コロコロのアート 見て歩記&調べ歩記

美術鑑賞を通して感じたこと、考えたこと、調べたことを、過去と繋げて追記したりして変化を楽しむブログ 一枚の絵を深堀したり・・・ 

■静嘉堂文庫美術館:庭園散策(岩崎家玉川廟)

 静嘉堂文庫美術館国分寺から続く武蔵野の丘陵の豊かな自然の中に位置しています。美術品鑑賞もいいですが、庭園散策もまた別の楽しみがあります。シラサギが舞い降りるというサプライズや、ふかふかの土の感触を踏みしめながら、岩崎家の栄華だけではない、日本の文化を後世に残そうとした心に触れてみるの一興です。

 

 

 

■岡本静嘉堂緑地にがある国分寺崖線について

散策前に、静嘉堂文庫美術館が、どのような場所に立っているのか、またここ一帯の大地が、どのように走っているか、地形なども合わせて散策すると、プラタモリではありませんが、大地の成り立ちの理解にもつながります。

 

国分寺崖線とは

静嘉堂文庫美術館のある一帯は、国分寺崖線と呼ばれる、国立市国分寺、世田谷、等々力へと続く10~20mの崖の一部になります。崖線直下には野川が流れています。

 

と言われても、「国分寺」と「二子玉川」がどう繋がっているのか位置関係がよくわからず想像ができません。「二子玉川」と「国分寺」って全く違う場所のように思うのですが・・・・下記のような図がありました。

 

出典:国分寺崖線保全の取り組み | 世田谷区より

 

住まいが都内でないと、場所の位置関係が今一つ、ピンときません。 

 

 

〇地形図

地形図がありました。なるほど~ これでよくわかります。このような大地が立川、国分寺まで続いているわけですね。地形図でみると、10~20mの崖の直下に野川が流れていて、それは、武蔵野礫層からの湧水だという解説がより理解できました。

地形図5

出典:国分寺崖線-5

 

この野川を境に、南側は水田、北は雑木林がひろがっていました。という解説が、散策路の入り口あたりに立っています。

 

国分寺崖線の自然 

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〇崖線の変遷

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10~20mの高さの崖という地形は、開発の波をうけにくかったようです。アップダウンや高さがあると、均一にするために造成されてしまいます。この程度の高さだと、開発もまぬかれ、もともとの状態を保ったまま、維持されるようです。

 

 

 

■岡本静嘉堂緑地について 

国分寺崖線の一画にある岡本静嘉堂緑地
〇もとは岩崎家が所有する庭園で個人所有の土地。
〇昭和20年頃までは庭園として維持管理がなされていた。
〇その後、人の出入りもなく、ほぼ自然状態のまま維持。

以上のような予備知識のもと、散策の開始です。

 

 

■正門を入ったところの案内

正門を入るとすぐ横に、案内板があります。

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〇岡本静嘉堂緑地案内図

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上記を見ると、ピンクの部分が現在の「静嘉堂文庫・美術館」の敷地。
青い部分が区の管理となった「静嘉堂緑地」です。かつては、この青い部分まで、岩崎家が所有しており、庭園として管理がされていたそうです。

 

   

谷戸川にサギが!

〇右手側

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清流が流れています 

 

 

〇左手側

左手に目を向けると、なにやら飛来物が・・・ なんとそれはサギが舞い降りて着地したのです!

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〇サギが生息する自然

こんなところにこんなに大きな鳥がいるなんて!

そのことが意味するのは、この場所がいかに豊かな自然に囲まれた土地であるかを証明しています。より大きな鳥が生育できる環境というのは、この体を維持するためのエサとなる動植物が豊富に生育していることを意味しています。またそれらの動植物を支える小動物のネットワーク、生態系が保たれているということです。

思いもかけないお出迎えで、いきなりこの森の自然の偉大さを目の当たりにさせられた気分です。

 

ちなみにこの一帯の様子をgoogleの航空写真で見てみました。

   ⇒ 静嘉堂文庫美術館航空写真

これだけの自然が維持されていたら、サギの群れがこの森に住み着いているのかもしれません。(一方で、繁殖による被害という問題も、出てくる場合もあるらしいです)

 

 

〇サギウォッチング

しばしサギを観察していました。飛び立つ瞬間をカメラにとらえようと思って・・・・

 

↓ 縁にたたずみました      ↓ 下に降りちゃいました

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↓ 見えなくなっちゃうと思ったら ↓ 全体が見えましたが・・・

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しばらくじっと見ていたのですが、どうもじっとしていて飛び立つ気配はありません。諦めて先に進みました。

 

 

 

■散策路と美術館ルートの分岐点

〇美術館へのルート

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美術館への一般的なルートは、バス停を降りてから、正門を入り谷戸川にかかる橋をわたります。渡ったらT字路を右側へ。斜面を登っていくと、その一番上に、静嘉堂文庫と美術館があります。

