コロコロのアート 見て歩記&調べ歩記

美術鑑賞を通して感じたこと、考えたこと、調べたことを、過去と繋げて追記したりして変化を楽しむブログ 一枚の絵を深堀したり・・・ 

■告知:第11回 shiseido art egg」によせて(資生堂ギャラリー)

国内の化粧品の老舗メーカーでありトップメーカーでもある資生堂が創業したのは1872年(明治5年) 以来、時代の変化に伴う女性の価値観や役割とともにある「美」を追求してきた145年の歴史があります。

 

一方、1919年(大正8年)、資生堂銀座にギャラリーを開設しました。追及する美の方向は、「若手作家たちの応援」という形で「新しい美の発見と創造」にも目が向けられていました。かつてメセナともてはやされた企業による、芸術文化の援護活動が活発に行われたことがありました。そんな一時的なメセナとは違い、2年後の2019年には100年を迎えます。こうした活動は、新進気鋭のアーティストの応援という意味だけでなく、あらゆる角度から美を追求しみつめていくという社風にも繋がっていると聞きます。

 

創業の強い信念があってのこと。ぶれない信念が貫かれていてしっかり受け継がれているからこそ成し得ているのだと思われます。

 

その一環でもある、新進アーティストの活動を応援する公募展 shiseido art egg(シセイドウアートエッグ)が2006年にスタートしました。10年という節目を迎えたあとの11回目の今年は、審査も新な形を試みるとのこと。それは、審査員と入選作家が公開形式で対話を行うというスタイルがとられます。さらに一般聴講者も募って公開し、「新しい芸術文化の未来」について議論の場に加わってもらおうという試みだそうです。

 

「美術」という言葉は明治初期に作られたもので、英語のfine artを直訳したもの。美の表現を目的とする芸術を意味するとされています。「美術」という言葉もまだ新しい概念だと言えます。その言葉の中にある「美」について、一度、立ち止まって考える機会になると思いました。

 

「美」とは何か。

 

それは、時代が作り出すもの。変化し続けるもの。永遠の課題・・・ 今というこの瞬間に生み落とされる新たな「美」の現場に立ち会えるというのは、とても興味深いと思いました。10回の節目から、新たにスタートする美の創出。その瞬間を一般の聴講者としても体験できる機会を通して、自分のとらえる「美」についても考えてみたいと思います。

 

「新しい芸術文化の未来」 個人的には、新な時代が生み出していく科学やテクノロジー。それらと芸術がどう融合し新しい世界をつくりあげていくのかということに興味を持っています。こんなことも、芸術? こういう美のとらえ方もあるんだ・・・という全く新しい価値観が、これまでになかった科学という力を得て生まれてくる未来像に関心があります。

その一方で、写真がフィルムからデジタルに変わったことで、写真の世界はガラリと変化しました。しかしデジタルが行きわたると、フイルム時代を知らない新しい人たちによってフイルムが見直されています。そんな揺り戻しもおきるのではないかと想像しながら、芸術の新しい未来を想像しております。

 

■参考 

開催中の展覧会 | SHISEIDO GALLERY | 資生堂グループ企業情報サイト

ギャラリーのご紹介 | SHISEIDO GALLERY | 資生堂グループ企業情報サイト

「第11回 shiseido art egg」展で見る3人の新進アーティストのいま|美術手帖

美術館巡りを愉しむ:Vol.14 資生堂ギャラリー ・ INAXギャラリー - TONTON club

 

■入賞者インタビュー(美術手帖

〇写真で写真を超える。「第11回shiseido art egg」吉田志穂インタビュー

〇時を超えて混ざり合う布と糸。「第11回shiseido art egg」沖潤子インタビュー

〇ホワイトキューブは問いかける。 「第11回shiseido art egg」 菅亮平インタビュー

 

〇資生堂ギャラリー (@ShiseidoGallery) | Twitter

 

■びょうぶとあそぶ:尾形光琳《群鶴屏風》 レプリカの金箔は本物?

第一会場で等伯の《松林図屏風》を見たあとは、となりの第二会場は、尾形光琳の《群鶴図屏風》インスタレーション。鶴と遊んだり屏風のお勉強ができます。フリーア美術館所有、門外不出のこの屏風を日本で見ることができるのはこのレプリカがあるからこそ。

 

  • 尾形光琳 群鶴屏風図を見る
  • ■門外不出の作品
  • ■鶴を描いた絵師の作品いろいろ
  • ■部分観察
    • 〇くちばしの中
    • 〇足
    • 光琳のサイン
    • 〇水流
    • 〇屏風の裏
  • ■金屏風の金箔写真コレクション
    • 〇金箔が金箔でなかったら?
    • 〇群鶏図屏風の金箔は本物?
    • 〇金の屏風の解説
  • ■光によって変化する金箔 
  • インタラクティブ映像 
  • ■まとめ
  • ■屏風のお勉強  関連資料
    • 〇屏風ってなに?
    • 〇実際の使われ方
    • 〇屏風の構造
  • ■関連

