ヨコトリ2020は、映像作品が非常に多い構成です。いきなり見てもさっぱりわからないので、予習がてら、どんな作品なのか概要を把握しようと思いました。解説パネルを撮影したり、Tweetの評判をウォッチしてから鑑賞をすることに・・・(2020.08.11)
(2020.09.18)横浜美術館内の全映像作品をコンプリートしました! 視聴した雑感を個人メモ的に、脚注を使って随時追記。
横浜美術館の個人的な「雑感」はこちらにまとめました。
パク・チャンキョン《遅れてきた菩薩》
横浜美術館の映像作品について、モニターの映像、視聴環境(椅子の設置、人の入り具合)などをチェック。当初、映像作品の鑑賞日として1日、確保して観ることを考えていました。しかし1日、映像を時間に合わせて見ていくのは、かなりきついことが判明。(解説パネルを撮影しただけでも疲れました。)
パスポートの替わりとして利用できる横浜美術館協力会会員のしくみをみつけたこともあり、時間にとらわれずに、見れる時、見たい時に、ゆっくりゆとりを持って見ることにしました。
しかし、上映時間が決まっており、上映回数も少ない作品もあります。それに合わせると、時間に追われてしまう部分もあります。見たいと思う作品は、時間のチェックは怠りなく。
作品との偶然の出会いに期待して観るのもいいですが、自分の好みや、ぜひ見たいものを事前に探しておきたい方は、ちょっとのぞいてみていただけましたら幸いです。
■展示室ごとに映像作品紹介
会場は、鑑賞ルートのサインがあります。その通りに回った場合の、ルートに沿って、展示室別に映像作品を紹介します。モニター映像、作品概要、視聴環境(椅子や人の集まり状況)解説パネル、作者プロフィール、ネット情報(Tweet)などまとめました。
いきなり見るよりも、事前に映像の概要を把握したり、一部でも映像を目にしていると、作品への関心が変わります。プレス写真で見た映像や、目にしていたの映像が、こんなふうにつながっていたのか・・・・と、関連性が見えてくるのも面白いです。
▼こちらからもご覧いただけます。
横浜美術館-映像-展示室別 - Google スプレッドシート
■展示室4
〇(追記:2020.09.18)新井卓《千の女と旧陸軍被服支廠のためのアンチ・モニュメント》(15:00)
戦場に赴く兵士の無事を願って、1000個の玉結びを女性たちが縫い付ける「千人針」という習俗がありました。これは、虎にまつわる言い伝え(遠くに行っても戻ってくる)に由来し、兵士が戦地から戻ってくることを願って縫われたものです。千人針を作ったことある女性(92歳)が赤い玉結びを作り、娘がほどき、孫がアイロンをかけます。千人針が解体され、個人へ戻る様子から教えられるものは・・・・
【会場の様子】
展示室4の左壁で上映 新井卓《千の女と旧陸軍被服支廠のためのアンチ・モニュメント、広島》2020年
【解説パネル】
【千人針】
古書店で入手した千人針
(参考: ヨコハマトリエンナーレ2020 開幕 アーティスト・新井卓にとってウイルスと共存する社会とは? | 創造都市横浜)
【Tweet】
#新井卓
— 美術解説するぞー! (@bijutukaisetu) 2020年8月24日
「千の女のための多焦点モニュメンツ」
ダゲレオタイプとは、長い時間をかけて銀板に被写体を写す撮影方法。
新井さんは戦争について、我々が持っている固定観念とは違う角度から被写体を撮り、そこから湧き上がる思考を促す作品を多く残されています。
続きはhttps://t.co/ijPEzBXmyR pic.twitter.com/TttxnWq0sJ
美ツボ337 新井卓、戦地に送りだした千人針の祈りを解体して写真にした、現代アート。ボクは、こんな想いの集合体をみると、心がザワザワして幸せな気持ちになる。#1000日チャレンジ#アート
— Roma(小菅) (@kosuga1000) 2020年9月13日
竹村京さんと蚕で共生する、新井卓さんのダゲレオタイプ。
— HANA (@egg_hana) 2020年7月21日
歩くとピカッと光る電球が楽しい。
千人針を、ひと玉づつ写真に分離。ダイアンハーストのスポットペインティングみたいな。#ヨコトリ2020 pic.twitter.com/4MaSXHoQ0e
