コロコロのアート 見て歩記&調べ歩記

美術鑑賞を通して感じたこと、考えたこと、調べたことを、過去と繋げて追記したりして変化を楽しむブログ 一枚の絵を深堀したり・・・ 

■ポーラ美術館:ギャラリートークはタスキリレーの駅伝スタイル(前半)

今年で14回を迎える新春名物ともなった、ポーラ美術館の「ギャラリートーク駅伝」

箱根駅伝同様、10区間に分け、6人の学芸員さんがタスキをつないでいきます。10区間を、6人で走破ということは、4人の方が2区間担当します。10時に始まり、走行時間は30分。驚いたのは、すぐに次のランナーにタスキを引きつぎ、休むことなく、走りっぱなしでした。

 

12月4日に、東ハクでもボランティアによるガイドツアーが開催されていました。20分のトークに10分の休憩があって次のコーナーに行くというスタイルだったので、ポーラも若干、休憩があるものとばかり思っていたので少々面食らってしまいました。

 

以下、気になった部分を紹介します。

 

 

 

■第1区 モネ

10:00スタート。バスの到着が予定よりも早く、10:15ぐらいから参加することができました。館内に入るやいなや、すかさずトーク会場に直行。コートも着たまま、荷物も持ったまま、なだれ込むように・・・・ 一番、聞きたい区間でもあったので、何とか滑り込めてラッキー!! 第一区が終わったら、休憩時間を利用して、ロッカーへ荷物を預けようと思っていたのですが、そのまま第2区に突入してしまいました。

 

参加者には参加証が配られ、スタンプを押していただくと、解説された絵のポストカードを記念品としていただけます。これは粋なはからい。参加者は並んでスタンプを押してもらい息つく間もなく次へ・・・・

 

 

■第2区 ベルニコルソン

新たに購入した新作だそうです。知らない画家だなぁと思っていたら、「おそらく知らない人が多いと思う」という解説にホッとしました。こちらは撮影禁止なので画像がありません。「下の茶色は何かを示していると思う?」「上のドローイングのラインは?」 解説によると下がテーブルで、上がボトルに見えるということでした。私は下は「大地」上の白い部分は、なぜかヨットに見えてしまいました。「瓶のようですね」と言われたものは、バイオリンに(笑) そしてモンドリアンみたいな絵だな・・・と思っていたら、モンドリアンも加入している「アグレクションクレアリズム」に所属していて、抽象とは何か? を考えていたグループのようです。

 

そして「マティス」についての解説もされました。今度、汐留ミュージアムの「マティスとルオー展」に行きたいと思っているので、予習を兼ねて・・・・ 抽象とは何か? を考える。グリッドの上に曲線の女性を描く。具象のようにも見える絵だけども、線と色のせめぎあい。青にグリッド、黄色にグリッドを背景とし、そこに何が描かれているのか

 

 

■第3区 ピエール・オーギュスト・ルノワール

ポーラのチケットホルダーを持っているのですが、この絵だったことを知りました。実物を見たことがありませんでしたが、身につけていると既知のような親しみが沸いてきます。

アネモネの花びらに見える部分はガク。筆跡がリズミカルで、赤・黄・ピングのグラデーションに白も加わってふんわりとした量感を出しています。

 

 

 

■第4区 岡田三郎助  

▼悩ましい後ろ姿・・・・      ▼ドキッとしてしまううなじ・・

  

↑ この赤い部分は何? 帯にしてはなんか変・・・

 

↓ これは着物の柄なんです。

何の柄かわかりますか? 

 

燕子花 八つ橋・・・・尾形光琳 伊勢物語の八つ橋光琳文様と言われる図柄です。

岡田三郎助は、着物を500点もコレクションしており、それを絵に描いています。

 

当時、呉服問屋から始まった三越は妻がファッションリーダーとなって、天禄文様のリバイバルを戦略的に発信していました。三越という企業との結びつきが、あやめ(燕子花)の衣装に意匠を施したとのこと。

 

 

〇現代にもつながる光琳三越

友人がずっと前から、光琳の《紅白梅図屏風》を見たいと言っていました。光琳の何にひかれたのかしら? と、私も《紅白梅図屏風》見たのですが、そのよさが全くわかりませんでした。光琳のどこがいいのか聞いたところ、「成人式の着物を母が三越で作ってくれて、光琳の弟子にあたる人の作品だって聞いてたから、いつか、光琳を見たいと思ってた」と話してくれました。友人は、ずっと光琳見たい、光琳見たい」と言い続けていたので、それが耳に焼き付いていました。琳派400年で高島屋の巡回展に、光琳が来たので一緒に訪れました。これが、今、考えると私の絵画の目覚め、第2期にあたります。

 

もし、友人が、「光琳光琳」と言い続けていなかったら、今の私はないかも・・・ 琳派? なにそれ・・・ で終わっていたかもしれません。こうしたちょっとした縁が、いろいろな結びつきをもたらしてくれるのだと感じていました。その「光琳」と「三越」の関係。光琳を押していた三越の戦略が今の時代にもつながっていて、その流れの先端を、友人は成人式の着物で享受していたということだったのです。私もそのおこぼれにあずかれて美術の新たな扉を開くことがでいたわけです。

 

そのお母様が、昨年末に他界されました。その年明けに見た、光琳模様の着物。母が娘を思って仕立てた着物。そこに込められた思い。その裏に脈々と流れる老舗デパートの血筋と顧客。見えないつながりを感じずにはいられない一枚の絵となりました。

 

 

■第5区 ゴッホ

アザミです

 

荒々しい筆致を間近で・・・・

  

  

 

 

▼こちらは複製のゴッホの筆致(そごう レンブラント展にて)

 

 

 

 以上、前半5区まででした。

その後、1時間の昼休みを経て、第6区は、講堂で一息つきながら、給水ポイント。

飲み物などを準備されて、ポーラ美術館の歴史を聞きます。

 

続きはまたのちほど・・・

 

下記のような感じで、リレーは続きます(ポーラHPより)

9:50 開場   講堂
10:00 第1区 クロード・モネ 展示室2
10:30 第2区 ベン・ニコルソン 展示室2
11:00 第3区 ピエール・オーギュスト・ルノワール 展示室2
11:30 第4区 岡田三郎助 展示室3
12:00 第5区 フィンセント・ファン・ゴッホ 展示室2
12:30-13:30   昼休み  
13:30 第6区 給水ポイント(美術館の歴史) 講堂
14:00 第7区 アンリ・ルソー 展示室1
14:30 第8区 レオナール・フジタ藤田嗣治 展示室1
15:00 第9区 ウジェーヌ・アジェ 展示室1
15:30 第10区 パブロ・ピカソ 展示室1