ場所でずっと立ち止まって見ることがポイント。前の列で近くで見る人たちはどんどん動くので、立ち止まっていればその隙間から見ることができます。一緒になって動いてしまうと、人が立ちはだかり見にくいからです。

そうして徐々に場所を移動すれば全体像が把握できます。ここでスコープを持っていれば、ほぼ前列でみるのと同じ状態で見ることができるでしょう。

ただし底面の印字部分を鏡で映した状態が見える正面は、人が群がっていてちょっと大変ですが‥‥

 

金印の全体像を外から見て大体つかめたあと、並びが少なるのを待って並べばOK。途中、人が少なると3階から列に入ることもできます。この状態で20分待ちでした。

 

ところがなんのことはない。閉館間際は、全く並びがありません。曜変天目茶碗は、閉館間際も行列だったそうですが…  止まって見ることはできませんが、何度も並び直して見ることができる状態になっていました。今後、どうなるかわかりませんが、あせらず閉館近くまで待てば、行列に長時間並ぶ必要はなさそうです。

 

尚、2階のデモを見ておくと尚よいです。2階では、おそらくボランティアさんによる国宝関係のデモンストレーションが行われています。金印がどのように使われていたか、重量の体感、スタンプを実際に押すなどの体験ができます。どちらを先にみるかはお好み。

 

金印を見た時に、だれもが抱く「ちっちゃい!」という感想。私は2期ですでに、このデモを見てしまって体験してしまいました。本物を見た時におきるギャップが ちょっと薄れてしまったかなという感じでした。

 

 

〇昼食を考えておこう 

朝早くから見て、お昼に出てくるか、お昼を食べて午後の部を狙うか…

 

私は午前中から閉館までいることが多いので、今回はちょっと困りました。食事をすると、また待ちの並びに並びなおさなくてはいけないのです。しかし、14:00頃になると若干並びは緩和されますので、時間をずらして食事という方法がありますが・・・・

 

29日 14:00頃           31日 14:00頃

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小腹の足しに軽く食べられるものを用意しておいたのですが、一切、飲食ができる場所がありませんでした。

 

 

〇水分補給場所

水分補給できる場所も限られています。お水を飲んでいい場所は・・・・

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2階と3階のお手洗いの前にあるウォータクラー  そしてお水を飲んでいいのはこの周辺のみ。

 

ちなみにこのような休憩場所がありますが、ここでは飲食はもちろん、お水もNGです。

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ウォータークーラーの他に自動販売機がショップの裏にあります

  ↓ ショップ奥のこのあたり   ↓ 糖分の入っていない水のみ

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ここから外へ   ↓      このエリアだけペットの水が飲めます

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美術館、乾燥していて喉が渇きます。水分は不可欠。飴は糖分が作品に影響を与えるとのことで厳禁。のどが弱い方は、保湿のためのマスクを持参した方がいいかも‥‥

 

 

 

〇お土産は閉館間際は避けるべし 

閉館が近づくと、お土産売り場は大混雑。並び始める前に購入しておくことがポイント

 

2期最終日 16:20頃 そろそろお土産買おうかな・・・・と思う直前ぐらい

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3期初日 18:04 それほど混んではいません。

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 ところが、3期初日 14:03     14:30

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日によって違うのでしょうか?

 

いずれにしてもお土産は、空いているうちにめぼしいものを決めておき、上下しながら様子をうかがって、空いている時を狙って購入するのがよさそうです。ロッカーをゲットできていれば、お土産をロッカに。

 

 

〇ロッカーは無理と諦める 

ロッカーはまずないと思った方がよいでしょう。外にも設置されています。少しでも近いところに預けたいと館内にあるかも…と考えず、空いていたらすかさずいれちゃいましょう。入れ替え時間を狙って、戻ってきた人と鉢合わせになったらラッキー! 

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特設されたロッカー。荷物は預けられないことを前提に身軽に・・・・

 

 

 

〇閉館までの時間を上手に利用

閉館、30分前には、お土産や作品の鑑賞を全て終えておくこと。

 

人の流れは、次第に1階に集中し帰る人でごった返してきます。特に1階のフロアの鑑賞は早めに終わらせておくのもポイント。一方、2階、3階のは人が少なくなります。閉館までの間、至福の時間を過ごすことができます。

 

特に3階は、入館時、人が殺到して鑑賞できる状態ではありませんが、30分前になればガラガラ状態です。そして2階も同様。

 

この時間帯、ここを見ている方たちは、本当にお好きなんだなぁ‥‥という人たちが集まっています。私は目的だった《風神雷神図屏風》と《松林図屏風》そして円山応挙の《雪松図屏風》 じっくり鑑賞してきました。

 

  

ちなみに今回の国宝展に関する準備や確認ポイント

■京博 国宝展:アクセスは? 貸切内覧会もあります 割引チケット

 ■『ニッポンの国宝100』の付録 トラベルケースの使いこなし 

 

〇京博では見あげるような展示だったと思ったら

■レプリカの《松林図屏風》は本物にどこまで迫れるか? 

 

 

■今回の行程メモ  

〇2期最終日(10/29 日)

10:34 京都着
11:30~ 京博
18:00       京博

 

〇休館日 (10/30)

10:40 建仁寺
12:00 迦陵
14:00 移動
14:40 大徳寺
17:30 和久傳

 

〇3期初日(10/31)

7:50 バス移動
8:20 三十三間堂
11:10 知積院
13:00 一芳園
13:30 国宝展

 

 

■参考 

#国宝展 hashtag on Twitter

京都国立博物館 (@kyohaku_gallery) | Twitter