新井卓は千人針をテーマにした作品。壁のは何かと思ったら、千人針の玉結びを1つ1つプリントしたもの。私が千人針に関心があるのは縫う事の呪術的な意味というか、思いを込める、それこそ生きて帰れる願掛けになると考えられてる点。 pic.twitter.com/C0tINqqs1Y
— ソーダケーキ (@SodaKeik) 2020年7月17日
【雑感】
■新井卓《千の女と旧陸軍被服支廠のためのアンチ・モニュメント》 (2020.09.18)
■展示室5
〇(追記:2020.10.07)レボハング・ハンイェ《ケ・サレ・テン(今もここにいる)》(スティル)
白黒の立体映像が、アルバムをめくるように展開していきます。黒人一家の生活を描いて作品。
【雑感】
〇《ケ・サレ・テン(今もここにいる)》(スティル)(2020.10.02)
〇(追記:2020.10.07)レボハング・ハンイェ《モショロ コメディ・ワ・トラ(灯台守》
中央のライトを中心に、舞台装置のようなセットが取り囲むように、配されています。家族のアルバムからモチーフがとられており、舞台にスポットライトをあてるように周回して、照らし出し、物語りを紡ぎ出します。
【Tweet】
#レボハング・ハンイェ の #モショロコメディ・ワ・トラ(灯台守) はライティングで人物や動物などのボードをドラマティックに照らす。#横浜トリエンナーレ#横浜美術館#ヨコトリ2020#AFTERGLOW pic.twitter.com/mbq5I9syHF
— Shuji Hi (@shuji_hi) 2020年8月30日
ヨコハマトリエンナーレ2020「AFTERGLOW-光の破片をつかまえる」058
— 岡田昌浩 (@triparaace) 2020年7月19日
at 横浜美術館 20200719
◆レボハング・ハンイェ「モショロコメディ・ワ・トラ(灯台守)」 pic.twitter.com/40BkxleBEH
【感想】
〇《モショロコメディ・ワ・トラ(灯台守》(2020.10.02)
【プロフィール】
生まれ:1990年、ヨハネスブルグ(南アフリカ)
活 動:同地を拠点
作 品:
写真を主体に、映像やパフォーマンス、インスタレーションなど多彩な手法で制作。
作家自身やその家族の肖像、南アフリカの歴史的・社会的イメージを組み合わせて、現実の反映でありながらもフィクションのような作品世界を構築する。
出 品:
2015年、バマコ・アフリカ写真ビエンナーレ(マリ)で審査員賞を受賞、
2019年、東京国際写真コンペティション入賞
主に写真の領域で国際的に活動
【解説パネル】
【Tweet】
#レボハング・ハンイェ の #モショロコメディ・ワ・トラ(灯台守) はライティングで人物や動物などのボードをドラマティックに照らす。#横浜トリエンナーレ#横浜美術館#ヨコトリ2020#AFTERGLOW pic.twitter.com/mbq5I9syHF
— Shuji Hi (@shuji_hi) 2020年8月30日
■展示室6
〇(追記:2020.09.13)岩間朝子《貝塚》(17:38)
作者の父は、スリランカに渡り食料生産や農業について調査をしていました。父が残した写真や日記をもとに足跡をたどる映像作品。父が残したものを通して、家族の関係性をみつめ直すことで見えてくる今。
【上映会場の様子】
椅子が4つ。 その後ろで立ち見で人が見ていることが多いです。
【映像 GIFアニメーション】
【解説パネル】
【プロフィール】
生まれ:東京都
活 動:東京とベルリンを拠点に活動。
作 品:自然と人間のつながりや在り方、「食べること」「滋養」とは何かを問いながら制作。
2005年~:スタジオ・オラファー・エリアソンに併設された食堂「TheKitchen」の立ち上げと運営に料理人として携わる(約10年)
2013年:書籍『スタジオ・オラファー・エリアソン キッチン』(美術出版社、2018)を共同制作。
2016年:「フードスケープ私たちは食べものでできている」(アーツ前橋)に参加
岩間はアーティストであると同時に料理人でもあり(ベルリンのオラファー・エリアソン・スタジオの食堂立ち上げにシェフとして参加)、食や農という親子の接点が興味深い。
【twieet】
(1)横浜トリエンナーレ2020。いろんな作品があったが、私がいちばん心を惹かれたのは、スリランカ農村をフィールドとする研究者だった父親が残した調査ノートと写真を題材にした岩間朝子の映像作品「貝塚」。→ pic.twitter.com/zwDwbifrv3