 

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■静嘉堂文庫美術館:かおりを飾る ~珠玉の香合・香炉展から  備忘録

静嘉堂文庫美術館 「かおりを飾る ~珠玉の香合・香炉展」も本日が最終日。内覧会で撮影した写真の掲載と覚書のためのメモ。

 

*写真はブロガー内覧会にて主催者の許可のもと撮影したものです。

 

今春の春から始まった茶の湯関係の展示や、関連企画。いろいろな方向からいろいろにつながって茶の湯の世界がちょっと見えた気がしたので、覚え書のメモ。

 

  •  ■仁清つながり
    • 【15】《色絵藻貝文香炉》
    • 【16】《色絵鳥兜香炉》
    • 【3】《銹絵白鷲香炉》
    • 【88】《仁清ぶりぶり香合》 
  • ■京焼
  • ■香炉
    • 〇菊蒔阿古陀形香炉
    • 青磁香炉
  • ■漆芸香合
    • 〇堆朱雲龍大香合
    • 〇堆朱三聖人香合

 

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■びょうぶとあそぶ:長谷川等伯《松林図屏風》の世界に本当に風が! どうせ複製でしょ?とは思わずに・・・

東博で行われている夏休み企画  親と子のギャラリー びょうぶとあそぶ に7月の半ばに訪れました。そのあとも2回ほど見ました。高精細複製による新しい日本美術体験と題したこの展示、行くたびに新たな発見があり面白さを感じさせられました。

 

長谷川等伯の有名な《松林図屏風》の展示です。しかし「どうせ複製でしょ・・・ 本物じゃないんでしょ・・・ そう思ってしまったら、そこでおしまい。目の前に繰り広げられるいろいろな仕掛けを見逃してしまいます。この展示には、いろいろな工夫がいっぱい隠されています。こんなところに?! という驚きが、見るたびに出会えます。じっくり立ち止まり、可能なら何回も見ると一期一会のサプライズにも出会えるはず。そんな発見してみませんか?

 

 本物とレプリカについても、一度、考えてみてはいかがでしょうか?

    ■本物とレプリカ:「レプリカ」が本物として展示されたら見抜ける?

 

  • ■畳に座って見る《松林図屏風》 
  • ■レプリカの《松林図屏風》は本物にどこまで迫れるか? 
    • 〇レプリカという先入観を持って見ても高度に再現されている
    • 〇紙質を見てみよう
  • ■この松林はどこの松林を描いたのでしょうか?
    • 〇特定はされていない 心象風景
    • 〇仮説が網羅された映像 
    • 〇主催者からのお話がWEDGEに!
  • ■見どころ満載
    • 〇季節はいつ?
    • 〇鑑賞スタイルが違う
    • 〇風が吹いてきた!
    • 〇映像の仕掛けもいっぱい
    • 〇いろんな場所から見てみよう
  • ■映像の鳥は何?
    • 東博とカラスの関係
  • ■五感で楽しむ
  • ■似て非なる映像
  • ■解説写真
  • ■参考 同じ展示も見方はいろいろ
  • ■関連 
  • 【追記】2017.08.15 ふと思い出した 杉本博司「松林図」 2001年 ベネッセ
  • 【追記】2017.08.15 本物とレプリカの同時展示
  • 【追記】2017.08.18 屏風の和紙の質

 

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■静嘉堂文庫美術館:講演会「香りの文化史」 畑正高氏 

静嘉堂文庫美術館で行われている 「かおりを飾る~ 珠玉の香合・香炉展」の関連イベントとして畑正高氏による「香りの文化史」の講演会が行われたので参加しました。気にかかったキーワドをランダムに記録しておきます。

  • ■大盛況の講演会
  • ■講座の内容
  • ■香りについて、全方向から
    • 〇「日常茶飯事」と「日常茶《香》飯事」
    • 〇香とは黍(きび)+甘  
    • 源氏物語光源氏の匂い
    • 〇匂いというのは絵にすると煙で描かれる
    • 〇「林」+「火」で「焚」 
  • ■注目のキーワード
    • 〇日本文化史の2つの流れ 
    • 平安時代の年表は何色だったか? という問いかけ
    • 〇京都とは1000年前と同じ景色を残す
    • 〇今、注目されている「応仁の乱」の意味は・・・
    • 〇最後に印象的だったお話
  • ■香りに関する参考サイト 
  • ■畑正高氏 寄稿文 講演

 

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