新たな媒体、VOKKAで記事を書くことになりました。お初の投稿は、最近話題の「ビジネス」と「美術」に関する3冊の書籍です。
・『世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」』
・『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』
・『エグゼクティブは美術館に集う (「脳力」を覚醒する美術鑑賞)』
- ■「美術」と「ビジネス」について
- ■VOKKAについて
- ■アート関連の話題の書籍紹介
- ■新たな価値、視点、そして批判的視点も…
- ■美術の教養は仕事に役立つ!?
- ■批判的メディアリテラシーの視座で見る
- ■学びはどこにでもある 美術はその一つ
■「美術」と「ビジネス」について
美術鑑賞をするようになって、美術の視点が「仕事にも応用できる」ことって結構ありそう・・・・ 漠然とだったのですが、感じるようになっていました。それらをあちこちに書き残して散在しているので、まとめることができないかなと思っていました。
そこに、上記の書籍が出版され、やっぱり! 意を得たり状態。媒体に記事を書く時にも、美術とビジネスのテーマを盛り込みたいのですが、媒体のカラーや文字制限などで盛り込みにくい状況でした。そこで出会ったのが・・・・
■VOKKAについて
ターゲットは、"一流"、"ワンランク上"を目指す、高所得男性ビジネスパーソン。そんな彼らに対し、もっとオシャレでカッコイイ毎日をすごしたい人のためのウェブマガジンです。グルメ・書籍・映画・音楽・ファッション・旅行・レジャー・ライフスタイルなど、毎日をオシャレにするための情報を提供しているとのこと。
こちらで「美術から学ぶビジネス視点」について、書かせていただこうと思っております。
■アート関連の話題の書籍紹介
最初の寄稿は、最近話題の「アート」と「ビジネス」につい書かれた書籍です。これらの書籍は、読者のターゲットを「エリート」「エグゼクティブ」とハイクラスを狙っています。
しかし、アートから学べることは、ハイクラスのビジネスマンだけが享受することではなく、一般のビジネスマン、主婦、学生だっていいわけです。
新たな価値を見出す。新たな視点でものを見る。これがビジネスに大きな影響を与える肝の部分だと思っています。しかしその効果はビジネスだけでなく、あらゆる場面で、創造性をもたらしてくれるはずです。
■新たな価値、視点、そして批判的視点も…
新たな視点を生む一番の方法は、与えらえた書籍の内容を鵜呑みにしない。批判的な目で見ることも、重要なポイントだと思っています。
アビゲイル・ハウゼンは、美的感受性を科学的に評価するため、美的感受性の発達を 5 つの段階に分類しました。その発達段階の最終形としても紹介されています。
最終段階は、第 5 段階「再創造の段階」(Re-creative Stage)「みる」ことの創造性――批判的メディアリテラシーの視座 と言われています。
メディアリテラシーは、受け手の批判性・創造性に注目しています。
美術界、そして、日本人は批判的視線を嫌う傾向があるように感じていました。でももうそろそろいいのではないでしょうか? 思ったこと、感じたことはそのまま声にしても… そんな空気が出てきていることを学芸員さんとお話していて感じさせられました。
美術展で提供されるリリースの「見どころ」があります。しかしそれに付和雷同することは全くないと思うのです。「私が思う見どころはここ」を見つける。そんなつもりで鑑賞をすれば、見る人がそれぞれに、新しい視点をもてるようになります。それを交換できたら、お互いの創造性を高めあえると思うのです。
■美術の教養は仕事に役立つ!?
という風潮が高まってくるにつれ、私は一種の反感を募らせるようになりました。美術だけじゃないでしょ! 美術だけが偉いみたい… 特別視しないでよね(笑) 美術を知っている人が放つ、私、美術わかってますオーラで、上から見られているような、そんな印象を持ってしまったのでした(笑)
教養はいろいろなところから、つけることができるはず。科学だって、教えてくれることは一杯あります・・・・(笑)
最近話題の「東大読書」という本にも書かれていました。反論しながら読むって… 本を読むのが嫌いで、今でも好きとは言えません。それなのに書評みたいなものを書くのは、とってもおこがましいことです。でも、本を読むのが嫌いでも、「これ、変だよね」「おかしくない?」そういう視線は持って読んでいました。
これからの時代に必要な「文章力」って「国語力」というよりも「感情力」に近い気がする。「これ、変だよね」「あれ、素敵だね」「この人、おもしろいね」って思える力。学校で習ってきたのはそれと反対の力。自分の感情を抑えてまわりに合わせてばかり。それだと生き生きした文章は書けない気がする。
— 竹村俊助/編集者 (@tshun423) August 5, 2018
私が美術に興味を持ったきっかけも「ここが変…」という何かわからない違和感から始まりました。じゃあそれについて、実際に見て確認してみよう。調べてみよう。他の人はどう思ってるのかな? 専門家はどう考えているんだろう? じゃあ聞きに行ってみよう。と「変」と感じたものの正体 あるいはそう感じさせる原因を探りたいという好奇心からでした。
「変」と感じるには必ずその理由がある! それは原因と結果を求める自分が学んできた世界の思考なんだということをあとになって気づかされたのでした。
■批判的メディアリテラシーの視座で見る
昔から、本を読む時は批判的だった気がします。いつもおかしいところがないか探していました。新たな趣味を始めた時、その世界の偉い先生が書いたり言ったことでも、必ずしも正しいわけじゃないというのは、私の中では、セオリーでした。
みんなそういうふうに読んでいると思っていたので、そうじゃないのか… と思ったくらい。「ここがおかしい!」という部分を見つけることに面白さを感じていました。
■学びはどこにでもある 美術はその一つ
今思えば、これは、生物多様性や、生き物は、みんな平等なんだ…という生物学の基本から身についた思考だったのではなかと思っています。
美術は教養を得るためのツール。それは「多様性を知る」「いろいろな価値感がある」ことを理解するという話があります。しかし、それを理解するのは、美術だけではないはず。植物を育てていてもそのことに気づかされます。
しかし、美術には、それだけではないたくさんの学びが詰まっていました。これまでとは違う何かがある。役立ち方が違う… そんなふうに感じさせられたのでした。
学びの場はいろいろある。美術はその一つにすぎない… これらの本から、美術からではなく、別の世界から教養を身につけよう!って思ったっていいわけです。自分の好きな世界から教養を高めていく。そんなふうにとらえてみてもいいと思いました。