— taozi(M Kawakami) (@taozikw) 2020年8月9日
ヨコハマトリエンナーレ2020「AFTERGLOW―光の破片をつかまえる」を観てきた、岩間朝子さんの展示が積み重ねられ続ける物語のかたちをしていて一番好きだった
— 山内尚 (@yamauchinao) 2020年8月5日
「海の観音さまに会いにいく」と「貝塚」もよかったな。貝塚は淡々と、「記録された人々」側にも思いをはせつつ父の記憶を振り返ってるのがなんかよくて。貝塚でその時の積み重ねとか、あと昔々の人々と同じなんだなということを感じられた気がする。そっか貝塚って現代でも作られるんだー一緒だねと
— なっぴょん (@nappyon) 2020年7月22日
ヨコハマトリエンナーレ2020「AFTERGLOW-光の破片をつかまえる」069
— 岡田昌浩 (@triparaace) 2020年7月29日
at 横浜美術館 20200724
◆岩間朝子「貝塚」 pic.twitter.com/az8zfr5Nh5
〇(追記:2020.09.17)飯山由貴《海の観音さまに会いにいく》(21:19)
【上映環境】
中央の大きな画面の映像が《海の観音さまに会いにいく》その両脇をこの字型に、2つの飯山作品が囲んでいます。椅子はそれぞれのモニタ―の前に2つ。
【映像部分】
【解説パネル】
【プロフィール】
生まれ:1988年、神奈川県
活 動:東京都を拠点
作 品:
個人の生活や経験、記憶をインタビューや記録物などを通してたどり、歴史や社会といった大きな文脈との関係性を見つめるインスタレーションを発表。
出 品:
2015年 愛知県美術館にて個展開催
2016年 「歴史する!Doing history!」(福岡市美術館)、
2017年 「コンニチハ技術トシテノ美術」(せんだいメディアテーク)出品。
【Tweet】
ヨコトリ、飯山由貴さんの展示は大きな展示室内にあっても存在感があり批評性が際立っていたし、千人針を扱った新井卓さん、竹村京さん、青野文昭さん、佐藤雅晴さんなど、日本の作家の展示もそれぞれ良かった。コロナ禍に開催された本展のコンセプトとの関わりのなかで、作品が立っていた。 pic.twitter.com/KRblvL6Fdl
— Natsuko Fukushima (@fukushima_n) 2020年7月30日
「海の観音さまに会いにいく」と「貝塚」もよかったな。貝塚は淡々と、「記録された人々」側にも思いをはせつつ父の記憶を振り返ってるのがなんかよくて。貝塚でその時の積み重ねとか、あと昔々の人々と同じなんだなということを感じられた気がする。そっか貝塚って現代でも作られるんだー一緒だねと
— なっぴょん (@nappyon) 2020年7月22日
詳細に話すと病気が重いと思われ薬が増えたり、入院中に保護室に入れられた経験から、自分の症状を具体的には話さないと決めた彼女が、久しぶりに語る機会
【雑感】
■飯山由貴《海の観音さまに会いにいく》(2020.09.17)
〇(追記:2020.09.17)飯山由貴《hidden names:短縮版》(25:42)
日本の精神医療は、患者の言葉をどのように聞き取り、扱ってきたのか。精神病院の古い記録が存在することを知り、専門家へのインタビューを元に、病院での話や映像を紹介。
【上映会場の様子】
《hidden names:短縮版》
【映像部分】
たまたま見た部分「<妄想が強いと思われると保護室に入れられるから、自分の心を語らない>」と解説された部分と、《海の観音さまに会いにいく》が重なりました。
【展示パネル】
【twieet】
ヨコハマトリエンナーレ2020「AFTERGLOW-光の破片をつかまえる」086
— 岡田昌浩 (@triparaace) 2020年7月29日
at 横浜美術館 20200724
◆飯山由貴「hidden names:短縮版」 pic.twitter.com/Gb0rCeNwPo
〇(追記:2020.09.17)飯山由貴《オールド ロング ステイ》(170分)
ある年を境に、在日コリアンの障害者に対する年金制度が支給されないという差別があります。その問題に向き合う人々や研究者へのインタビュー 後半はハンセン病問題について?