先に紹介した地形を思い浮かべると、この傾斜が、国分寺から続く10~20mほどの高さの崖の、てっぺんの部分に美術館があるということがわかります。そのため、ちょっとした勾配があります。

 

 

■散策ルート 

谷戸川にかかる橋を渡ったら左手方向に向かいます。

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〇入り口

こちらが散策路へ向かう道です。そこには、チェーンの柵が・・・ 

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〇土の感触

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一歩、ここに足を踏み入れたらと、土の感触が変わりました。そのクッション性に驚きます。土がふわふわとしていて、この感触は都会の生活ではなかな味わえない体験です。

 

これもまた、ここの自然が豊かに循環していることを意味しています。落葉樹が落ち、それを分解する微生物がいて、ふかふかの有機物いっぱいの土を作っていることの証です。

 

 

国分寺崖線解説

その先に、さきほど紹介した、国分寺の崖線の自然の看板があります。

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〇岡本静嘉堂緑地解説

そして、このような看板もあります。

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動植物の配置も紹介されています。

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〇急な階段

さて看板を振り返えったら、さあ大変! いきなりこんな階段がそびえています。

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傾斜もきついですが、蚊もいっぱい。ここを散策する際は、防虫対策も必要かな?

 

↓ 登った先はどうなっているのでしょうか? またまた階段だったりする?

 こんな湧き水があったり

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↓ こんなベンチが用意されて居たり

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↓ 途中、見上げたら紅葉の葉が、厚く重なり合って日差しを遮っています。

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↓ かと思えば、中間部の葉を落とした樹木があったり

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↓ 木々がいかに生き残っていくかというバトルを垣間見ながら(笑)

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〇岩崎家霊堂(岩崎家玉川f:id:korokoroblog:20170617140847j:plain

岩崎小弥太(4代目)が岩崎家の納骨堂として建設

設計:ジョサイア・コンドル(←ニコライ堂など作る)

デザイン:ドーム型の屋根

作成年:1910年(明治43年)

 

ジョサイア・コンドル 

なんだか聞いたことある名前だなと思って調べてみたら、三菱一号館を設計した人でした。他にも、ニコライ堂、旧古河虎之助邸なども。どうもどこかで見たことあると思ったのは、ニコライ堂と似ていたのでした。

 

ニコライ堂

wiki ipedhia より

 

 

〇記念植樹

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1902年 日英同盟締結

2002年 日英グリーン同盟 新発足 

    (日英同盟100周年記念として駐英大使よりブナ贈られる)

 

静嘉堂の設立者、岩崎小弥太は、日英同盟締結の年、ケンブリッジ大学に入学していたというゆかりがあると言います。

 

ここを抜けると静嘉堂文庫美術館へとつながります。

 

あの階段の先は、きつい登りはありませんでした。ここは、10m~20mの高さの崖です。そんなに長い階段はないのでした。 

 

 

静嘉堂文庫美術館 静嘉堂文庫

静嘉堂文庫美術館       静嘉堂文庫

 

 

なにやらこれも記念樹らしい・・・・

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そして、本日6月17日から始まる前の日。職人さんたちが庭に入り、整備をされていました。

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 お客様を迎えるためのおもてなし・・・・

 

この日、実はわざわざ庭散策に行ったのではなく、もうすでに、「珠玉の香合・香炉展」が始まっているものとばかり思っていて、二子玉川まで行ったので足を延ばしたのでした。入り口のところで、17日からのインフォに愕然・・・・ 

 

しかし、お庭があったことを思いだし、ゆっくり散策してみました。展示も合わせてみるとゆっくり散策する余裕がありません。ここは、美術館を利用しなくても十分、楽しめる場所だということがわかりました。下記の庭も、職人さんたちが、いろいろな道具を使って、計測をしながら、庭の手入れをしていました。

 

開館期でないからこそ、その裏で維持するために携わっている方たちを目にすることができました。散策中には、この自然を経過観察されているような団体? 組織? 行政? の方たちにも巡り合いました。普段、みられないものを目にできる機会となりました。

 

 

■もう一つの庭園

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静嘉堂文庫美術館の横には、このような看板が・・・・ まだ、まだ庭園は続きます。この続きはまたのちほど・・・・

 

 

■関連

■静嘉堂文庫美術館:アクセス(バス&徒歩)と庭園散策

 

 

【追記】(2017.06.24)

美術館側の庭園から、民家園に向かって、しもやまはしあたりのこの一帯を歩いてからこの動画と見ると、土地は連なっていてそこに生活があることを実感します。

www.youtube.com

 

他にもいろいろな方たちが動画をアップしていて、地域の人たちに愛されていて、こういう環境で育つことがなにがしかのアイデンティティーをつくるんじゃないかと思うのでした。