【上映会場】
コの字型の配置されたモニターの右側の映像(写真なし)。モニターにヘッドフォンが設置。字幕での鑑賞も可能。モニター前に椅子2つ。
*撮影のNGについて⇒作者より・・・・
意図的な切り抜きを避けるために会場での写真撮影は不可、今回公開している編集版を不特定多数の人に見られる形でweb上での公開は行いません。その見にくさやアクセスのしにくさは取材対象を守るためです。どうかご理解をいただきたいです。
— iiyama yuki 飯山由貴 (@mmmeshi) 2020年8月25日
【Tweet】
ヨコハマトリエンナーレ2020「AFTERGLOW-光の破片をつかまえる」085
— 岡田昌浩 (@triparaace) 2020年7月29日
at 横浜美術館 20200724
◆飯山由貴「オールド ロング ステイ」
在日外国人(と言いつつほぼ全員が朝鮮人)障害者の無年金問題を取り扱った大作。二重の差別を受けている人々に、この国の政府はなぜ年金を支給しない(したくない)のか? pic.twitter.com/caWf5Ka7ne
【参考記事】
【雑感】
■飯山由貴《海の観音さまに会いにいく》(2020.09.17)
〇(追記:2020.08.26)チェン・ズ(陳哲)《パラドックスの窓》
たそがれ時に言及した文学作品に魅了されて制作。たそがれの複雑で、はかない経験を思いださせるイメージを作品化。
どこからどこまでがこの作品なのか、どういう構造になっているのか理解できたのは、3度目に訪れた時でした。当初、カーテンの中で映像を見る作品だと思っていました。
中を覗くと・・・ 長くなりそうな映像だと思い、すぐに移動してしまいました。あとで、この中に入って映像を見ようとした人が注意されたと聞きました。
その裏にも映像が? 別の窓だと思っていたら、カーテン内の窓と表裏の関係だとわかりました。
【作品解説】
【プロフィール】
生まれ:1989年、北京(中国)
活 動:同地を拠点に活動。
作 品:自傷行為を行う身体と心の関係性に言及した、自叙伝的な写真作品に注目。
近年、文学的なテキストを素材に、言葉とイメージとの関係を探る
シリ ー ズ「Towards Evenings: Six Chapters (夕暮れに向かって:6つの章)」に取り組む。本展では同シリーズより新作を発表。
出 品:
2016年、上海ビエンナーレ
2019年、アジア・パシフィック・トリエンナーレ(オーストラリア)、
「愛についてアジアン・コンテンポラリー」(東京都写真美術館)等に出品。
【Tweet】
チャン・ズ
— アナン (@anan20208) 2020年7月25日
パラドックスの窓
超高精細写真とプロジェクションによるインスタレーション
プロジェクターから発せられる木漏れ日(投影された光あるいは影)のうねりが心地よい。
ドラマや映画のワンシーン(映画の中の病室など)に入り込んだ気持ちになる。
写真で伝わらない!! pic.twitter.com/kVAjMacsjA
ヨコハマトリエンナーレ2020「AFTERGLOW-光の破片をつかまえる」099
— 岡田昌浩 (@triparaace) 2020年7月29日
at 横浜美術館 20200724
◆チェン・ズ(陳哲)「パラドックスの窓」 pic.twitter.com/DTbViKqJQU
【雑感】
■チェン・ズ(陳哲)《パラドックスの窓》(2020.08.26)
〇(追記:2020.08.27)ローザ・バルバ《地球に身を傾ける》(15:00)
美しいアースカラーが広がります。自然の地形と対比しているようですが、実はここ、北アメリカの放射性廃棄物貯蔵管理施設です。ヘリ上空で、旋回しながら、それらの施設を撮影した映像です。
大型の投影機(35㎜フィルム)が使われ、大きな音とともに、ヘリの振動音が重なります。ヘリが旋回する巨大映像に、タイトルの「地球に身を傾けて」を実感させられます。
【上映映像】GIFアニメ
4つのコンテンツから成っています。コンテンツの境は、赤バックの白抜き文字の解説。ここがそれぞれの区切りのようです。
美しい茶、灰色、緑、白、ターコイズ、紺碧の色を生み出す北アメリカの各地にある、放射性廃棄物貯蔵施設。
【作品解説】
【プロフィール】ローザ・バルバ
生まれ:1972年、アグリジェント(イタリア)
拠 点:ベルリンを拠点に活動。
作 品:
彫刻的なアプローチによる映像制作、空間表現を試みる。
作品と鑑賞者の新たな関係を生み出す映像、彫刻、インスタレーションを発表。
映画の素材や概念的な価値にまつわる執筆や出版活動も行う。
バルバが探究するのは、映画における様々な演出の手法、例えば身振りや様式、情報や記録が意味するものであり、それらを従来 の文脈とは異なる新たな形で提示。
本 展:35mmフィルムによる映像作品《地球に身を傾ける》を展示。
出 品:
2014年、ベルリン・ビエンナーレ
2009年、2015年、ヴェネチア・ビエンナーレ
2016年、サンパウロ・ビエンナーレ等多くの国際展に参加。
【Tweet】
ローザ・バルバ
— アナン (@anan20208) 2020年7月25日
35mmフィルムによる映像作品
《地球に身を傾ける》
映写機の音とフィルムの動きが機関銃のように腐敗した事実を打ち出しているようだが、すみません、エヴァのジオフロントを想起します。 pic.twitter.com/y2BLgaJdhy
【雑感】
■ローザ・バルバ 《地球に身を傾ける》(2020.08.27)
■展示室3
〇(追記:2020.08.27)パク・チャンキョン《遅れてきた菩薩》(55分)定時から上映
インドの核実験や日本の原子力発電所が仏教に因んだ名称(「ふげん」「もんじゅ」)をもつことから着想。現代社会の原子力に関わる受難を仏教説話と結びつけて考察しています。
断片的に目に入ってくる映像は、ネガポジを反転したようです。何らかの効果を狙っているものと考えられます。
【作品解説】
【プロフィール】パク・チャンキョン
生まれ:1965年ソウル(韓国)生まれ、
活 動:同地を拠点に活動。
作 品:映像を主体に制作。執筆活動も活発に行う。
本 展:インドの核実験や日本の原子力発電所が仏教に因んだ名称をもつことに着想し、現代社会の原子力に関わる受難を仏教説話と結びつけて考察した映像作品《遅れてきた菩薩》を展示する。
出 品:
2019年 韓国国立現代美術館の現代自動車供による企画展シリーズで個展を開催。
2014年 SeMAビエンナーレ メディアシティ・ソウルのアーティスティック・ディレクター
【Tweet】
横浜トリエンナーレで見た映像作品、パク・チャンキョン《遅れてきた菩薩》は1時間近い大作。放射能汚染と仏教と廃炉になったふげん、廃炉が決まったもんじゅを絡めた斬新な作品で圧倒された。茨城と福井で上映会やって欲しい。いろんな要素が詰まってるので、もう一度映画館でゆっくり見てみたい。
— bossa cine club (@bossacine) 2020年8月5日
横浜美術館、パク・チャンキョン《遅れてきた菩薩》は55分。入滅後の仏陀のある寓話をベースにした映像作品。「仏陀の微笑み」と放射線物質の半減期が重なり、日本の原発にも勿論言及が。少しショッキングなシーンがあるものの挿入されるエピソードが秀逸で、鑑賞後に誰かと意見交換をしたくなる。 pic.twitter.com/mcFC88uPZ6
— 小田原のどか|『群像』+『新潮』9月号 (@odawaranodoka) 2020年7月17日
パク・チャンキョン《遅れてきた菩薩》はシーンごとに鳥肌が立つような良さがあったのだけど、全体としては寓話なので、比喩に次ぐ比喩。わたしは韓国社会における仏教需要について無知なので、そのへんの前提知識があるともっと様々なことが読み解けたのだろうと思う。kurameさんの感想が聞きたい。
— 小田原のどか|『群像』+『新潮』9月号 (@odawaranodoka) 2020年7月17日
昨年、不自由展辞退で賑わせた、パク・チャンキョンの「遅れてきた菩薩」に引き込まれた。仏教説話を下敷きに「仏陀が微笑む」(数十億年)ことと、放射性物質の半減期が永遠に等しいことをベースにした、一時間弱の映像作品(ラスト5分の衝撃!) pic.twitter.com/4v8uCKyDF6
— 0054 (@0054___) 2020年8月1日
ヨコハマトリエンナーレ、横浜美術館はパク・チャンキョンの「遅れてきた菩薩」がとにかく引き込まれる。テーマは仏教×放射能。そういえば「ふげん」も「もんじゅ」も菩薩であった。あっという間の55分。 pic.twitter.com/WdRRQ6UisW
— ayako (@ayako_tr) 2020年7月31日
横浜トリエンナーレ行ってきた☺️
— かとまみ(webデザイナーLv1) (@mami_k_11) 2020年7月19日
個人的にはパク・チャンキョンさんの「遅れてきた菩薩」の映像に心鷲掴み!
何かを変えたい伝えたいというところからしか良いモノは作れないんだなぁなんてじんわり今思う。
美術館のコロナ対策も凄くて、この時期にしっかり鑑賞できたことに感謝です🙌
パク・チャンキョンの「遅れてきた菩薩」の深み、凄みよ。#ヨコハマトリエンナーレ pic.twitter.com/RLNjSMGGzC
— junko k. (@junko_in_tokyo) 2020年7月17日
「遅れてきた菩薩」は見ていてわからないことだらけだったけど、核実験や原子力発電所に関する命名に仏陀や菩薩に関連する言葉が使われているというのにはびっくりした。そして映像の中で描かれているのは過去の仏陀のエピソードを再現しようとする未来の人々?
— なっぴょん (@nappyon) 2020年7月22日
【雑貨】
■パク・チャンキョン 《遅れてきた菩薩》(2020.09.06)
■展示室1
〇(追記:2020.08.30)サルカー・プロティック《Raśmi / 光線》(5:50)
生命の輝き、光を讃える瞬間を捉えた写真が次々映し出されます。
【上映の様子】
第一展示室入口付近の廊下にて上映 立ち見
【部分映像】
【作品解説】
【Tweet】
横浜トリエンナーレ行った。
— jhkts / komakino (@jhkts) 2020年7月20日
やる側は大変だろうけど、入場日時予約制で、ガヤガヤしてなくて良かった。
とりあえず今日は横浜美術館だけ。
ベスト3はパク・チャンキョン、ローザ・バルバ、サルカー・プロティック。
プロット48は後日。横浜美ももう1回は行かないと。 pic.twitter.com/u7zjpUdM6a
【プロフィール】 サルカー・プロティック
生まれ:1986年、ダッカ(バングラデシュ)
活 動:同地を拠点に活動。
作 品:
バングラデシュの歴史や人々の暮らしから消えゆく光景や文化を探究
写真や映像作品を制作。
浸食された土地や植民地時代の建造物、家族の歴史に堆積する時間、儚さを伝える。
本 展:活気を失いつつあるバングラデシュの娯楽映画を題材にした写真シリーズのスライド上映。新作の映像コラージュ展示。
出 品:
2014年 ダッカ・アート・サミット(バングラデシュ)
2016 年 大邱フォト・ビエンナーレ(韓国)
2018 年 ハンブルグ写真トリエンナーレ参加。
〇エピソード4
ヨコトリ2020はエピソードと呼ばれるイベントの2部構成で、海外でもイベントを行う予定でした。コロナ禍の影響でオンラインに変更したり、エピソード4は、展示室1で行われています。
インティ・ゲレロによるもので、横浜美術館のコレクションに関する所見を起点にした企画構成です。
インティ・ゲレロのキュレーションよる、横浜美術館所属作品を再構成した展示
横浜美術館の所蔵作品を用いた小展示の中に映像作品が3点あります。
こちらの展示は、展覧会マップには掲載されていないので見逃しに注意。
〇(追記:2020.08.26)クリスティーナ・ルカス《ビッグバン》(4:19)
【上映の様子】
展示室1を入って左手、ガラスケース内の展示の手前のブースで映像作品の上映があります。見逃しやすいので注意。1組ずつの入れ替え制。性的表現を含むので注意、R18指定されています。映像、解説パネルともに撮影不可。
【内容】
元ネタは、ギュスターヴ・クールベ《世界の起源》。 最初、なんだかわからず見ていましたが、状況を理解した時、ビックバンのような衝撃が・・・
女優の動きは、久保田成子(1937-2015)《ヴァギナ・ペインティング》(1956)を参照しているとのこと。先駆的な芸術がこの時代、日本にも・・・
〇(追記:2020.08.26)アイサ・ホクソン《ポールダンサーの死》(5:20)
女性のポールダンサーに対する固定観念や文脈に疑問を呈する作品。セクシャリティ、暴力、権力等をテーマにポールダンスを踊る作品『Death of the Pole Dancer』(2011)
動画がありました。
【上映場所】
展示室1 ガラスケース内
【上映内容 部分】
【Tweet】
アイサ・ホクソン
— アナン (@anan20208) 2020年7月25日
白の装い
キャシー・ジェトニル・キジナー
聖なる力
このあたりもこのみ。 pic.twitter.com/KHlB2hCSrP
〇(追記:2020.08.27) キャシー・ジェトニル=キジナー《聖なる力》
マーシャル諸島で行われたビキニ核実験を扱った映像。 ドームには核実験の破棄物が納められています。美しい海には放射性物質が流れ、遺伝的疾患や生態系への不安に悩まされ続けています。
【上映会場の様子】
展示会場1 ガラスケースの奥
【上映映像 部分】
気候変動に関する活動家である キャシー・ジェトニル=キジナーが、故郷の状況を語ります。詩人でもあるので、自作の詩を肉声で届けます。声、そして訴えかけるような表情は、言葉がわからなくても、憂いが伝わってきます。
【展示解説】
なぜ、ここが選ばれたのか?その背景、歴史、現地に暮らす先住民、それにかかわってきた人々。それは決して他人事ではないことなど、奥深い背景が垣間見えてきました。
ミクロネシアを統治したアメリカ合衆国。それだけでなく、大日本帝国も関わっていた歴史を知ることとなりました。
以下は、映像作品ではありませんが、インティ・ゲレロのキュレーション作品
〇アイサ・ホクソン 《すべてがむなしい》
■写真展示室
〇(追記:2020.08.27)アリア・ファリド《引き潮のとき》(21:00)
イランケシュム島の漁民の新年は春。昼と夜の長さが同じとなる時です。海がもたらす恵みをたたえるための歌や踊りで祝い、音楽は喜びを表しています。
【上映会場の様子】
佐藤雅晴の展示の奥で上映されています。
スクリーンの前に椅子が3つ設置。
【内容】映像は次の3つのコンテンツで構成。
*男が一人で歌う恋歌と踊り
*白いシーツをかぶりトランス状態の女性が踊る
抱き合いこれから旅に出るかのように手をつなぎます。
画像をGIFアニメで
*シュロで編んだ長い帽子をかぶった踊り手が、海の前でパフォーマンス。
写真によるGIFアニメ
牧夫と息子、鳥、駱駝、馬、ライオンが登場。シュロの葉で編んだ長細い帽子を被り、踊り手たちが絡みます。
【解説パネル】
【プロフィール】
生まれ:1985年、クウェート生まれ、
活 動:クウェートとサン・フアン(プ・エルトリコ)を拠点に活動。
作 品:
ファリドは、現代生活の水面下に織り込まれた様々な構造的課題を作品化。
近年は、自身の個人史について言及。
1990年代初頭のイラクによるクウェート侵攻に起因する、家族のプエルトリコへの逃避にまつわる苦難と希望について作品を発表。
本展では、映像作品《引き潮のとき》を発表。
2019年 サンパウロ・ビエンナーレ
2018年 光州ビエンナーレ
2019年 シャルジャ・ビエンナーレ(アラブ首長国連邦)
2020年 ラホール・ビエンナーレ(パキスタン)に参加
2019年 ポルティクス(ドイツ)
2020年 ヴィット・デ・ヴィッド(オランダ)で個展を開催。
【Tweet】
恋を踊る青年、シーツを被りトランス状態の女2人、ほのぼの動物コスプレの人々が登場するアリア・ファリドの作品もリズムによる陶酔感が心地よくて2周した。民謡みたいなの好きなのかな。インドの漁村を撮るレヌ・サヴァントのドキュメンタリーもすごくよかった。4時間あるので半分弱しか観てないけど
— テツオ (@tetsuo214) 2020年7月21日
飯山とファリド、ガンボの作品は、小さいコミュニティの儀礼と祈りと祝福が共通していて、なぜそこに惹かれたか考えさせられてしまう。妹の生きる世界に接近し妹と共に祈る飯山、新年の訪れを祝福する漁村の歌と踊りを映すファリド、奪われた学びと遊びを手繰り寄せる少女たちを映すガンボ。
— 辻佐保子/Sahoko TSUJI (@2Gsahoko) 2020年8月14日
【雑感】
■アリア・ファリド《引き潮のとき》(2020.08.27)
■旧レストラン
〇(追記:2020.10.02)ジャン・シュウ・ジャン 《動物故事》
【作品内容】
アジアの民間に伝わる童話、台湾の伝統芸能にインドネシアのガムラン音楽がBGMの映像のインスタレーション。
【解説パネル】
【プロフィール】
生まれ:1988年、台北(台湾)
活 動:同地を拠点。
作 品:
ドローイングや、手製の動物のパペットやジオラマを用いたストップモーションによるアニメーション映像やインスタレーションを制作。
儀式や葬送用の紙細工作りを家業とする家庭に生まれる。
紙を素材にしつつ時代と共に廃れゆく家業に象徴される社会状況の反映として、奇怪な生き物の営みを作品化。
本 展:新作の映像インスタレーション発表。
出 品:
2018年 上海ビエンナーレ
2015年 アジアン・アート・ビエンナーレ(台湾)
2012年 アジア・パシフィック・トリエンナーレ(オーストラリア)の映像プログラム
国際展に参加。
【Tweet】
一番良かったのは、横浜美術館の旧レストランに展示されていたジャン・シュウ・ジャンのアニメーション。動きがものすごく細かいんだけど、とにかくすごく可愛かった。
— tomico (@t_o_m_i_c_o) 2020年10月1日
ここの展示気づかなくてスルーしそうだったけど、本当に行って良かった。 pic.twitter.com/4JbfoCysSX
毎回楽しみにしている横浜トリエンナーレ。
— ぽんたぽんたぽんた (@vyg071645) 2020年9月30日
今回はジャン・シュウ・ジャンの作品が1番良かった。動物好きにはたまらん世界観です。不思議な動物が踊る姿がかわいい。 pic.twitter.com/ywnZDvZn3S
ジャン・シュウ・ジャンの紙細工によるアニメーション作品はやっぱり楽しい。写真撮ってみたら面白い感じになった #ヨコトリ pic.twitter.com/PmN8uOgtUv
— サユリ (@fffy___) 2020年9月28日
#ヨコハマトリエンナーレ2020
— Gomez Sone (@surfinhamster) 2020年9月21日
1番のお気に入りは、ジャン・シュウ・ジャン(張徐 展)によるストップ・モーション・アニメ作品。奇妙で愛らしい小さな生き物達の祝祭。無限に観てられる。https://t.co/fsKaRzhzAi pic.twitter.com/UnzR4KTWKj
【参考】
【雑感】
〇ジャン・シュウ・ジャン 《動物故事》(2020.10.02)
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最初から、是非見たいと思ってチェックしていた作品。それに加えて、Tweetなどを見ていて、要チェックとなった作品もありました。一つの作品を最後まで見ることで、みえてくることもあります。最後まえ見なければわからないことも。
どんな作品と出会い、どれくらい見ることができるか・・・・ 一期一会の出会い。その運を引き寄せるのも、フックになるキーワードに触れる機会が、めぐり合わせの確率も上がるはず。
■更新履歴
〇(追記:2020.09.18)新井卓《千の女と旧陸軍被服支廠のためのアンチ・モニュメント》(15:00)
〇(追記:2020.09.13)岩間朝子《貝塚》(17:38)
〇(追記:2020.09.17)飯山由貴《海の観音さまに会いにいく》(21:19)
〇(追記:2020.09.17)飯山由貴《hidden names:短縮版》(25:42)
〇(追記:2020.09.17)飯山由貴《オールド ロング ステイ》(170分)
〇(追記:2020.08.26)チェン・ズ(陳哲)《パラドックスの窓》
〇(追記:2020.08.27)ローザ・バルバ《地球に身を傾ける》(15:00)
〇 (追記:2020.09.06)パク・チャンキョン《遅れてきた菩薩》(55分)
〇(追記:2020.08.30)サルカー・プロティック《Raśmi / 光線》(5:50)
〇(追記:2020.08.26)クリスティーナ・ルカス《ビッグバン》(4:19)
〇(追記:2020.08.26)アイサ・ホクソン《ポールダンサーの死》(5:20)
〇(追記:2020.08.27) キャシー・ジェトニル=キジナー《聖なる力》
〇(追記:2020.08.27)アリア・ファリド《引き潮のとき》(21:00)
■関連
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